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■森山誠個展 (6月12日まで)

2010年06月12日 14時01分27秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 
 森山誠さんは札幌在住のベテラン画家、自由美術会員。
 札幌時計台ギャラリーでの個展は隔年である。そのほか、昨年新潟で個展を開いたそうだし、自由美術北海道支部の展覧会にも毎年出品している。

 おもに室内風景を、最小限の要素で構成した「卓上」シリーズと、作者の似姿とおぼしき人物の坐像を、まるでカメラが手ぶれしたかのようなタッチで描く「memory」シリーズがメーンなのはこれまでと変わっていない。
 ただし、冒頭画像の左側2点の「卓上10-2」「卓上10-3」は新しい取り組み。これまでシャープな長い直線が多かった森山さんの画面に、ジグザグに折れ曲がった線が多数登場している。もっとも「これだけで画面をつくるのは難しい」とのことで、まだ試行途中といった感じか。
 このジグザグ線の導入は、「memory 10-1」「memory09-2」などでも背景に導入され、人物の背景の空間に奥行き感をもたらしている。

 右から2番目は「memory 09-3」。
 これまでも何度か書いているが、森山さんの人物画は、少ない色数、シンプルな構図とあいまって、どこか現代人の抱える心の空虚のようなものを見る人に感じさせるようなところがあるのだが、画家ご本人はあくまでも画面空間を追究されているようである。




 「風景の記憶 09」。
 120Fの大作。背後にある白い空間は窓だそうだが、すでに本来の形状を失っている。
 シャープな線と、白っぽい塊が、絶妙な調和を見せている。もちろん、それは、予定調和的な安定した美しさではなく、どこかに不安を抱えたような独自の調和だといえる。

 小品のうち「風景(樹間)」は、北大構内に材を得たもの。
 森山さんの絵で具体的な場所が想定されているのはめずらしいが、実物そのものではなく、作家なりに再構成されている。


2010年6月7日(月)~12日(土)10:00~6:00(最終日~5:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A

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2006年の個展
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