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■大島龍 木版画展 (2014年10月1日~25日、札幌)

2014年10月25日 07時56分36秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 
 石狩川河口にアトリエのある版画家、詩人の大島龍さんの木版画展。

 大島さんには、青一色の作品と、オオカミを題材とするものと、二つの系列の木版画がある。
 これまで筆者は前者を目にする機会がたまたま多くて、オオカミの木版画がこれほど並んでいるのは見たことがない。

 谷中安規に影響を受けて版画を始めたというだけに、素朴で、木の質感を生かした作風だ。
 画中に文字が入っているものもいくつかある。
 このあたりは詩人としての面目躍如だ。



 大島さんはずっと以前からオオカミを追ってきた。
 近著「二月の魚 オオカミの風」には、関東地方の山奥で自給自足に近い暮らしをしていた20代、祖父からニホンオオカミに遭ったという強力の男性から話を聞いたこと、北米大陸やピレネー山地にオオカミの足跡を追ったことなどがつづられている。
 アイルランドのアラン島やヒマラヤ、フランス山岳地方などへの旅も、オオカミに導かれて足を運んだ面もある。

 オオカミは野生の比喩であるとか、うまくまとめてしまうことは、つまらないことだと思う。
 そういう図式化からはみ出して、何十年にもわたるイマジネーションと実際の旅に大島さんさせてしまう、或る意味で規格外の存在、それがオオカミなのだ。

 そういう存在が日本、北海道の森から姿を消して久しい。

 失われてしまった野生の声に耳を澄ましに、大島さんの版画に会いに行こう。

 詩や紀行、略年譜などが一体となった「二月の魚 オオカミの風」(響文社)が、会場で販売されている。


2014年10月1日(木)~25日(土)午前11時~午後6時、日月曜・祝日休み
ギャラリー北のモンパルナス(西区二十四軒4の3)

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大島龍木版画展「帰還」(2003年)




・地下鉄東西線「琴似」駅5番出口から約390メートル、徒歩5分
・同「二十四軒」駅から約790メートル、徒歩10分
・JR琴似駅から約900メートル、徒歩12分

(カフェギャラリー北都館から歩いて2分ほどです)


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