初日に見たのに、会期中にアップできなかったというていたらく。申し訳ありません。
釧路の伊藤恵里さんが声をかけ、唐神知江さん(札幌)、久藤エリコさん(同)、高田K子さん(帯広)、村上知亜砂さん(十勝管内中札内村)の女性計5人ではじめて開いたグループ展。
絵画、インスタレーションなど、多彩な内容になりました。北国の風土を念頭に置いた作品が多いのもポイント高いと思いました。
ちなみに、唐神さん以外の4人が道東出身または在住ということです。
ただ、全体から受けた雑ぱくな印象論で申し訳ないのですが、「北のユートピア」という題だからといって「北海道=(イコール)ユートピア」というよりも「東日本大震災により失われた北方=ユートピア」というとらえ方が出品作家のうちの何人かにコンセプトの基底にあるような気がしました。全員ではありませんが…。
(この段落、表現を一部修正しています)
それが最も顕著だったのが、冒頭画像の、村上さんのインスタレーション「The embrance of our recollection ~記憶への抱擁~」だと思われます。
毛を大量に用いているのは、いつもと同様ですが、足元に転がっている木材は、震災のがれきだそうです。
伊藤恵里さんは絵画2点。
左は「いつかの海」、右は「水を湛えた場所」ですが、左の絵は、津波が来る(あるいは去った後の)海を描いているようです。
2011年3月以降、とくに説明が無くても、わたしたちは海の絵やイメージを見ただけで、あの恐ろしい災害を想起するようになってしまったと思います。
次の左側は、唐神さんの絵画「ひしめきあう流氷」と「漂流生物C」。
後者には、支持体にホースのようなものをとりつけています。
前者ですが、唐神さんはこれまで何度かオホーツクを訪れたそうですが、運悪く流氷を見たことがないそうです。
「ペルーにいたとき、ドイツ人の観光客から流氷の話をされたのに、北海道に住んでて見たことがないっていうのも…」
と苦笑する唐神さん。いつか見られたらいいですね。
(※訂正。流氷を見ることはできたそうです。良かった良かった)
右側(ブラウザによっては下側)は高田さん「高田K子の放送室」。
高田さんは作品をネット空間に発表することがけっこうあります。
今回は、来場者がおみくじ(海が写された写真つき)をひくという趣向になっていました。(おみくじにQRコードがついていたと思いますが、うまく読み取れませんでした。すみません)
久藤さん「きっとそこに」。
久藤さんは、実はかなり以前から切り絵を手がけ、ギャラリーたぴおのグループ展などに精力的に出品していました。しかし、偉そうな物言いですみませんが、筆者はそのほとんどを取り上げていません。切り絵自体は、そう珍しいものではないからです。
筆者が、久藤さんの作品が変わった! と思ったのは、昨年あたりからです。矩形の切り絵を壁に貼るのではなく、宙に浮かせることで、壁にうつる影も作品の一つにしたことが、他の切り絵作家と久藤さんとの大きな違いになりました。さらに、単に四角い作品を展示するのではなく、ばらばらの要素(紙片)を導入することで、スケールが大きくなっています。
今回も、会期の途中でライティングを変更するなど、試行していました。
趣味的な切り絵から美術作品としての切り絵へと、彼女の世界は大きく変化している真っ最中なのだと思います。
2017年3月14日(月)~20日(月)午前11時~午後7時(最終日~午後4時)
札幌市資料館(中央区大通西13)
■HOKKAIDO EXHIBITION 2016 Loop -spin off-
■伊藤恵里展 いのちの生まれる所 -in the marshy land- (2015)
□唐神さんのツイッターアカウント
■雪みやげ art exhibition 唐神知江(絵画)唐神里佳(ガラス)による作品展覧会 (2017年1~2月)
■唐神知江 おいしい画展 (2016)
□久藤さんのツイッター
□久藤さんのサイト http://www7.plala.or.jp/LivingROOTS/index/
■第4回丸島均(栄通記)企画 群青―ぐんせい― (2017年1月)
■TAPIO LAST 終章 (2016年4月)
■All Japan Under 40 Collections (2009)
■500m美術館 (2008)
□高田K子さんのツイッター @jp_takadakeiko
□http://takadakeiko.tumblr.com/
■田園都市のコンテンポラリーアート 雪と風の器 (2008)=久藤、高田、村上さん出品
□ファイバーワーク Chiasa Murakami https://chiasa221.jimdo.com/
【告知】JRタワー10周年記念 JRタワーアートプラネッツグランプリ展 (2013)
■LOOP EXHIBITION (2010)
釧路の伊藤恵里さんが声をかけ、唐神知江さん(札幌)、久藤エリコさん(同)、高田K子さん(帯広)、村上知亜砂さん(十勝管内中札内村)の女性計5人ではじめて開いたグループ展。
絵画、インスタレーションなど、多彩な内容になりました。北国の風土を念頭に置いた作品が多いのもポイント高いと思いました。
