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森と街のがっこう「存在の記憶」 2023年10月7日その14―ROOTS & ARTS しらおい/白老文化芸術共創

2023年12月13日 20時37分58秒 | 展覧会の紹介-現代美術
(承前)

 さて、長々と書いてきた「ROOTS & ARTS しらおい」の記事もこれが最後となります。
 胆振管内白老町への旅の記録は、もう少し続きますのでおつきあいくだされば幸いです。

 これが「ROOTS & ARTS しらおい」で最後に訪れた場所で、個人的には、ほんとうに良かったと思いました。
 これは常設展示作なので、もし「ROOTS & ARTS しらおい」が2024年以降も開かれ、その折りに行こうとしている人がいるなら、あるいはネタバレになってしまうかもしれないので、ご留意ください。
 


 「森と街のがっこう」は「陣内雄 足立成亮しげあき」の2人組としてフライヤーや公式サイトに記されています。
 陣内さんは、筆者は存じ上げませんが、足立さんは道内の若手林業人としてあちこちに登場しています。
 もともと大学時代は写真部で盛んに発表をしていた人ですが、写真以外に「作品」を発表するのは、珍しいと思います。
 また、いまは拠点が旭川のはずなので、遠く離れた白老で名前を見るのもちょっと意外な感じでした。

 ただ「作品」と、身構えて鑑賞するものではないのです。
 小さな神社のある丘に、黒く塗った木製の展望台のようなものがしつらえてあります。

 それに上ると、いま歩いてきた虎杖浜 こ じょうはまの集落や、太平洋が、一望のもとに見渡せるのです。

 まさに絶景と感じるのは、ここまで、壁の写真をさがしながらそれなりの長さの距離を歩いてきたからでしょう。

 いきなり車で乗り付けていたりしたら、それほど感動はしなかったにちがいありません。
 
 
 台の端っこは三角形になっていて、風景のなかにずっと続いているかのように見えます。

 アヨロ遺跡という立て札が立っていて、古くから(おそらくアイヌ民族も)この丘が生活の舞台であったことがうかがえます。
 



 なにより感動的だったのは、おなじ場所から撮ったモノクロ写真が展示してあったこと。

 これが「ウイマムプロジェクト」の最後のピースなのでしょうか。

 この写真があることで、60年の時を隔てて、一瞬の時空の旅を味わうことができるのでした。



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