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■中田やよひ展-見えるもの見えないもの-ニューオータニイン札幌企画~北海道の画家を応援するプロジェクト (2023年12月25日~24年1月28日、札幌)

2024年01月24日 22時22分22秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 2007年に個展を見たとき、中田やよひさんが「物のまわりにある空気も描きたいんです」という意味のことを語っていたのが、印象に残っています。
 その後、2019年に、琴似のカフェ北都館ギャラリー「名画の小部屋」で小さな個展を開いています(会場内の年譜には記載なし)。さいとうギャラリー恒例の年2回の企画展には少なくとも20年以上は皆勤ですし、全道展と道彩展の会員でもあるので、作品自体は、見る機会の多い方です。
 ほかに、女流画家協会の委員でもあります。

 冒頭画像は、左から「百日草」「黒い花びら」「グラスのアネモネ」。

 モノトーンを基調とした地味な色合いの花を描いた静物画が並びます。
 
 全体的な傾向をいえば、今回は、英字紙などを貼り付けたコラージュが多いです。
 画像右は「impression」(20F)。

 パピエコレといえば、ピカソらキュビスムの画家たちは、おしゃれな雰囲気を演出するためではなく、鑑賞者に「これは絵画だ」と、イリュージョンをはがす役割を演じていたように思います。

 花瓶に盛られた花々の背後に貼り付けられた新聞紙は、どういう狙いがあるのでしょうか。

 となりは「星待つ花」。
 さらにそのとなりは「赤い梨」。
 
 次の画像の右は「アイリス」。
 45×20センチで、これもモノトーンが基調です。

 一方、そのとなりの「アルルカン」など、金箔がアクセントに用いられている作品もあります。
 
 
 花以外に、果実をモチーフにした絵も多いです。
 左は「ひとつ」(42×22センチ)。
 おそらく、マルメロを描いているのでしょう。

 そのとなりは「黒い瞳」「梨」。
 
 
 黒の水彩絵の具で花を描いた「好日」は45×61センチで、展示作でも大きいもの。
 紙の質感をそのまま生かしています。

 このほか「時計台」のガラス絵もありました。

 さらに「アカシアの雨」など、よく見ると、葉が、絵の具で描いているのではなく、紙を貼って表現されている絵もあります。

 どうしたら空間が単調なものにならずに済むか。
 筆者には、中田さんの絵が、そうした問いに対する試行錯誤のように感じました。

 それ以外の絵は次の通り。
ひと房
人形
April
モンシロチョウ
冬の門
petite poupee
そら豆
アネモネ
黒薔薇
グラスのバラ(同題2点)
スズラン


2023年12月25日(月) ~ 2023年1月28日(日) 午前10時~午後7時(最終日~4時)
ニューオータニイン札幌地下(札幌市中央区北2西1)

過去の関連記事へのリンク
第38回 道彩会会員会友展 (2019)

第38回道彩展 (2018)

第29回 道彩会会員会友展 (2010)

第27回道彩会 会員会友展 (2008)
※以上、画像なし
中田やよひ展 (2007)

第26回道彩展(2006、画像なし)




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