(承前)
2010年代に、十勝を中心とした現代アート展「帯広コンテンポラリーアート」が隔年で5度にわたって開かれました。
地元はもちろん、道内外から30組余りが参加した大規模な展覧会で、企画はいずれも帯広拠点の作家が1度ずつ交替で務めましたが、吉野隆幸さんは最後となる2018年(第5回)の企画者代表でした。
びっくりさせられたのが
<会場はとくに無し、発表はインターネット上で>
ということ。世界各地の「河口」で作家が個々に取り組んだ行為が、ネットで公開されたのです( http://tokachiart.jp/ ) 。
いまにして思えば、2年後に世界を覆う新型コロナ禍を予見したかのような取り組みだったといえそうです。
吉野さんといえば、古いリンゴ箱を用いたインスタレーションが代表的な作品です。
今回の個展では、積み上げたリンゴ箱の中央が、まるで巨大な手がパンチしたかのように、大きくへこんでいました。
これは大友克洋の漫画『童夢』にインスパイアされたものとのこと。
もともと古い箱ですが、これを軽トラックに積んで各地(越後妻有アートトリエンナーレの関連企画も含む)で使って、さらに古さを感じさせます。
裏に回ると、赤い丸が目につきます。
下には足の造形が加えられていて、箱ごと歩いて移動しそうな雰囲気もあります。
会場では数分間でループする動画も上映されていました。
「イヌビト」というキャラクターが活躍します。
吉野さんのすごいところはもう一つあります。
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が起きたのを機に、毎朝日の出を見に、歩いていること。
一日も欠かさず6キロとか10キロを歩いているというのです。
そのときの様子を、ご自身のSNS(Twitter や Facebook )にアップしています。
そして
「世界平和朝祈願ッ!」
とツイート(ポスト)しています。
ツイッター(X)は、@archi_ranpo
Facebook(フェイスブック)は、https://www.facebook.com/yosino.takayuki
ただし、SNSへのアップは時々休んだり、翌日以降にまとめてしまったりするとのこと。
なにせ北海道・十勝なので、冬の間は氷点下15度、20度は当たり前。
また6月の夏至のころは、3時ぐらいには明るくなっています。
そういう厳しい条件の中を毎朝出かけて日の出を拝んでいるというのですから頭が下がります。
今回の動画には、平和祈願をめぐってツイッターで交わされたやりとりなども反映しているとのことです。
古い木箱と、映像・動画という最新テクノロジーとの同居も、吉野さんならではだと思いました。
2024年12月7日(土)~16日(月)午前11時~午後5時、火・木曜休み
popke 地域活動拠点ポプケギャラリー しらかば通り美術館(帯広市西21南2‐20)
過去の関連記事へのリンク
■札幌のアーティスト50人展2024 vol.1 夏展「はこ」(2024年8月)
「popke 地域活動拠点ポプケ・galleryしらかば通り美術館」に行ってきた。帯広・冬の旅(4)=2023年
【告知】帯広コンテンポラリーアート「河口」(2018年)は、会期も会場も作家の任意で、道内外やシカゴでも展開する空前の展覧会
■ノーザンアーツコラボレーション-睦月(2018、画像なし)
■ハルカヤマ藝術要塞2017 FINAL CUT
■防風林アートプロジェクト (2014)
【告知】 吉野隆幸個展 「心象覚」 (2012)
■置戸コンテンポラリーアート (2012)
■帯広コンテンポラリーアート 真正閣の100日 (2011)
2010年代に、十勝を中心とした現代アート展「帯広コンテンポラリーアート」が隔年で5度にわたって開かれました。
地元はもちろん、道内外から30組余りが参加した大規模な展覧会で、企画はいずれも帯広拠点の作家が1度ずつ交替で務めましたが、吉野隆幸さんは最後となる2018年(第5回)の企画者代表でした。
びっくりさせられたのが
<会場はとくに無し、発表はインターネット上で>
ということ。世界各地の「河口」で作家が個々に取り組んだ行為が、ネットで公開されたのです( http://tokachiart.jp/ ) 。
いまにして思えば、2年後に世界を覆う新型コロナ禍を予見したかのような取り組みだったといえそうです。
吉野さんといえば、古いリンゴ箱を用いたインスタレーションが代表的な作品です。
今回の個展では、積み上げたリンゴ箱の中央が、まるで巨大な手がパンチしたかのように、大きくへこんでいました。
これは大友克洋の漫画『童夢』にインスパイアされたものとのこと。
もともと古い箱ですが、これを軽トラックに積んで各地(越後妻有アートトリエンナーレの関連企画も含む)で使って、さらに古さを感じさせます。
裏に回ると、赤い丸が目につきます。
下には足の造形が加えられていて、箱ごと歩いて移動しそうな雰囲気もあります。
会場では数分間でループする動画も上映されていました。
「イヌビト」というキャラクターが活躍します。
吉野さんのすごいところはもう一つあります。
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が起きたのを機に、毎朝日の出を見に、歩いていること。
一日も欠かさず6キロとか10キロを歩いているというのです。
そのときの様子を、ご自身のSNS(Twitter や Facebook )にアップしています。
そして
「世界平和朝祈願ッ!」
とツイート(ポスト)しています。
ツイッター(X)は、@archi_ranpo
Facebook(フェイスブック)は、https://www.facebook.com/yosino.takayuki
ただし、SNSへのアップは時々休んだり、翌日以降にまとめてしまったりするとのこと。
なにせ北海道・十勝なので、冬の間は氷点下15度、20度は当たり前。
また6月の夏至のころは、3時ぐらいには明るくなっています。
そういう厳しい条件の中を毎朝出かけて日の出を拝んでいるというのですから頭が下がります。
今回の動画には、平和祈願をめぐってツイッターで交わされたやりとりなども反映しているとのことです。
古い木箱と、映像・動画という最新テクノロジーとの同居も、吉野さんならではだと思いました。
2024年12月7日(土)~16日(月)午前11時~午後5時、火・木曜休み
popke 地域活動拠点ポプケギャラリー しらかば通り美術館(帯広市西21南2‐20)
過去の関連記事へのリンク
■札幌のアーティスト50人展2024 vol.1 夏展「はこ」(2024年8月)
「popke 地域活動拠点ポプケ・galleryしらかば通り美術館」に行ってきた。帯広・冬の旅(4)=2023年
【告知】帯広コンテンポラリーアート「河口」(2018年)は、会期も会場も作家の任意で、道内外やシカゴでも展開する空前の展覧会
■ノーザンアーツコラボレーション-睦月(2018、画像なし)
■ハルカヤマ藝術要塞2017 FINAL CUT
■防風林アートプロジェクト (2014)
【告知】 吉野隆幸個展 「心象覚」 (2012)
■置戸コンテンポラリーアート (2012)
■帯広コンテンポラリーアート 真正閣の100日 (2011)
(この項続く)