北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

【告知】第41回北海道教職員美術展 (移動展:1月31日~2月6日)

2011年02月01日 23時26分54秒 | 展覧会等の予告
 札幌展はすでに終了していますが、1月末から日高管内日高町門別で移動展が始まっています。
 図録をいただいたので、あらためて告知します。

 この美術展は、道内の公立校に勤めている教職員を対象にした公募展です。
 したがって、大学、専門学校や、私立の小中高の教職員は出品していません。
 道の教育局などに回っている人も出品しています。
 ピークの1991年には335点の出品があり、その後も300点前後で推移してきましたが、ここ数年は減り方がいちじるしく、今回は143点にまで減ってしまいました。
 とくに、絵画、彫刻、工芸、書、写真の5部門のうち絵画と彫刻の減少が目立ちます。彫刻はことしトルソが1点だけでした。

 一般の美術ファンが足を運ぶ意味は、一般公募もさることながら、審査に当たっている招待出品の作品を鑑賞することにあると思います。
 絵画、彫刻、工芸では、一般公募よりも点数が多く、道展・全道展・新道展の会員クラスがそろっています。

 絵画の特選は、工藤千波さん、今橋香奈子さん、太田玲子さんと、女性が3人。
 このうち、工藤さんは旧制駒澤で、動物が登場する精緻かつダイナミックな画風で、道展や個展などでご存じの方も多いと思います。この展覧会では前回に続き2年連続の特選です。
 今回は「夜気」という作品(日本画)で全体のトーンが暗く、いつになくなまめかしい感じが、図録の図版からは伝わってきます。 
 今橋さんも道展や個展で活躍中の若手日本画家。植物と女性の組み合わせが濃厚な空間をつくりだしています。
 太田さんは、オホーツク美術展で力作を発表している人で、今回の受賞作も昨秋、同展に出品した抽象作品。力強い構図と原色を生かした配色がどこか1960年代のアンフォルメル旋風を思わせ、かえって新鮮だったりします。

 彫刻は公募出品が1点、工芸は4点(陶3、織1)のみで、いずれも過去最少。

 例年最も出品の多い書は、ことしも入選計69点と分野別で最多。
 特選は、近代詩文の松原浩樹さんと松本晶子さん、かなの船場光子さんと花春美さん。
 松原さんはレミオロメンの歌詞を縦長の紙に横書き。現代的なリズム感です。

 図録を見た限りでは、個人的に、野島ますみさんの「月」という文字をあしらった近代詩文が、左右に空白を配した大胆な文字配置で目を引きました。
 見た感じでは、近代詩文は、道展よりもバリエーション豊富だなあという印象があるのですが、いかがでしょう。

 写真は43点入選、特選は3点でした。南一也さんの飛行場の写真、SFみたいですてきです。
 

 なお、会場は、門別と富川の両市街地の中間ほどにあります。
 現在の日高町は、旧日高町と旧門別町が2006年に飛び地合併して誕生しましたが、旧門別町は、役場のある門別地区と、平取・旧日高町方面への国道が分岐する富川地区に市街地があります。


2011年1月9日(日)~13日(木)10~5時(最終日~3時)、札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)
1月31日(月)~2月6日(日)9~5時、日高町立門別総合町民センター(日高管内日高町富川東6)




第40回記念北海道教職員美術展(2010年)
第39回 ■続き
第38回北海道教職員美術展
第36回北海道教職員美術展

・JR日高線「日高門別」駅から約3キロ、徒歩38分


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。