1. 有料入場者数は
新聞各紙の2014年9月30日付(道内面)に、28日閉幕した札幌国際芸術祭の来場者数をまとめた記事が掲載されていた。
次は、北海道新聞の記事の一部。
この記事には、他紙にあるのに、載っていない要素がある。
それは、両美術館の有料入場者数の目標は7万人だったので、それについては目標に届かなかったということだ。
もっとも、だいたい10万人入れば、その1年を代表する大入り美術展っていうのが、道内では相場。
たとえば、国際芸術祭のすぐとなり、近代美術館の特別展示室で開かれていた「徳川美術館展」はおよそ12万人だった。
だから、現代美術という、とっつきにくそうな分野で7万人弱というのは、健闘といってよいだろう。
札幌芸術の森美術館の関係者によると、同館の入場者数はおおむね平年並みで推移したとのこと。
「ただし、札幌国際芸術祭には、ふだんの年よりも、道外からの客が多いと推察されるので、それを考えると、地元の入りは平年より少しわるかったといえるかもしれない」
ということだった。
また、会期初めのころは、単館チケットを求める人が多く、後半になるにつれて2館共通チケットを購入する人の割合が増えたとも聞いた。
(なので、7万弱を単純に2で割れば実勢に近づく、というのは、正しくない)
やはり、はじめのうちは「多くの会場で同時並行で開かれている」ということ自体、市民に浸透していなかったのかもしれない。
2. 入場者数の詳細
3. どうやって数えるか
ところで、どうやって各会場の人数をカウントしているのかを、少しだけ聞いたので、ここで種明かししておきたい。
札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)は、3カ所でカウントしていて、作品の前で立ち止まってしっかり見ている人の数を数えていたという。
つまり、ただ歩いている通勤通学の人はもちろん、ちょっと視線を作品に向けただけの人などは、勘定に入っていない。
(筆者は、北の端のインフォメーションセンター来場者数じゃないかと推察したが、ハズレでした)
また、札幌市資料館は、入り口にセンサーがついていて、そこで感知した回数を2で割った。
入るときと出るときに1回ずつ感知するという計算に基づいている。
この計算で行くと、筆者なんかだと、おそらく10人以上のカウントをなされているだろう。
しかし、そんなことは、どんなイベントでも同じで、べつに札幌国際芸術祭がことさらにふかしているわけではない。たとえば、さっぽろ雪まつりなんかも、複数の地点でカウントしているから、大通会場を往復して、いったん地下で食事して暖をとり、再び大雪像を見に行った―という人は、3人とか4人ということになっているだろう。
熱心なリピーターは、ステージやイベントにも足を運んでいるだろうから、相当に重複してカウントされているだろうが、そもそも30万人という数字はそれを見越してはじき出されたのだと思われる。したがって、47万人という数字は、率直に評価していいのではあるまいか。
もちろん、札幌の人口(190万人)を思えば、もっと多くなる余地は十分あるし、人数だけが成功失敗をはかる尺度では、絶対にない。
とはいえ、一時期はあれほど行く先を危ぶまれていたことを思えば、よく盛り返したといえるのではないかといえそうだ。
そして、人数だけが、芸術祭の成功失敗を語る要因ではないのは、もちろんである。
関連記事へのリンク
札幌国際芸術祭、来場30万人という目標について
新聞各紙の2014年9月30日付(道内面)に、28日閉幕した札幌国際芸術祭の来場者数をまとめた記事が掲載されていた。
次は、北海道新聞の記事の一部。
(冒頭略)「札幌国際芸術祭」の実行委は29日、最終的な来場者数が約47万8200人となり、目標の30万人の約1.6倍に達したと発表した。
有料の道立近代美術館(中央区)と札幌芸術の森美術館(南区)が計約6万6900人。札幌駅前通地下歩行空間など無料の会場が計39万1300人。北3条広場(中央区)で開かれた盆踊りなどのイベントは計約2万人が集まった。
この記事には、他紙にあるのに、載っていない要素がある。
それは、両美術館の有料入場者数の目標は7万人だったので、それについては目標に届かなかったということだ。
もっとも、だいたい10万人入れば、その1年を代表する大入り美術展っていうのが、道内では相場。
