(承前)
以前も書いたことがあると思うが、網走の市街地はもともと、海に流れ込む直前の、網走川の両岸低地に広がっていた。市役所や美術館、図書館、オホーツク総合振興局などは、この平地にある。
戦後、それより南側の、牧草地などだった高台に、新興住宅地やロードサイドショップがたつようになった。
網走の旧市街地から斜里・知床方面へと国道や鉄道で向かう観光客は、海と崖の間を通るから気づかないだろうが、崖の上には一大市街地が広がっているのである。
「はぜや珈琲( https://hazeya-coffee.com/ )」は、その崖の上にある小さなお店で、コーヒー豆や用品の販売をしている。8、9人ほどがコーヒーを飲むスペースもある。
「マンデリン フレンチブレンド」などのコーヒー豆を自家焙煎して販売している店は珍しくないが、ここは農場名まで明記して仕入れている、本格派のお店なのだ。
2010年に初めて訪れたとき(
オホーツク小さな旅(46) )は、あいにく定休日だったが、その後何度か足を運んでいる。
ブログの記述に遺漏がなければ、最後に立ち寄ったのは2013年( 網走を歩く オホーツク小さな旅(87) )。
じつに7年ぶりということになる(コーヒー豆自体は、ときどき通信販売で購入していたが)。
「あじぶか」ブレンドと東ティモール産の豆200グラムずつを買い求めた。
ちょうどテーブルがあいていたので、マンデリンとパウンドケーキを註文して、一服。
真っ青な海を見ながら楽しむ香り豊かなコーヒー。
なんだか、ひさしぶりにぜいたくなひとときをすごすことができた。
さて、道立北方民族博物館は依然、臨時休館中で、どうしても寄らなくてはならないところは他にない。
抱えている急ぎの原稿もあることなので、帰ることにしよう。
駒場3丁目の停留所にバスが来る時間は13:48。
網走バスの市内線は、この「大曲」と「つくしが丘団地」を結ぶ幹線路線さえおさえておけば、なんとかなると思う。
細部にバリエーションはあるが、高台上の真ん中を走り抜いた後、低地におりて市役所やバスターミナルや美術館を通り、いったん橋を渡ってモヨロ貝塚やオホーツク総合振興局の近くに停車し、ふたたび橋を渡って網走駅前に着き、網走刑務所前や大曲へと向かうのだ。
網走駅前で降りる。330円。
駅構内のレストランで駅弁を売っていたので、買い求めようとしたら、店の主人が店内からではなく、背後から「いらっしゃい」と現れたのでちょっとびっくりした。
駅待合室のロビーでテレビを見ながら、ついでに店番もしていたのだ。
帰路も普通列車である。
なにせ特急料金が片道3千円近くかかるのだ。
特急に乗ると、費用が倍以上になってしまうのである。
網走午後2時32分発「4664D」列車。
キハ40の単行ディーゼルカー。
乗客は6人ほど。
網走駅構内で買った「かにめし」。
900円+消費税90円。
網走駅前のローソンがいつの間にか閉店していたこともあり、ここは駅弁でいきたいところ。
というか、道内の列車から車内販売が姿を消した今、列車に揺られながら駅弁を食べるというのは、これまた相当ぜいたくな経験ということができると思う。
ところで、この列車は遠軽まで行かず、北見市内の西端の「西留辺蘂」止まりである。
そんな駅舎もないような小さな駅で、次の列車を約1時間待つのもつらそうだ。
ひとつ手前の留辺蘂なら、運転手に事情を話せば、切符を持ったまま列車を降ろしてくれそうだし、駅員はいないから待合室ですわって、次の列車を待つこともできるかもしれない。
しかし、運転手に説明するのもめんどうなので、その必要の無い北見駅のプラットフォームで待つことにした。北見駅は、後続の列車の始発駅だから、多少早めに車内に入ることができるかもしれない。
結論からいうと、北見駅のホームで待つのは、寒かった。
西留辺蘂のホームには小さいながらも待合室のような小屋があったので、ここで待ってもだいじょうぶだったのだ。
北見の車庫から出てきたディーゼルカーは、いったん端野寄りの踏切の近くまで走り、1番ホームに入ろうと、南東に戻って入線してくるのだった。
北見で待つことおよそ1時間。
遠軽行き普通列車「4668D」は、やはりキハ40の1輛編成だった。
やはり乗客は一桁。
単に高校生が春休みだからなのか、それとも、新型コロナウイルスの影響で外出を控えている人が多いのか、そのあたりはわからない。
帰りの列車の中では、パソコンを開いて原稿を書いていた。
3時間50分余りかかって、ようやく終着についた。
今度は網走で、もう少しゆっくりしたいと思う。
