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上ノ大作「ムノウノ人」 ハルカヤマ藝術要塞

2011年12月28日 23時54分38秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

Daisaku Ueno “Munou No Hito”

 上ノ大作さんは1970年生まれ、北広島市在住で、薪窯も同市内にある。

 野趣にあふれるというか、土の持つ味を存分にたたえた器で注目されている。
 器だけを見ると、一見投げやりな感じもするが、この荒々しさが、案外花とは合うのかもしれない…などと思わせる陶芸家である。

 今回は、素材のところに
「陶(野焼き)、森」
とある。



 届いたばかりの図録を見ると、どうやら現地で焼いたようだ。

 大胆なことをするなあと思ったが、よく考えてみれば、陶の素材は土である。
 土の中に土が埋もれていること自体は、なんらおかしなことではないともいえる。

 つまり、ふだんは生活の中にあって見えにくくなっている「陶はもともと土」ということを、あらためて認識させてくれる作品だといえるのかもしれない。

 あたりには陶片が散らばっている。
 土から陶が生まれ出るその時間が、ここに集積されているようでもあった。

 それにしても、ふしぎな題だ。
 つげ義春のマンガに「無能の人」というのがあった。関係があるのかどうか、分からないが。


□northstyleの関連ページ http://www.northstyle.jp/features/detail.asp?id=86

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