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小野寺紀子「希望」 岩見沢の野外彫刻(4)

2020年06月16日 18時31分41秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 小野寺紀子さんは、札幌在住の全道展のベテラン会員。
 どちらかというと、まじめな感じの裸婦や首をつくります。
 下のリンク先にはありませんが、札幌の方には、北3西4の駅前通にある「BIANCA」がよく知られているのではないでしょうか。


 でも、小野寺さんの作風がまじめだからまだいいんですが、この野外彫刻を見たとき、なんだかヤバいな~という感情を抱いてしまいました。

 まだ胸の膨らみきっていない少女が、全裸で、岩見沢駅から続く通りの道ばたにふたり立っているのですから、ちょっとどぎまぎしてしまうのです。
 これは、筆者の見る目が汚れているということでしょうかね。
 「彫刻」を鑑賞する目で見ると、未来への希望を宿した清楚な作品なのですが。
 としても、どうして「希望」が「少女の裸体」だということになるのか。よく考えてみると、ふしぎだったりします。

 岩見沢市のサイト「Fine museum ~晴れの日の美術館~」によると、作品はブロンズ製で、1989年、「ライオンズクラブ国際協会331複合地区 331A地区 第35回年次大会記念の寄贈」とのこと。

 制作者の思いとして

泥ん子になって遊んだ利根別川、学校の帰りに道草をくった子どもの頃の郷愁、その郷愁をもとに、岩見沢っ子の未来へ限りない可能性を、この像に

と書かれています。

 2人は背を向けて立っていて、ひとりは、両腕を肩の高さにまで持ち上げて、左腕を右肘に、右腕を左肘に添えて、空中で四角形をつくるように組んでいます。
 長い髪は後ろでしばり、顔を横に向けています。
 少し背をそらし気味にして、左足を前に出しています。

 もうひとりは、両腕を左右にすこし開いています。
 顔は前方を鋭く見据え、題のとおり、未来に目を向けているような印象を受けました。髪はポニーテールに束ねています。
 右足に重心をかけて、左足を前に出して、これから歩き出そうとしているような動感を出しています。



 円筒形の、おそらく白大理石の台座が、低いこともあって、親しみやすさも感じます。



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