(承前)
「落石計画」について述べる前に、道中で撮った写真を紹介する記事をもう1本。
筆者は、根室管内については、20年ほど前に、羅臼町と、中標津の開陽台、野付半島までドライブしたことがあるが、根釧台地の酪農地帯や、根室市内を訪れるのはこれが生まれて初めてである。
前項で書いたとおり、とにかく、その広大さに感激したのであった。
カーナビゲーションも地図もなしで、迷わずに、根室市の領域に突入。
別海で右折すると、沿道は牧場が減って、森林が多くなる。
国道40号との合流地点である根室市厚床に到着。
次の画像は厚床駅。
かつて国鉄の分岐駅で、いまは市街地がやや寂しくなっているところとして
・国縫(渡島管内長万部町)
・小沢(後志管内共和町)
があり、厚床も同様かもしれないと勝手に予想していた。標津線が廃止されて20年以上がたっているからである。
しかし、駅前はにぎわいがなかったものの、国道沿いではコンビニエンスストアとレストランが2軒ずつ営業しており、それなりの集落を維持していた。
厚床駅舎のわきからプラットフォームをのぞき見。
釧路-厚岸-厚床-根室間は、快速と普通列車しか走っていない。特急はすべて釧路どまりなのだ。
さて、厚床のセイコーマートから道道初田牛厚床線に入る。
途中から道道根室浜中釧路線に合流。
国道40号からみれば裏道にあたるため、交通量はごく少ない。
牧場もあるが、沿線のほとんどはうっそうとした森林である。
針葉樹の中をひたすら走る道路それ自体は、珍しくない。
この道道の景観が奇異なのは、森林が平地に広がっていることである。
日本の森林はほとんど山地である。傾斜のない道路をどこまで走っても森が続くというのは、相当不思議な感覚である。
木々にさえぎられて見えないが、この道道は、じつはJR根室線(通称花咲線)とほぼ並走しており、たまに踏切がある。
さらに、この区間は、橋が1、2カ所しかない。
平らには見えるが、おそらく、鉄路と道道は、根室半島の分水嶺の上を走っているのだろう。
ふつう、尾根の上に鉄道や道路は造らないが、湿地を避けようとしておのずとこういうルートになったのだろう。
森を抜けて、ようやく落石地区に入る。
海が近いのだろう、急に霧がたちこめてきた。
北海道の太平洋沿岸は、夏も霧に覆われることが多く、日中でも20度ぐらいまでしか気温が上がらないのが普通なのだ。
高台を通る道路から落石漁港を見下ろすと、いままさに海面から霧が立ち上っているのがわかる。
「ははあ、こうやって冷たい夏がつくられているんだな」
と思う。
しかし、舗装が途切れ、落石計画の会場である無線局跡が近づくと、海霧ははれて、この地域の夏にはめずらしい陽気になっているのだった。
車をとめて、砂利道を歩き出す。
「落石計画」について述べる前に、道中で撮った写真を紹介する記事をもう1本。
筆者は、根室管内については、20年ほど前に、羅臼町と、中標津の開陽台、野付半島までドライブしたことがあるが、根釧台地の酪農地帯や、根室市内を訪れるのはこれが生まれて初めてである。
前項で書いたとおり、とにかく、その広大さに感激したのであった。
カーナビゲーションも地図もなしで、迷わずに、根室市の領域に突入。
別海で右折すると、沿道は牧場が減って、森林が多くなる。
国道40号との合流地点である根室市厚床に到着。
次の画像は厚床駅。
かつて国鉄の分岐駅で、いまは市街地がやや寂しくなっているところとして
・国縫(渡島管内長万部町)
・小沢(後志管内共和町)
があり、厚床も同様かもしれないと勝手に予想していた。標津線が廃止されて20年以上がたっているからである。
しかし、駅前はにぎわいがなかったものの、国道沿いではコンビニエンスストアとレストランが2軒ずつ営業しており、それなりの集落を維持していた。
厚床駅舎のわきからプラットフォームをのぞき見。
釧路-厚岸-厚床-根室間は、快速と普通列車しか走っていない。特急はすべて釧路どまりなのだ。
さて、厚床のセイコーマートから道道初田牛厚床線に入る。
途中から道道根室浜中釧路線に合流。
国道40号からみれば裏道にあたるため、交通量はごく少ない。
牧場もあるが、沿線のほとんどはうっそうとした森林である。
針葉樹の中をひたすら走る道路それ自体は、珍しくない。
この道道の景観が奇異なのは、森林が平地に広がっていることである。
日本の森林はほとんど山地である。傾斜のない道路をどこまで走っても森が続くというのは、相当不思議な感覚である。
木々にさえぎられて見えないが、この道道は、じつはJR根室線(通称花咲線)とほぼ並走しており、たまに踏切がある。
さらに、この区間は、橋が1、2カ所しかない。
平らには見えるが、おそらく、鉄路と道道は、根室半島の分水嶺の上を走っているのだろう。
ふつう、尾根の上に鉄道や道路は造らないが、湿地を避けようとしておのずとこういうルートになったのだろう。
森を抜けて、ようやく落石地区に入る。
海が近いのだろう、急に霧がたちこめてきた。
北海道の太平洋沿岸は、夏も霧に覆われることが多く、日中でも20度ぐらいまでしか気温が上がらないのが普通なのだ。
高台を通る道路から落石漁港を見下ろすと、いままさに海面から霧が立ち上っているのがわかる。
「ははあ、こうやって冷たい夏がつくられているんだな」
と思う。
しかし、舗装が途切れ、落石計画の会場である無線局跡が近づくと、海霧ははれて、この地域の夏にはめずらしい陽気になっているのだった。
車をとめて、砂利道を歩き出す。
(この項続く)