ちなみに、唐神さん以外の4人が道東出身または在住ということです。
ただ、全体から受けた雑ぱくな印象論で申し訳ないのですが、「北のユートピア」という題だからといって「北海道=(イコール)ユートピア」というよりも「東日本大震災により失われた北方=ユートピア」というとらえ方が出品作家のうちの何人かにコンセプトの基底にあるような気がしました。全員ではありませんが…。
(この段落、表現を一部修正しています)
それが最も顕著だったのが、冒頭画像の、村上さんのインスタレーション「The embrance of our recollection ~記憶への抱擁~」だと思われます。
毛を大量に用いているのは、いつもと同様ですが、足元に転がっている木材は、震災のがれきだそうです。
伊藤恵里さんは絵画2点。
左は「いつかの海」、右は「水を湛えた場所」ですが、左の絵は、津波が来る(あるいは去った後の)海を描いているようです。
2011年3月以降、とくに説明が無くても、わたしたちは海の絵やイメージを見ただけで、あの恐ろしい災害を想起するようになってしまったと思います。
次の左側は、唐神さんの絵画「ひしめきあう流氷」と「漂流生物C」。
後者には、支持体にホースのようなものをとりつけています。
前者ですが、唐神さんはこれまで何度かオホーツクを訪れたそうですが、運悪く流氷を見たことがないそうです。
「ペルーにいたとき、ドイツ人の観光客から流氷の話をされたのに、北海道に住んでて見たことがないっていうのも…」
と苦笑する唐神さん。いつか見られたらいいですね。
(※訂正。流氷を見ることはできたそうです。良かった良かった)
右側(ブラウザによっては下側)は高田さん「高田K子の放送室」。
高田さんは作品をネット空間に発表することがけっこうあります。
今回は、来場者がおみくじ(海が写された写真つき)をひくという趣向になっていました。(おみくじにQRコードがついていたと思いますが、うまく読み取れませんでした。すみません)
久藤さん「きっとそこに」。
久藤さんは、実はかなり以前から切り絵を手がけ、ギャラリーたぴおのグループ展などに精力的に出品していました。しかし、偉そうな物言いですみませんが、筆者はそのほとんどを取り上げていません。切り絵自体は、そう珍しいものではないからです。
筆者が、久藤さんの作品が変わった! と思ったのは、昨年あたりからです。矩形の切り絵を壁に貼るのではなく、宙に浮かせることで、壁にうつる影も作品の一つにしたことが、他の切り絵作家と久藤さんとの大きな違いになりました。さらに、単に四角い作品を展示するのではなく、ばらばらの要素(紙片)を導入することで、スケールが大きくなっています。
今回も、会期の途中でライティングを変更するなど、試行していました。
趣味的な切り絵から美術作品としての切り絵へと、彼女の世界は大きく変化している真っ最中なのだと思います。
2017年3月14日(月)~20日(月)午前11時~午後7時(最終日~午後4時)
札幌市資料館(中央区大通西13)
■HOKKAIDO EXHIBITION 2016 Loop -spin off-
■伊藤恵里展 いのちの生まれる所 -in the marshy land- (2015)
□唐神さんのツイッターアカウント
■雪みやげ art exhibition 唐神知江(絵画)唐神里佳(ガラス)による作品展覧会 (2017年1~2月)
■唐神知江 おいしい画展 (2016)
□久藤さんのツイッター
□久藤さんのサイト http://www7.plala.or.jp/LivingROOTS/index/
■第4回丸島均(栄通記)企画 群青―ぐんせい― (2017年1月)
■TAPIO LAST 終章 (2016年4月)
■All Japan Under 40 Collections (2009)
■500m美術館 (2008)
□高田K子さんのツイッター @jp_takadakeiko
□http://takadakeiko.tumblr.com/
■田園都市のコンテンポラリーアート 雪と風の器 (2008)=久藤、高田、村上さん出品
□ファイバーワーク Chiasa Murakami https://chiasa221.jimdo.com/
【告知】JRタワー10周年記念 JRタワーアートプラネッツグランプリ展 (2013)
■LOOP EXHIBITION (2010)
わたしの流氷は先月に達成できてたんですよー。観れなかったのは去年。
だから観て描いたのです。あとわたしの作品は震災は一切関係ないです。
後で直しておきます。
慌て者でご迷惑をおかけします。(しかも、アップが遅い)
不在で失礼いたしました。お会いできたらもう少し詳しく説明出来たかと思います…。
たまたま「水」が被ってしまいましたが、自分の作品は震災と関係なかったです。
個性の強いメンバーでしたので他の作品にのまれないように頑張りますm(__)m
震災については、私の早とちりだったんでしょうか。なんだか、そう読み取らさってしまいました。
札幌は遠くて大変かと思いますが、また機会がありましたが拝見させてください。