所属団体や地域を越えて、道内のベテラン具象画家が集まり毎年開いている「グループ環」も、今年で15回目となった。
筆者は、現代美術も好きだが、こういうふつうの絵画も好きだ。見ていてホッとする。
車の両輪というたとえも変かもしれないが、どちらかが衰亡したらさびしいだろうと思う。
会期が終わってからいささか日にちがたってしまったが、全員の作品の写真を撮れたので、ここで紹介したい。
なお、順不同です。大きさが微妙に異なっていることなど、他意はいっさいありません。特別に註記のないものは、油彩。
青野昌勝(道展会員)「光響 2」(50F、アクリルグワッシュ)
近年、青野さんが取り組んでいるグランドキャニオンを題材とする作。
「スケール感を出すのがたいへんですね」
と水を向けたら、そうなんです、とうなずいていた。
彩度の異なるさまざまな色彩をちりばめて、単調になりかねない広漠な風景に変化を付けている。
ほかに「光響 1」(30S)
中村哲泰(新道展会員)「ヒマラヤ」(50F)(30S)
こちらも、色彩に工夫を凝らして、峨々たる山容のスケール感を失わないように努めている。
平原郁子(新道展会員)「ある日森へ」(40F)。水彩。
ほかに「雁が渡る日」(30F)
合田典史(新道展会員)「運河裏から」(F50)
クリアな色彩と、ちょっとだけラフな線の運びが魅力的な合田さんの絵。これは、小樽運河の1本南側の道路から見た光景だろう。
ほかに「冬 岩内」(30F)
岩佐淑子(新道展会員)「ありえない風景」(40P)「危うげな日常」(同)。水彩。
西沢宏生(新道展会員)「晩秋の八剣山」(30F)
八剣山は、札幌市南区の豊平川沿いにある。山頂の、恐竜の背中のような岩が特徴だ。
西沢さんの絵は、うねるような筆遣いと派手な色彩の組み合わせがユニークだ。現在、後志管内余市町のワイナリーで個展を開いている。
ほかに「想(おもい)」(30縦)
佐藤順一(道展会員)「漁船(釧路港)」(30F)
佐藤さんはいわゆる「小樽派」の画家で、漁船を画面いっぱいか、それに近い大きさで描くところに、迫力がある。
ほかに「冬の漁港」(30F)
猪狩肇基「公園に通じる階段」(50F)
穏やかな筆使いで、群像を描いており、このなかではちょっと珍しい画風かも。
ほかに「紋別」(30F)
2014年6月24日(火)~29日(日)午前10時~午後6時
スカイホール(札幌市中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階)
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■第8回 ■第8回つづき
■第4回
■第3回(画像なし)
■第2回(画像なし)
■青野昌勝個展 (2008)
■中村哲泰おやこ展 (2009)
■中村哲泰-高みを求めて (2008)
■中村哲泰個展 (2006)
■ヒマラヤを描く 中村哲泰個展 (2003)
■あひる会展・西澤宏生個展 (2008)
■40周年小樽美術協会展 (2008)※佐藤順一さん出品
(この項続く)