北海道の抽象木彫家の草分けとして知られ、旭川を拠点に息の長い活動を続けていた板津邦夫さんが1月26日、亡くなったことが、29日付の北海道新聞おくやみ面に載っています。
板津さんは1931年(昭和6年)、札幌市生まれ。
中島公園の近くで、木工職人だった父の家具作りなどを手伝っていたそうです。
札幌一高(現札幌南高)から東京藝大に進み、石川鶴三に彫刻を学びました。
卒業後、道学芸大旭川分校(現道教育大旭川校)に助手として赴任、のちに教授となり、95年に退官しました。
道展には1955年出品しいきなり新会友。59年に会員に推挙されました。同時に会員となった14人の大半は故人になっています(協会賞は豊島輝彦さん、教育長賞に山下嘉昭さん、毎日新聞社賞に林弘尭さん、奨励賞に野崎嘉男さんの名が見えます)。
また、自由美術協会では64年に佳作賞、65年に自由美術賞を受けて、同年に会員になりました。
さらに、道立美術館が主催する「北海道秀作美術展」には68、70、73、74、75年、北海道現代美術展には79~82年、北方のイメージ・北海道の美術展には83~88年と招かれており、道内の彫刻シーンでは欠かせない作家だったことがうかがえます。
札幌彫刻美術館が隔年で開く「北の彫刻展」にも、82年の第1回から2000年の第10回まで毎回出品しています。
1996年には地元作家として初めて旭川市彫刻美術館が個展を開催。2006年には道立旭川美術館が板津邦夫展を開いています。
板津さんの木彫は、大半が抽象ですが、曲線を生かして親しみやすい作品が多いです。
同美術館に所蔵されている作品には「じゃが・アニマル」なんていうものもあります。
同時に「風神・雷神」など、北国の風土性を帯びた作品も制作しています。
素材は木ですが、ブロンズ化された野外彫刻が、旭西橋の「北の子」など旭川とその近郊に数点あります。
筆者は1996年に一度会ったことがありますが
「寡黙な老職人」
といった面持ちで、話を聞き出すのに苦労した記憶があります。
その後はお話しする機会がありませんが、2021年に旭川市民ギャラリー・デザインギャラリーで開かれた道展旭川地区展にも愛らしい小品を出しているのを見て、まだまだお元気なんだな~と思っていました。
通夜は今夜、葬儀はあす朝8~9時、旭川公益社北斎場で。
ご冥福をお祈りします。
過去の関連記事へのリンク
板津邦夫「風の中」(上川管内東神楽町) 2022
■北の形象 (2006)
サムワンズ・サムホール展(2003、画像なし、24日の項)
板津さんは1931年(昭和6年)、札幌市生まれ。
中島公園の近くで、木工職人だった父の家具作りなどを手伝っていたそうです。
札幌一高(現札幌南高)から東京藝大に進み、石川鶴三に彫刻を学びました。
卒業後、道学芸大旭川分校(現道教育大旭川校)に助手として赴任、のちに教授となり、95年に退官しました。
道展には1955年出品しいきなり新会友。59年に会員に推挙されました。同時に会員となった14人の大半は故人になっています(協会賞は豊島輝彦さん、教育長賞に山下嘉昭さん、毎日新聞社賞に林弘尭さん、奨励賞に野崎嘉男さんの名が見えます)。
また、自由美術協会では64年に佳作賞、65年に自由美術賞を受けて、同年に会員になりました。
さらに、道立美術館が主催する「北海道秀作美術展」には68、70、73、74、75年、北海道現代美術展には79~82年、北方のイメージ・北海道の美術展には83~88年と招かれており、道内の彫刻シーンでは欠かせない作家だったことがうかがえます。
札幌彫刻美術館が隔年で開く「北の彫刻展」にも、82年の第1回から2000年の第10回まで毎回出品しています。
1996年には地元作家として初めて旭川市彫刻美術館が個展を開催。2006年には道立旭川美術館が板津邦夫展を開いています。
板津さんの木彫は、大半が抽象ですが、曲線を生かして親しみやすい作品が多いです。
同美術館に所蔵されている作品には「じゃが・アニマル」なんていうものもあります。
同時に「風神・雷神」など、北国の風土性を帯びた作品も制作しています。
素材は木ですが、ブロンズ化された野外彫刻が、旭西橋の「北の子」など旭川とその近郊に数点あります。
筆者は1996年に一度会ったことがありますが
「寡黙な老職人」
といった面持ちで、話を聞き出すのに苦労した記憶があります。
その後はお話しする機会がありませんが、2021年に旭川市民ギャラリー・デザインギャラリーで開かれた道展旭川地区展にも愛らしい小品を出しているのを見て、まだまだお元気なんだな~と思っていました。
通夜は今夜、葬儀はあす朝8~9時、旭川公益社北斎場で。
ご冥福をお祈りします。
過去の関連記事へのリンク
板津邦夫「風の中」(上川管内東神楽町) 2022
■北の形象 (2006)
サムワンズ・サムホール展(2003、画像なし、24日の項)