(承前)
30年以上にわたって札幌の現代アートシーンを引っ張ってきた端聡さん。
一昨年にも個展を開いていますが、そのときは平面だけで、立体の展示は札幌国際芸術祭2017以来5年ぶりに見ることができました。
冒頭画像はインスタレーション「賑やかな磁場」。
新作です。180 × 180 × 210センチある大作。
その仕組みについて正確に述べることはできませんが、上からつるされた磁石片が、床の上の鉄板にくっついたり離れたりして、題の通りにぎやかな作品です。
「鉄の街・室蘭」らしい作品ともいえ、端聡さんならではの「鉄へのオマージュ」となっています。
2015年作の「生命の循環」の部分。
乳剤でミルクのように白い液体が循環し、そこに人体の映像が投影されているというインスタレーションです。
似た手法の作品を、JR札幌駅構内に突然出したことがあったなあ。
端さんには、錆びた重厚な鉄が似合います。
次の2枚の画像は、いずれも小品で「divide(ファイル)」「大地に還る」。
2022年の作品。
ファイルの中を読むことはできません。
両方の作品には、なにやら小さな文字で英文が附されていました。
書き忘れていましたが、会場は「千穐萬歳堂」という古い蔵。
旧室蘭駅舎から、岬のほうへ歩いて数分のところにあります。
2階に端さんの作品が4点。
1階には、熊谷文秀の立体が並んでいました。
2階は、天井裏の梁がむきだしになっていて、良さげな感じです。
筆者は、ここに並んでいた熊谷さんの作品はだいたい、昨年にオホーツク管内西興部村で開かれた個展で見ています。
にょきにょきと芽を出してくるもの、文字盤が回転するたびにちがう文字列が現れるもの、内部をのぞくとシンプルなアニメーションが見えてくるものなど、子どもも大人も楽しめる作品です。
そして、錆びた鉄の外観が、まさに室蘭での芸術祭にピッタリです。
熊谷さんは「DENZAI環境科学館」にも、4点出品していて、今回の芸術祭ではいちばん目立っていた作家と言ってもいいかもしれません。
「HAPPA」(2015)、「ABS」(2016)、「せんちゃん」(2017)、「パッカン」(1994)。
「DENZAI環境科学館」は、図書館などが一体となった「えみらん」という新しい建物の一角。
もう1組の出品者は「室蘭工業大学 山田研究室」で、学生たちがこれまで作ってコンペに出すなどしてきた建築案や模型などが大量に並べられていました。
これは非常に失礼な言い方になりますが、札幌などと違って室蘭は遊休地や老朽化した街区が多いため、のびのびと都市計画をプランニングできるような感じがします。
札幌だと、学生がどんな斬新な計画をたてても
「いや、この予定地、いまでも建物が建ってるしムリでしょ」
という思いの方が先に立ってしまうのです。
以上、会場6カ所、アーティスト8組を、駆け足で紹介してきました。
室蘭関連の記事はもう少し続きます。
□ 熊谷文秀 KUMAGAI Fumihide https://www.fkuma.com/
過去の関連記事へのリンク
■森の匠展 熊谷文秀 (2021、画像なし)
■つながろう2018 TIME AXIS 時間軸
■つながろう2016 Hard/Soft
■端聡 平面作品展 (2020)
告知の記事
■500m美術館がみた札幌国際芸術祭2017
■そらち炭鉱の記憶アートプロジェクト2014
端聡「sign」 ハルカヤマ藝術要塞(2012)
「pen」に端聡さんが出ていた
■アジアプリントアドベンチャー(2008年)
■Born in HOKKAIDO 大地に実る、人とアート (2008年)
端聡さんの作品が札幌駅構内に (2007年)
■ART! MEET! MART!(2007年)
■FIX MIX MAX! 現代アートのフロントライン (2006年)
■端さん、プリヴィでの発表(2002年)12月25日の項
