(承前)
恵庭の公園にある野外彫刻を紹介するシリーズも、今回を含めて残り二つ。
文章での紹介がいささかむずかしい2点が残ってしまいました。
丸山隆さんは1954年長野県生まれ。
東京藝大の彫刻科を卒業し、同大の大学院を経て、道教大に赴任し、個展、グループ展、野外彫刻などに旺盛な創作活動を展開しましたが、2002年に急逝しました。
また後進の育成にも熱心で、教育大の教壇に立っていた時代に彫刻や現代アートなどの作家として巣立った人数の多さは、突出しています。
彼の薫陶を受けた作家たちが、歿後15年の2017年、本郷新記念札幌彫刻美術館で「記憶素子―丸山隆と教え子たち」という展覧会を企画しています。
図録の自筆文は次のとおりです。
たしかに、お弁当を広げてひとときを過ごすのに、ふさわしい形状かもしれません。
筆者には空間の不思議さというのはわかったようなわからないようなことです。
確実に不思議なのは、この作品のタイトル。
この石の彫刻は、どうみてもキューブ(立方体)ではありません。
では、座椅子のようないくつかのパーツを合体させれば立方体になるのでしょうか。
そのようにも見えるし、パズルのようにはうまくはまらないような気もします。
(そもそも、よく見ると、この作品は直線ではなく曲線で囲まれている)
それでは、これらのパーツとパーツの間にある空間は、作品の内部なのでしょうか。それとも外側なのでしょうか。
いろいろな問いが浮かんできますが、かんたんに答えの出る話ではないようです。
しかし、個人的なことをいえば、この作品がここにあって、作者がもう18年も前にこの世を去っている、という事実のほうが、もっと不思議なような気がします。
関連記事へのリンク
札幌彫刻美術館の本郷新記念館前に来るといつも思い出す
丸山隆「触地座標」
■劉連仁生還記念碑
■丸山隆さんの訃報(2002)
恵庭市のユカンボシ川河畔公園彫刻広場
佐藤忠良「えぞ鹿」
渡辺行夫「ドン・コロ」
植松奎二「樹とともに―赤いかたち」
山本正道「時をみつめて」
丸山隆「Cube」
山谷圭司「にぎやかな遡行」
恵庭の公園にある野外彫刻を紹介するシリーズも、今回を含めて残り二つ。
文章での紹介がいささかむずかしい2点が残ってしまいました。
丸山隆さんは1954年長野県生まれ。
東京藝大の彫刻科を卒業し、同大の大学院を経て、道教大に赴任し、個展、グループ展、野外彫刻などに旺盛な創作活動を展開しましたが、2002年に急逝しました。
また後進の育成にも熱心で、教育大の教壇に立っていた時代に彫刻や現代アートなどの作家として巣立った人数の多さは、突出しています。
彼の薫陶を受けた作家たちが、歿後15年の2017年、本郷新記念札幌彫刻美術館で「記憶素子―丸山隆と教え子たち」という展覧会を企画しています。
図録の自筆文は次のとおりです。
宇宙の摂理だとか、人間の認識の事だのを悶々と考えて CUBE という彫刻を造りました。でも、私がそう思って造ったからといって、そう見なければならない理由はもちろん一切ありません。ユカンボシの恵まれた空間の中で、私の彫刻をくぐったり、座ったり、お弁当を食べて欲しいと思っています。そしてふと振り返った瞬間に、空間の不思議さに思いを馳せてもらえたらこんな嬉しいことはありません。
たしかに、お弁当を広げてひとときを過ごすのに、ふさわしい形状かもしれません。
筆者には空間の不思議さというのはわかったようなわからないようなことです。
確実に不思議なのは、この作品のタイトル。
この石の彫刻は、どうみてもキューブ(立方体)ではありません。
では、座椅子のようないくつかのパーツを合体させれば立方体になるのでしょうか。
そのようにも見えるし、パズルのようにはうまくはまらないような気もします。
(そもそも、よく見ると、この作品は直線ではなく曲線で囲まれている)
それでは、これらのパーツとパーツの間にある空間は、作品の内部なのでしょうか。それとも外側なのでしょうか。
いろいろな問いが浮かんできますが、かんたんに答えの出る話ではないようです。
しかし、個人的なことをいえば、この作品がここにあって、作者がもう18年も前にこの世を去っている、という事実のほうが、もっと不思議なような気がします。
関連記事へのリンク
札幌彫刻美術館の本郷新記念館前に来るといつも思い出す
丸山隆「触地座標」
■劉連仁生還記念碑
■丸山隆さんの訃報(2002)
恵庭市のユカンボシ川河畔公園彫刻広場
佐藤忠良「えぞ鹿」
渡辺行夫「ドン・コロ」
植松奎二「樹とともに―赤いかたち」
山本正道「時をみつめて」
丸山隆「Cube」
山谷圭司「にぎやかな遡行」
(この項続く)