阿部守さんは福岡県を拠点に国内外で活躍する美術作家で、おもに鉄を素材とした彫刻やインスタレーションを手がけているようだ。
そんな阿部さんが、毎年、札幌のテンポラリースペースで個展を開いている。大きな鉄の彫刻を運び入れている。
画家が売り絵をさばくために地方を回っているのとはぜんぜん違うのだ。長いこと阿部さんにはお会いしていないから真意はわからないのだけど、大作を北海道の人にも見てもらいたい-ということで毎年個展を開いているのだとすれば、その無償の行為には、頭が下がる。
しかも今回の案内状は1枚ずつ手作りだ。
以前の阿部さんの作品は、もっと直線を主体にしたシャープなものだったと記憶している。
今回は、大きな輪を上下で切断したような形状。曲線だけでできている。
表面はまるで、焼き物のように、複雑な表情を見せている。
硬いとばかり思っていた鉄のやわらかさ、やさしさが、表面の様子から伝わってくる。
この作品を、札幌市内の公共施設の庭に設置する計画が進んでいるらしい。
temporary spaceのブログに書いてあるのでご覧ください。
2010年6月1日(火)~13日(日)11:00~7:00(最終日~6:00)
temporary space(札幌市北区北16西5 地図H)
□阿部さんのサイト http://abe.heavy.jp/index.html
■阿部守展「場に立つ」 (2008年)
■阿部守展(2003年)