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■松川修平の世界 (9月2日まで)

2007年09月01日 22時39分10秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 「ATTIC(アティック)」にはじめて入りました。
 道新夕刊「カルチャープラス」面(金曜)のマンガ評論などを担当している札幌の精神科医、阿部幸弘さんが代表となって有志でことし4月に開設したフリースペース。むかしシアターキノが入っていたビル、といえば、わかる人も多いでしょう。

 階段を4階まで上がって扉を開けると、約80平方メートルの会場の壁に、大小の絵がぎっしり貼ってあります。数えたら、楽に200点以上ありました。
 照明は蛍光灯で、スポットライトやガイドレールなどはないので、あまりギャラリー向きの会場ではないかもしれません。

 こんどの展覧会のフライヤーや関聨のブログなどには松川さんの絵についていろいろな表現で紹介がされています。その紹介の文章がダメだと言うつもりはまったくないのですが、会場に足を運んで思ったことは
「こりゃ実物を見ないとわかんないわなあ」
ということでした。
たしかに、裸の女性を描いたエロティックな絵もありましたが、女性の顔だけの絵も展示されていましたし、スキー場のゲレンデ、池のほとり、ボブ・マーリーのような男がステージで鍵盤ハーモニカを演奏している様子、さらには抽象まで、多種多様な絵があったのです。9割以上は人物がモティーフでしたが。
 また、そこらへんの紙に走りがきしたような絵、キャンバスにしっかりと絵の具で描いた絵、ペンの細かい線で執拗に描写した絵など、画風も、とても同一の人物とは思えないほどです。
 ただし、神経症的なところはあまり感じられません。といって、文学的なにおいもありません。ただ、淡々と、男性の日常の中で紡がれた線が、そこにあるという感じがします。

 たしかなことは、松川さんの絵は、ほかの人の絵にあまり似ていないことです。展示方法も、いわゆる絵画展に「染まって」いない新鮮さがあります。美術の世界が活性化するとしたら、そういう「外部」的なもの、つまり、ほかに似ていない作り手が起因となるような気がします。


8月28日(火)-9月2日(日)11:00-19:00
ATTIC(中央区南3西6 長栄ビル4階)


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