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■道都大彫刻ゼミ展 (3月7日で終了)

2010年03月12日 21時10分27秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
 道都大といえば、シルクスクリーンと染色の「中島ゼミ」がさかんにゼミ展やメンバーの2人展などをひらいていますが、このたび彫刻ゼミが初めて学外で展覧会をひらきました。
 現在の彫刻ゼミは、気鋭の若手國松希根太さんがおもに指導しているそうです。お父さんの國松明日香さんも教えているとのこと。

 冒頭の画像、手前は、森典子さん「待ち続ける」。
 ウッディ粘土を用い、台座に腰かける太った人物を造形しています。絵の下地をつくるジェッソという画材を塗って白い色を表現しているのがめずらしいです。

 背後に並んでいるのは、最近さかんに発表をしている児玉陽美さんの平面。
 作品に大きく記された日付を見ると、ものすごい勢いで描きまくっているようです。立体より絵画がメーンになっています。




 宙に浮かんでいるのは、中田三由希さんのインスタレーション「ほころびる」。
 壁にくっついていた部品の多かった、卒業作品展のときにくらべ、天井からつるしているものが多くなっています。
 球体の数は50個余り。わざと錆びさせており、展覧会の会期中にも腐蝕は進行しているとのこと。

 背後の壁掛け型作品は、高木勝太さん「アンバランスなグラデーション」。
 高木さんは梱包材などをリサイクルした抽象作品で、いわばエコな立体といえるかも。




 手前は、西村淳平さん「Feels「Distorition」」。
 ディストーションというと、エレキギターでぎゅいーんと音をひずませる手法を思い出す。




 杉田大輔さん「断片的な贖罪しょくざい」。
 FRP製で、人体や、鳥の頭のようなものが、天井からつるされ、まるで宙に浮いているように見えます。
 とても2年生の作とは思えないほど、うまいです。

 材質、作風ともにバラエティーに富んでいておもしろい展覧会でした。
 どこかで見たことがある作風が散見されるのは残念ですが、若いうちはやむを得ないことで、むしろいろいろな先人の作を見てどんどん吸収していってほしいと思いました。


2010年3月2日(火)~7日(日)10:00-7:00(最終日-5:00)
Gallery ESSE (北区北9西3 地図A


道都大学生作品展(2010年2月)
All Japan Under 40 Collections (2009年2月)
=児玉さんが出品


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2 コメント

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小さな驚き (竹下 正剛)
2010-03-13 13:46:13
私もこの道都大学彫刻ゼミの展示を、児玉陽美さんに案内の葉書をいただいて観て来ました。

私が言うまでも無く素晴らしい展示でしたが、ある小さな事で「なんで!?」と驚かされました。

児玉さんから郵送されてきたこの展示のDMには当然の事ながら切手が貼られていたのですが、その切手が

「ユニバーシアード東京大会記念1967」の記念切手だったのです。

1967年!?43年も昔の切手!?この私が生まれるよりも前の切手!?なんで!?

切手マニアでなくてもこんな古い切手を使っていただくというのは、とても価値のある事なのだろうと察しはつきます。

こんな小さな所でとても大きな心掛けをしていただいた児玉さんにとても感謝しています。

嬉しかったのでこの展示は2回観に行きました。

これからも素晴らしい創作活動と小さなサプライズを楽しみにしています。

個人的な感想にこの場をお借りして失礼いたしました。
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竹下さん、こんにちは。 (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2010-03-13 22:13:09
 個人的な感想でもなんでもいいので、どしどしコメント欄を活用してください。

 それにしても児玉さん、すごいなー。こんどはivoryで展覧会やるんですよね。すごい創作意欲ですね~
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