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根室・落石への旅(2) 

2011年08月30日 07時44分25秒 | つれづれ日録
承前)

 「落石計画」について述べる前に、道中で撮った写真を紹介する記事をもう1本。

 筆者は、根室管内については、20年ほど前に、羅臼町と、中標津の開陽台、野付半島までドライブしたことがあるが、根釧台地の酪農地帯や、根室市内を訪れるのはこれが生まれて初めてである。
 前項で書いたとおり、とにかく、その広大さに感激したのであった。



 カーナビゲーションも地図もなしで、迷わずに、根室市の領域に突入。
 別海で右折すると、沿道は牧場が減って、森林が多くなる。

 国道40号との合流地点である根室市厚床あっとこに到着。
 次の画像は厚床駅。



 かつて国鉄の分岐駅で、いまは市街地がやや寂しくなっているところとして

国縫くんぬい(渡島管内長万部町)
小沢こざわ(後志管内共和町)

があり、厚床も同様かもしれないと勝手に予想していた。標津線が廃止されて20年以上がたっているからである。
 しかし、駅前はにぎわいがなかったものの、国道沿いではコンビニエンスストアとレストランが2軒ずつ営業しており、それなりの集落を維持していた。



 厚床駅舎のわきからプラットフォームをのぞき見。
 釧路-厚岸-厚床-根室間は、快速と普通列車しか走っていない。特急はすべて釧路どまりなのだ。

 さて、厚床のセイコーマートから道道初田牛厚床線に入る。
 途中から道道根室浜中釧路線に合流。



 国道40号からみれば裏道にあたるため、交通量はごく少ない。
 牧場もあるが、沿線のほとんどはうっそうとした森林である。

 針葉樹の中をひたすら走る道路それ自体は、珍しくない。
 この道道の景観が奇異なのは、森林が平地に広がっていることである。
 日本の森林はほとんど山地である。傾斜のない道路をどこまで走っても森が続くというのは、相当不思議な感覚である。




 木々にさえぎられて見えないが、この道道は、じつはJR根室線(通称花咲線)とほぼ並走しており、たまに踏切がある。

 さらに、この区間は、橋が1、2カ所しかない。
 平らには見えるが、おそらく、鉄路と道道は、根室半島の分水嶺の上を走っているのだろう。
 ふつう、尾根の上に鉄道や道路は造らないが、湿地を避けようとしておのずとこういうルートになったのだろう。

 森を抜けて、ようやく落石地区に入る。
 海が近いのだろう、急に霧がたちこめてきた。
 北海道の太平洋沿岸は、夏も霧に覆われることが多く、日中でも20度ぐらいまでしか気温が上がらないのが普通なのだ。

 高台を通る道路から落石漁港を見下ろすと、いままさに海面から霧が立ち上っているのがわかる。
 「ははあ、こうやって冷たい夏がつくられているんだな」
と思う。




 しかし、舗装が途切れ、落石計画の会場である無線局跡が近づくと、海霧ははれて、この地域の夏にはめずらしい陽気になっているのだった。



 車をとめて、砂利道を歩き出す。




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