以前も書いたことがあると思うが、網走の市街地はもともと、海に流れ込む直前の、網走川の両岸低地に広がっていた。市役所や美術館、図書館、オホーツク総合振興局などは、この平地にある。
戦後、それより南側の、牧草地などだった高台に、新興住宅地やロードサイドショップがたつようになった。
網走の旧市街地から斜里・知床方面へと国道や鉄道で向かう観光客は、海と崖の間を通るから気づかないだろうが、崖の上には一大市街地が広がっているのである。
「はぜや珈琲( https://hazeya-coffee.com/ )」は、その崖の上にある小さなお店で、コーヒー豆や用品の販売をしている。8、9人ほどがコーヒーを飲むスペースもある。
「マンデリン フレンチブレンド」などのコーヒー豆を自家焙煎して販売している店は珍しくないが、ここは農場名まで明記して仕入れている、本格派のお店なのだ。
2010年に初めて訪れたとき(
オホーツク小さな旅(46) )は、あいにく定休日だったが、その後何度か足を運んでいる。
ブログの記述に遺漏がなければ、最後に立ち寄ったのは2013年( 網走を歩く オホーツク小さな旅(87) )。
じつに7年ぶりということになる(コーヒー豆自体は、ときどき通信販売で購入していたが)。
「あじぶか」ブレンドと東ティモール産の豆200グラムずつを買い求めた。
ちょうどテーブルがあいていたので、マンデリンとパウンドケーキを註文して、一服。
真っ青な海を見ながら楽しむ香り豊かなコーヒー。
なんだか、ひさしぶりにぜいたくなひとときをすごすことができた。
さて、道立北方民族博物館は依然、臨時休館中で、どうしても寄らなくてはならないところは他にない。
抱えている急ぎの原稿もあることなので、帰ることにしよう。
駒場3丁目の停留所にバスが来る時間は13:48。
網走バスの市内線は、この「大曲」と「つくしが丘団地」を結ぶ幹線路線さえおさえておけば、なんとかなると思う。
細部にバリエーションはあるが、高台上の真ん中を走り抜いた後、低地におりて市役所やバスターミナルや美術館を通り、いったん橋を渡ってモヨロ貝塚やオホーツク総合振興局の近くに停車し、ふたたび橋を渡って網走駅前に着き、網走刑務所前や大曲へと向かうのだ。
網走駅前で降りる。330円。
駅構内のレストランで駅弁を売っていたので、買い求めようとしたら、店の主人が店内からではなく、背後から「いらっしゃい」と現れたのでちょっとびっくりした。
駅待合室のロビーでテレビを見ながら、ついでに店番もしていたのだ。
帰路も普通列車である。
なにせ特急料金が片道3千円近くかかるのだ。
特急に乗ると、費用が倍以上になってしまうのである。
網走午後2時32分発「4664D」列車。
キハ40の単行ディーゼルカー。
乗客は6人ほど。
網走駅構内で買った「かにめし」。
900円+消費税90円。
網走駅前のローソンがいつの間にか閉店していたこともあり、ここは駅弁でいきたいところ。
というか、道内の列車から車内販売が姿を消した今、列車に揺られながら駅弁を食べるというのは、これまた相当ぜいたくな経験ということができると思う。
ところで、この列車は遠軽まで行かず、北見市内の西端の「西留辺蘂」止まりである。
そんな駅舎もないような小さな駅で、次の列車を約1時間待つのもつらそうだ。
ひとつ手前の留辺蘂なら、運転手に事情を話せば、切符を持ったまま列車を降ろしてくれそうだし、駅員はいないから待合室ですわって、次の列車を待つこともできるかもしれない。
しかし、運転手に説明するのもめんどうなので、その必要の無い北見駅のプラットフォームで待つことにした。北見駅は、後続の列車の始発駅だから、多少早めに車内に入ることができるかもしれない。
結論からいうと、北見駅のホームで待つのは、寒かった。
西留辺蘂のホームには小さいながらも待合室のような小屋があったので、ここで待ってもだいじょうぶだったのだ。
北見の車庫から出てきたディーゼルカーは、いったん端野寄りの踏切の近くまで走り、1番ホームに入ろうと、南東に戻って入線してくるのだった。
北見で待つことおよそ1時間。
遠軽行き普通列車「4668D」は、やはりキハ40の1輛編成だった。
やはり乗客は一桁。
単に高校生が春休みだからなのか、それとも、新型コロナウイルスの影響で外出を控えている人が多いのか、そのあたりはわからない。
帰りの列車の中では、パソコンを開いて原稿を書いていた。
3時間50分余りかかって、ようやく終着についた。
今度は網走で、もう少しゆっくりしたいと思う。
(この項続く)