たとえば、国際芸術祭のすぐとなり、近代美術館の特別展示室で開かれていた「徳川美術館展」はおよそ12万人だった。
だから、現代美術という、とっつきにくそうな分野で7万人弱というのは、健闘といってよいだろう。
札幌芸術の森美術館の関係者によると、同館の入場者数はおおむね平年並みで推移したとのこと。
「ただし、札幌国際芸術祭には、ふだんの年よりも、道外からの客が多いと推察されるので、それを考えると、地元の入りは平年より少しわるかったといえるかもしれない」
ということだった。
また、会期初めのころは、単館チケットを求める人が多く、後半になるにつれて2館共通チケットを購入する人の割合が増えたとも聞いた。
(なので、7万弱を単純に2で割れば実勢に近づく、というのは、正しくない)
やはり、はじめのうちは「多くの会場で同時並行で開かれている」ということ自体、市民に浸透していなかったのかもしれない。
2. 入場者数の詳細
道立近代美術館・札幌芸術の森美術館 | 66,900人 |
札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ) | 116,300人 |
その他(資料館、500m美術館ほか) | 275,000人 |
オープニングセレモニー「Whirling Noise-旋回するノイズ」 | 500人 |
オープニングプログラム アイヌ民族の神事「カムイノミ」 | 1000人 |
島袋道浩トークイベント「アートは社会、そして人々の心に一石を投じる」 | 600人 |
舞台「CHROMA(クロマ)」 | 1400人 |
インターネットヤミ市 | 700人 |
フェスティバルFUKUSHIMA! 北3条広場盆踊り | 4000人 |
舞台「BABEL(バベル)」 | 1600人 |
月夜の美術館(9月7日) | 600人 |
さよなら夜霧の会(9月23日) | 1100人 |
3. どうやって数えるか
ところで、どうやって各会場の人数をカウントしているのかを、少しだけ聞いたので、ここで種明かししておきたい。
札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)は、3カ所でカウントしていて、作品の前で立ち止まってしっかり見ている人の数を数えていたという。
つまり、ただ歩いている通勤通学の人はもちろん、ちょっと視線を作品に向けただけの人などは、勘定に入っていない。
(筆者は、北の端のインフォメーションセンター来場者数じゃないかと推察したが、ハズレでした)
また、札幌市資料館は、入り口にセンサーがついていて、そこで感知した回数を2で割った。
入るときと出るときに1回ずつ感知するという計算に基づいている。
この計算で行くと、筆者なんかだと、おそらく10人以上のカウントをなされているだろう。
しかし、そんなことは、どんなイベントでも同じで、べつに札幌国際芸術祭がことさらにふかしているわけではない。たとえば、さっぽろ雪まつりなんかも、複数の地点でカウントしているから、大通会場を往復して、いったん地下で食事して暖をとり、再び大雪像を見に行った―という人は、3人とか4人ということになっているだろう。
熱心なリピーターは、ステージやイベントにも足を運んでいるだろうから、相当に重複してカウントされているだろうが、そもそも30万人という数字はそれを見越してはじき出されたのだと思われる。したがって、47万人という数字は、率直に評価していいのではあるまいか。
もちろん、札幌の人口(190万人)を思えば、もっと多くなる余地は十分あるし、人数だけが成功失敗をはかる尺度では、絶対にない。
とはいえ、一時期はあれほど行く先を危ぶまれていたことを思えば、よく盛り返したといえるのではないかといえそうだ。
そして、人数だけが、芸術祭の成功失敗を語る要因ではないのは、もちろんである。
関連記事へのリンク
札幌国際芸術祭、来場30万人という目標について
これは大変素晴らしい記事だと思います。
来場者数って、勘ぐれば勘ぐれる数字だと思いますので(通り過ぎた人をカウントするとか)、
根拠が明確に公開されていることが重要かと思います。
私も10カウント以上はされているでしょうね。
でも、どうしてこんなに、表の上に空白ができるのか、わかりません。
自分のhtmlの知識の限界を感じます。
『チカホ』って限定しているから、3で割られているのかなぁ。