きょう10月5日は、ビートルズのデビューシングル「Love Me Do」が英国で発売されてからちょうど50年になるそうだ。
The Beatles Love me Do [HD Subtitulado]
個人的には、この曲は、ビートルズの中でもそれほど良いナンバーとは思えないし、当時もあまりヒットしなかった。
ビートルズを一躍スターダムに押し上げたのは、2、3枚目のシングル「Please Please Me」「From Me To You」である。
米国への進出や、日本デビューはこれより遅れた。日本で最初に出たレコードは「抱きしめたい」であり、筆者などは、ビートルズの初期の曲というと、真っ先にこれを思い出す。
それにしても「I Want to Hold Your Hand」という控えめな意思表示に「抱きしめたい」という大胆な訳語を当てた人はすごいね。ゴダールの「Breathless」を「勝手にしやがれ」と訳した人もすごいけど。
The Beatles - I Want To Hold Your Hand
これ以降、20代の4人組が、わずか7年余りの期間に、20世紀の音楽を根本的に変える活動をしたかということについては、多くの言説が費やされてきた。
1年間にわたって英国のアルバムチャートの首位を独占したかと思えば米国のシングルチャートの1~5位を占めたこともあった。スタジアムでライブコンサートを行い、プロモーションフィルムを制作し、シンセサイザーやインド音楽を導入し、ヘヴィメタルやプログレッシブロックの先駆けといえるような音楽をコンセプトアルバムの中で披露した。
どれも、ビートルズ以前にはなかったこととされている。
ただ、筆者は、ビートルズが好きだからこそあえて言っておきたいのだが、音楽の革命は彼らの力だけで成し遂げられたわけではない。
先行するバディ・ホリーやチャック・ベリー、同時代のビーチ・ボーイズ、ボブ・ディランなどの功績は、外すことはできない。
また、いまでこそビートルズは音楽として語られているが、彼らが登場してきたころは、ほとんど社会現象としてしか取り上げられていなかった。
エレキギターを弾くのは不良か否かで議論が起こり、音をアンプで増幅することの是非も語られた。そして、熱狂的なファンが巻き起こす騒ぎが新聞やテレビで報じられた。まじめに音楽的な面から論じられてはいなかったのだ。
ブラックミュージックが初期のビートルズに与えた影響がきちんと認識され、子ども向け伝記のシリーズの一冊にジョン・レノンが加わる時代が来るとは、1962~64年の時点では、とうてい信じられないだろう。
(たぶん、ビートルズを音楽から語るきっかけになったひとつは、65年の名曲「イエスタデイ」だろう。余談だが、当時、日本ではリンゴ・スターが一番人気だったので、彼がボーカルをとる「アクト・ナチュラリー」がA面で、「イエスタデイ」はB面だった)
66年のアルバム「リボルバー」には、こんな曲も収められている。
彼らの変化と進歩の速度には驚くしかない。
The Beatles - "Tomorrow Never Knows" Mono
The Beatles Love me Do [HD Subtitulado]
個人的には、この曲は、ビートルズの中でもそれほど良いナンバーとは思えないし、当時もあまりヒットしなかった。
ビートルズを一躍スターダムに押し上げたのは、2、3枚目のシングル「Please Please Me」「From Me To You」である。
米国への進出や、日本デビューはこれより遅れた。日本で最初に出たレコードは「抱きしめたい」であり、筆者などは、ビートルズの初期の曲というと、真っ先にこれを思い出す。
それにしても「I Want to Hold Your Hand」という控えめな意思表示に「抱きしめたい」という大胆な訳語を当てた人はすごいね。ゴダールの「Breathless」を「勝手にしやがれ」と訳した人もすごいけど。
The Beatles - I Want To Hold Your Hand
これ以降、20代の4人組が、わずか7年余りの期間に、20世紀の音楽を根本的に変える活動をしたかということについては、多くの言説が費やされてきた。
1年間にわたって英国のアルバムチャートの首位を独占したかと思えば米国のシングルチャートの1~5位を占めたこともあった。スタジアムでライブコンサートを行い、プロモーションフィルムを制作し、シンセサイザーやインド音楽を導入し、ヘヴィメタルやプログレッシブロックの先駆けといえるような音楽をコンセプトアルバムの中で披露した。
どれも、ビートルズ以前にはなかったこととされている。
ただ、筆者は、ビートルズが好きだからこそあえて言っておきたいのだが、音楽の革命は彼らの力だけで成し遂げられたわけではない。
先行するバディ・ホリーやチャック・ベリー、同時代のビーチ・ボーイズ、ボブ・ディランなどの功績は、外すことはできない。
また、いまでこそビートルズは音楽として語られているが、彼らが登場してきたころは、ほとんど社会現象としてしか取り上げられていなかった。
エレキギターを弾くのは不良か否かで議論が起こり、音をアンプで増幅することの是非も語られた。そして、熱狂的なファンが巻き起こす騒ぎが新聞やテレビで報じられた。まじめに音楽的な面から論じられてはいなかったのだ。
ブラックミュージックが初期のビートルズに与えた影響がきちんと認識され、子ども向け伝記のシリーズの一冊にジョン・レノンが加わる時代が来るとは、1962~64年の時点では、とうてい信じられないだろう。
(たぶん、ビートルズを音楽から語るきっかけになったひとつは、65年の名曲「イエスタデイ」だろう。余談だが、当時、日本ではリンゴ・スターが一番人気だったので、彼がボーカルをとる「アクト・ナチュラリー」がA面で、「イエスタデイ」はB面だった)
66年のアルバム「リボルバー」には、こんな曲も収められている。
彼らの変化と進歩の速度には驚くしかない。
The Beatles - "Tomorrow Never Knows" Mono
(この項続く)