北海道美術ネット別館

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■米倉麻希個展「記憶のカタチ」 HAND STITCH + PIECE WORK (2018年10月12~17日、札幌)

2018年10月15日 21時00分00秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト

 米倉麻希さんからいただいた案内状には、次のようなことばが記されていた。


24種のバッグによる空想の旅…
私の記憶のかけらは心の中に積もり続け
出番を待っている
ステッチが余白を綴りだし
ピースは連なり動きだす!


 今回は自分で布を織るのではなく、既製のグレーの布に刺繍ししゅうしたバッグや、布をつなぎ合わせた(ピースワーク)が並んでいる。

 デザインはとてもシンプル。
 冒頭画像で、左側の柱に掛かっているバッグは「ヘリンボ」といい、紳士服などによく使われている織物の模様「ヘリンボーン」に由来するデザイン。
 一般的なパッチワークキルトなどであれば何度も反復されるであろう模様が、ここでは1度しか繰り返されていない。

 右側の柱にかかっているのは「Arci」。
 アーキテクチュア(architecture=建築の意味)によるタイトル。たしかに、見ていると、建築図面の透視図法に見えてくる。

 2枚目の画像のバッグは「Lentää」(äは「a」にウムラウト)。フィン語で「蝶」の意味。

 このほか、マルセル・デュシャンの窓の作品を念頭に置いた「french window」、白と黒の反転したクロス型をデザインした「Negaposi」など。
 「Euclid」は、あきらかに幾何学を踏まえたネーミングだろう。
 ペアノ曲線に由来する作品もあるらしい。

 これ以上引き算ができそうにもないほどの、ごく簡素な図案のなかにも、米倉さんなりの好みや意図が込められている。

 バッグのほか、鍋敷きやコースターも展示されている。


 今回の展示のテーマとは直接関係のないウサギたちは、搬入する荷物の隙間に詰められたもの。
 ギャラリーの南側の窓辺に並べられていた。


 筆者は会場で、なんだか、米倉さんの住む釧路の文化・美術状況についてばかり話をしていたようで、もうすこし作品についてきちんと話を聴いてくれば良かったです。すみません。


2018年10月12日(金)~17日(水)午前11時~午後6時
GALLERY kamokamo(札幌市南区真駒内幸町1)


□米倉麻希 染織造形 http://attic4.wixsite.com/10note

□十月のノオト http://10-note.blogspot.com/

米倉麻希染織展 (2008)





・地下鉄南北線「真駒内駅」から約690メートル、徒歩9分

・じょうてつバス「南区役所前」から約380メートル、徒歩5分。中央バス「南区役所前」から約220メートル、徒歩3分


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