30年以上にわたって札幌の現代アートシーンを引っ張ってきた端聡さん。
一昨年にも個展を開いていますが、そのときは平面だけで、立体の展示は札幌国際芸術祭2017以来5年ぶりに見ることができました。
冒頭画像はインスタレーション「賑やかな磁場」。
新作です。180 × 180 × 210センチある大作。
その仕組みについて正確に述べることはできませんが、上からつるされた磁石片が、床の上の鉄板にくっついたり離れたりして、題の通りにぎやかな作品です。
「鉄の街・室蘭」らしい作品ともいえ、端聡さんならではの「鉄へのオマージュ」となっています。
2015年作の「生命の循環」の部分。
乳剤でミルクのように白い液体が循環し、そこに人体の映像が投影されているというインスタレーションです。
似た手法の作品を、JR札幌駅構内に突然出したことがあったなあ。
端さんには、錆びた重厚な鉄が似合います。
次の2枚の画像は、いずれも小品で「divide(ファイル)」「大地に還る」。
2022年の作品。
ファイルの中を読むことはできません。
両方の作品には、なにやら小さな文字で英文が附されていました。
書き忘れていましたが、会場は「千穐萬歳堂」という古い蔵。
旧室蘭駅舎から、岬のほうへ歩いて数分のところにあります。
2階に端さんの作品が4点。
1階には、熊谷文秀の立体が並んでいました。
2階は、天井裏の梁がむきだしになっていて、良さげな感じです。
筆者は、ここに並んでいた熊谷さんの作品はだいたい、昨年にオホーツク管内西興部村で開かれた個展で見ています。
にょきにょきと芽を出してくるもの、文字盤が回転するたびにちがう文字列が現れるもの、内部をのぞくとシンプルなアニメーションが見えてくるものなど、子どもも大人も楽しめる作品です。
そして、錆びた鉄の外観が、まさに室蘭での芸術祭にピッタリです。
熊谷さんは「DENZAI環境科学館」にも、4点出品していて、今回の芸術祭ではいちばん目立っていた作家と言ってもいいかもしれません。
「HAPPA」(2015)、「ABS」(2016)、「せんちゃん」(2017)、「パッカン」(1994)。
「DENZAI環境科学館」は、図書館などが一体となった「えみらん」という新しい建物の一角。
もう1組の出品者は「室蘭工業大学 山田研究室」で、学生たちがこれまで作ってコンペに出すなどしてきた建築案や模型などが大量に並べられていました。
これは非常に失礼な言い方になりますが、札幌などと違って室蘭は遊休地や老朽化した街区が多いため、のびのびと都市計画をプランニングできるような感じがします。
札幌だと、学生がどんな斬新な計画をたてても
「いや、この予定地、いまでも建物が建ってるしムリでしょ」
という思いの方が先に立ってしまうのです。
以上、会場6カ所、アーティスト8組を、駆け足で紹介してきました。
室蘭関連の記事はもう少し続きます。
□ 熊谷文秀 KUMAGAI Fumihide https://www.fkuma.com/
過去の関連記事へのリンク
■森の匠展 熊谷文秀 (2021、画像なし)
■つながろう2018 TIME AXIS 時間軸
■つながろう2016 Hard/Soft
■端聡 平面作品展 (2020)
告知の記事
■500m美術館がみた札幌国際芸術祭2017
■そらち炭鉱の記憶アートプロジェクト2014
端聡「sign」 ハルカヤマ藝術要塞(2012)
「pen」に端聡さんが出ていた
■アジアプリントアドベンチャー(2008年)
■Born in HOKKAIDO 大地に実る、人とアート (2008年)
端聡さんの作品が札幌駅構内に (2007年)
■ART! MEET! MART!(2007年)
■FIX MIX MAX! 現代アートのフロントライン (2006年)
■端さん、プリヴィでの発表(2002年)12月25日の項
(この項続く)