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■藤倉英幸新作展 時にたたずんで (9月3日まで)

2007年09月01日 23時14分19秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 藤倉さんは1948年、後志管内岩内町生まれ、札幌在住。「はり絵作家」として活躍し、JR北海道の広報誌の表紙などを担当してきています。道内各地の風景をクリアな色面で表現した「はり絵」は定評があり、見たことのない道民はおそらくいないのではないでしょうか。

 今回の個展は、はり絵の版画も出品されていますが、メーンはアクリル画。筆触や、グラデーションのある藤倉さんの作品というだけで、新鮮というか、意外性があります。小樽運河を題材にした「時のゆきき」など、おちついた写実の絵で、サインがなければとても藤倉さんの作品であることなどわからないでしょう。
 雪の降る、古びた家々を題材とした「2月の漁村」も、明るい色の組み合わせが多いはり絵からは、想像もつかない地味な色調です。

 筆者がいちばんおどろいたのは、摩周湖を描いた「カムイの湖」。以前からこの湖は、小山昇、三岸節子、佐藤萬寿夫など、個性的な絵のモティーフになってきましたが、藤倉さんの作品は、山のみならず空も湖面も緑! しかし、異様というよりは、自然の恵みを表現した-という感じがします。
 このほか、神威岬、知床、阿寒など、はり絵とはひと味違ったたしかな写実調の絵で、道内めぐりを楽しめる展覧会になっています。

 なお、おなじ会場で、西村一夫展もひらかれています。
 作品の多くは、先日時計台ギャラリーでひらかれた個展に出品されていたのとおなじか、同様の画風のものです。
 見ているだけでほんわかしてくる明るい色調ですが、三越が、地元画家の抽象画の個展をひらくというのは、きわめてめずらしいと思います(日展系の写実が多いですから)。


07年8月28日(火)-9月3日(月)10:00-20:00(日曜-19:30、最終日-17:00)
三越札幌店 9階ギャラリー(中央区南1西3  地図B)

□藤倉英幸さんのサポーターズHP http://sapporo.cool.ne.jp/northlandwind/

西村一夫展(07年6月)


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