道教大の学生・院生5人+1グループが、ほぼ3日のサイクルで、計18回の展覧会を集中的にひらく「SPIRAL」。
会場が3カ所で、praha 2+deep sapporoはともかく、道教大札幌校と、iwamizawa90°(岩見沢市3西5)が遠いため、作家側も見る側も、キビしいものがありまして、すでに「皆勤賞」はおろか、全体の半分に行ければいいかなーというぐらいの感じになっております。
南さんの展覧会は2度目。
6-8日に、iwamizawa90°でひらいた南俊輔個展「TTTiiimmmeee rrruuunnnnnniiinnnggg iiinnnsssiiidddeee ooofff mmmeee...」は、8ミリ映写機とスライド投影機を計10台ほど、3列ある台の上にならべ、いっせいに映像を壁に映しまくる-というものでした。
すっかりめずらしくなった8ミリ映写機が、ガリガリガリという音を立てて動き回るさまは圧巻で、その間を作者の南さんが、フィルム交換や機械の調整のためにいそがしく左右に走っていたのもおもしろい光景でした。
ただし、惜しむらくは、投影されている映像の相互にまったく関連性がない。
ずらーっとならべて映すだけじゃなくて、もうひとひねりほしいなあと思ったのも、正直なところでした。
今回は、興味深い個展になっています。
部屋の中央に8ミリ映写機が3台ならび、横長のサムホールキャンバスぐらいの大きさをしたアクリル板に、木々や空などの映像を映しています(環境ビデオっぽい感じもしますが、8ミリなので、風合いがだいぶ異なります)。
南さんは
「じぶんとしては、映像と写真の中間のような感じです」。
おもしろいのは、そのアクリル板が乳白色であるため、反対側の壁にうっすらと反射していることです。
南さんはずいぶんたくさんの映写機を所持していますが、すべて自分の持ち物だそうです。
また、編集なども自分でおこなっているそうです。すごいなあ。
今回の映像は、短い(数十秒ほど)のものを、ループさせているようでした。
入り口の反対側の窓側にはスライド映写機が置かれ、約80枚の映像を投影しています。
これらの映像は、レイヨグラムの手法を用い、フィルムに直接感光させたり、光の軌跡を定着させたりして作っており、抽象画のように仕上がっています。
「フィルムの質感が好きなんです。暗室にこもっての作業も楽しかったです。こちらは、じぶんとしては映像と絵画の中間なんです」
と南さん。
フィルムを、メディアとしてよりも以前に「物質」としてとらえる発想は、伊藤隆介さん(道教大)の「版」シリーズを思わせますが、生まれたころからビデオが当たり前の存在だったはずの若い世代が、これほどフィルムに真剣に取り組んでいるのは、じつに頼もしいと思いました。
南さんの個展は、6月23日(月)-25日(水)16:00-20:00、 PRAHA2+deep sapporo(中央区南11西13)でもひらかれます。
また、今回とも違った展覧会になりそうです。
08年6月15日(日)-17日(火)11:00-18:00
北海道教育大札幌校談話室(北区あいの里5の3)
=正門から入り、最初の棟の左側玄関から入り、学生用のポスター貼り場などを通り過ぎ、吹き抜けのホールにある階段を上って、左側奥の部屋
・地下鉄南北線「麻生駅」ターミナルから「麻24 あいの里教育大線」
・中央バス札幌ターミナルから「22 あいの里・教育大」線
・地下鉄東豊線「栄町」から、中央バス「栄20 栄町教育大」「栄23 栄町教育大」線
で、いずれも「教育大学前」降車
(麻生発が、日中は20分おきで、一番便利。安いのは「22」で、日中30分おきだが、1時間はかかる)
・JR学園都市線「あいの里教育大」駅降車、徒歩17分
(札幌から日中20分おき。乗車およそ30分はかかる)
■SPIRAL 西田卓司
■SPIRAL 今泉東子