(承前)
前回の記事から間隔が開いてしまったので、先を急ごう。
前述したとおり「popke 地域活動拠点ポプケ・galleryしらかば通り美術館」では、十勝や札幌、旭川の現代アート作家らによる連続展覧会を開いており、帯広の南隣、中札内村に住む鈴木隆さんの個展が、日程の最後を飾っていた。
鈴木さんはドイツの美術大学で学び、素朴な木彫を出品することが多いが、コンセプチュアルな作品を手がけることもあり、次に何を出してくるか、良い意味で予想を裏切る作家だ。
今回は、2018年の「帯広コンテンポラリー 河口」の続きともいえる作品。
塩を置いて鉄板がさびるのを促進させたのだ。
シンプルながら、いろいろ考えさせられるのは、鈴木さんが
「装置を作ったけど、あとは見させてもらっているだけなんですね。自分は何もしてない」
というところ。
透明なアクリル板のような装置に詰めた塩が、少しずつしみ出てくる。
個展の会期中にも、さびた鉄片がばらばらと床に落ちて、始まったときと会期末では作品の様相が異なる。
「何もしていない」というのは一種の謙遜だろうけど、放射状にさびを広げている真の作者は
「時間」
なのかもしれない。
鈴木さんやわたしたちが年老いても、さびは広がり続けるから。
もう作者の意図は関係ないのだ。
同じ方法論による平面作品も並んでいた。
2023年2月8日(水)~20日(月)
popke 地域活動拠点ポプケ・galleryしらかば通り美術館 (帯広市西21南2ー26)
過去の関連記事へのリンク
■鈴木隆展 (2019)
帯広コンテンポラリーアート2016 ヒト科ヒト属ヒト
【告知】帯広コンテンポラリーアート「河口」(2018年)は、会期も会場も作家の任意で、道内外やシカゴでも展開する空前の展覧会
■防風林アートプロジェクト (2014)
■置戸コンテンポラリーアート (2012)
【告知】鈴木誠 図画工作展 (2012年6月3日~16日、十勝管内中札内村)
鈴木隆「ドンナ」 ハルカヤマ藝術要塞
■真鍋庭園にある鈴木隆さんの作品
■十勝千年の森=水脈の森・万象の微風 自然=人間=大地(2003年)
前回の記事から間隔が開いてしまったので、先を急ごう。
前述したとおり「popke 地域活動拠点ポプケ・galleryしらかば通り美術館」では、十勝や札幌、旭川の現代アート作家らによる連続展覧会を開いており、帯広の南隣、中札内村に住む鈴木隆さんの個展が、日程の最後を飾っていた。
鈴木さんはドイツの美術大学で学び、素朴な木彫を出品することが多いが、コンセプチュアルな作品を手がけることもあり、次に何を出してくるか、良い意味で予想を裏切る作家だ。
今回は、2018年の「帯広コンテンポラリー 河口」の続きともいえる作品。
塩を置いて鉄板がさびるのを促進させたのだ。
シンプルながら、いろいろ考えさせられるのは、鈴木さんが
「装置を作ったけど、あとは見させてもらっているだけなんですね。自分は何もしてない」
というところ。
透明なアクリル板のような装置に詰めた塩が、少しずつしみ出てくる。
個展の会期中にも、さびた鉄片がばらばらと床に落ちて、始まったときと会期末では作品の様相が異なる。
「何もしていない」というのは一種の謙遜だろうけど、放射状にさびを広げている真の作者は
「時間」
なのかもしれない。
鈴木さんやわたしたちが年老いても、さびは広がり続けるから。
もう作者の意図は関係ないのだ。
同じ方法論による平面作品も並んでいた。
2023年2月8日(水)~20日(月)
popke 地域活動拠点ポプケ・galleryしらかば通り美術館 (帯広市西21南2ー26)
過去の関連記事へのリンク
■鈴木隆展 (2019)
帯広コンテンポラリーアート2016 ヒト科ヒト属ヒト
【告知】帯広コンテンポラリーアート「河口」(2018年)は、会期も会場も作家の任意で、道内外やシカゴでも展開する空前の展覧会
■防風林アートプロジェクト (2014)
■置戸コンテンポラリーアート (2012)
【告知】鈴木誠 図画工作展 (2012年6月3日~16日、十勝管内中札内村)
鈴木隆「ドンナ」 ハルカヤマ藝術要塞
■真鍋庭園にある鈴木隆さんの作品
■十勝千年の森=水脈の森・万象の微風 自然=人間=大地(2003年)
(この項続く)