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■風のない午後 ハーフサイズで見たムロラン (9月30日まで)

2007年09月28日 23時52分00秒 | 展覧会の紹介-写真
 ワタナベチナツさん、高橋吉之さん、いとうみなこさんの3人が、7月の同じ日、同じ時刻に、オリンパスPEN-F、FTで撮った室蘭の写真です。
 室蘭は、3人が以前住んでいたなど、ゆかりのあるマチだそうです。

 オリンパスPEN。なつかしいなあ。
 ハーフカメラといって、24枚撮りフィルムなら倍の48枚撮れるすぐれもの。60年代のわが家にもありました。
 当然、画質は、ほかのカメラでおなじフィルムを使ったときにくらべて、半分の水準に落ちるわけですが、そこは、逆に「いい味」になるわけです。

 デジタル全盛時代に、よくぞこういう写真展をひらいてくれたなあ、と感心しました。

 3人とも、わりと古いものにレンズを向けていますが、やはりそれぞれに個性があります。
 ワタナベさんはカラー12枚、モノクロ3枚。
 バラやオオウバユリ(?)など、草花のクローズアップが、会場におちつきを与えています。

 高橋さんはカラー6枚、モノクロ7枚。
 塗料がはげ落ちたシャッターや、水たまりなどが、さびしげな感じをただよわせます。
 3人の影が横断歩道に長く落ちている1枚が、この写真展を代表しているかのようです。

 いとうさんはカラー6枚、モノクロ8枚。 
 古い郵便受けなど、対象に接近して撮った、静かでしぶい写真が多いです。
 団地の上に広がる空をとらえた1枚が気に入りました。

 会場には、3人のファイルもあります。
 高橋さんはベタ焼きを収めています。

 室蘭って、道内のおもな都市では、筆者が唯一訪れたことのないマチ(もちろん、通過は何度もある)ですが、伊藤也寸志さんの写真なんかを見ていると、かなり良さそうな雰囲気ですね。
 ぜひこんど、行ってみたいと思います。

 それにしても、筆者のような初老の人間が昔をなつかしむのは、理屈が通るのですが、この写真展の3人はおそらく筆者より年下ですよね。
 そんな若者が、新しいものに飛びつくのではなく、古めかしいカメラで古びたマチを好んで撮影するというのは、なんだかふしぎというか、おもしろい現象だなあと思います。
 時代がかわってきているのかもしれませんね。


07年9月15日(土)-30日(日)12:00-19:30、月曜休み、雑貨喫茶十一月(中央区南2西8、FAB cafe 2階)

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ワタナベチナツ写真展-旅の日々、雨のフィンランド(07年4月)


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3 コメント

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僕も・・・ (y@5u5hi)
2007-09-29 19:23:17
展示を見て、
また訪れたくなってしまいましたね、ムロラン。
撮影旅行を計画中です。
新しくなる「すずらん」で行こうか、
ちんたら普通列車or一般道か…。

勝手な自分の中でのイメージですが、
室蘭はカラー写真の方が似合いますね。
街マニアにはたまらないいい街です。
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私も・・・ (パセリ)
2007-09-29 22:22:35
FABcafeのあるあたり、昔の札幌っぽいのでしょうか。室蘭も、小樽と同じく‘港町’ですが、製鉄の企業城下町です。「工業」が連想される街です。
しかし、絵鞆半島の外海に面した崖は荒々しい自然の表情です。イタンキ浜、トッカリショ、チキウ岬、
チャラツナイ、測量山、なつかしいです。崖の上を観光道路がはしっています。
私も昔、室蘭に住んでいたことがあります。
ヤナイ様もぜひぜひ、訪問してください。
返信する
小生も… (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2007-09-29 22:33:45
>y@5u5hiさん

だまって引き合いに出しちゃってすいません。
ムロランに行くなら、ほんとは
「急行ちとせ」
なんかがいいんですけどね(←鉄まるだし)。

カラーフィルムですか。
ネガカラーのほうが、キテルかもしれませんね。
「街マニア」。いい言葉だなあ。

>パセリさま
たしかに、狸小路7丁目-10丁目って、ちょっと古い街並みかもしれません。
でも、古さなら、室蘭の旧市街(中島町じゃなくて絵鞆半島の先)のほうが、勝ってるような予感がします。
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