![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/9e/7b7908bc1ebe9fbffadf89018238c22c.jpg)
札幌出身でパリ在住の西窪愛子さんが、2年ぶりに個展を開いている。
初個展を開いたのが2002年で、それ以来7年越しでご本人とお会いすることができた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/5d/2dfa3a6cb4f5afda51ec6fb1456933a6.jpg)
西窪さんは当初、写真関係の仕事をしながら、パリに旅行して、自分が撮りたい写真も撮っていた。前回の個展は4度目の旅の後だったという。自作を発表することの魅力にとりつかれ、パリに移り住んだ。
「日本とは光が違うんです。はっきりしているというか」
あえて明るい部分を白く飛ばして焼き、まるで記憶の中の一シーンのような情景を作り出している。
これが、西窪さんが欧洲の光に対して抱いている感覚なんだろう。
パリであることを示す建物などは画面からほとんどなくなり、詩的な、どこか抽象的でもある写真になっているのだ。
札幌よりも緯度が高いパリのほうが光が強いというのは意外な気がするが、湿度の低さが景色の見え方に大きく影響しているのだと思う。
画角が正方形なのは、ローライフレックスを使っているため。二眼レフの一種である。
ところで、前回の個展で筆者は誤ったことを書いた。
今回の作品もそうなのだが、一見、インクジェットふうなのだ。てっきり、デジタルをモノクロで出力しているのだと思っていた。
これは、特殊な印画紙を使っているためだという。光沢のまったくない、ざらざらした紙で、札幌では売っていないらしい。
「版画ですか、と聞かれることもありますよ」
エディションの数のような番号が左下の余白に記されているからかもしれない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/ac/746039dd00842e0198022c3039d98ce8.jpg)
いかにも「パリでございます」という写真ではない。
にもかかわらず、パリの空気感が漂う、興味深い写真展だと思った。
2009年11月5日(木)-24日(火)正午-午後12:00(日曜・祝日-午後9:00)、水曜・11月10日休み
Cafe Esquisse カフェエスキス(中央区北1西23 メゾンドブーケ 地図D)
□札幌経済新聞の関連ページ http://sapporo.keizai.biz/headline/488/
(自転車をテーマにしたきっかけなどにふれられています。「自転車をテーマにしたきっかけについて、西窪さんは「2003年、パリで石畳に光が反射しているのを見て、何かいい絵が撮れると思いカメラを構えていた。後ろから自転車の音がしたので通り過ぎ様にカメラのシャッターを押した。その時、うまく言えないが自転車に『自由』という感じのインスピレーションを受け、自転車をテーマにした写真を撮ろうと決めた」と振り返る。-とのこと)
■西窪愛子写真展(2007年)
■西窪愛子写真展「PARIS-桜の頃」(02年、画像なし)
3種類とも気に入りました。