北海道新聞の6月20日朝刊に、「クリムト作品に155億円 絵画史上最高値で購入」という見出しのついている記事が出ていた。ところで、読んだ人は「どうしてクリムトがピカソより高いのか」と疑問に思わないだろうか。もちろん、クリムトは偉大な画家だが、こと絵画市場についていえば、高額な絵は、印象派かピカソであることが多かったのではないか。
このエントリを執筆する前に、このニュースについて書いているざっと40ほどのblogを見て回ったが、筆者の抱いた疑問についてふれている文章はなかった。
多くは、ただニュースの文面を引用しているだけか、「高いね」「私は『接吻』が好き」などというたわいもない内容。
筆者もよく理由はわからないが、ひとつ考えられるのは、絵のサイズである。
クリムトの絵は138×138センチ。けっこう大きい。
それに対して「パイプを持った少年」は81.3 x 100センチらしい。
読売新聞の記事によると、このローダー氏とは、有名な化粧品会社エスティローダーの経営者とのこと。
「この絵はわれわれにとってのモナリザ」
と話しているらしいから、自分たちの美術館(ノイエ・ギャラリー)の目玉として、よっぽどほしかったんだろうな。
ニューヨークタイムズによれば、ローダー氏はドイツやオーストリアの美術が大好きなんだそうだ。
ところで、時事通信の記事には、つぎのくだりがある。
なんだか1枚の絵にもドラマがあることを感じさせる。
【ニューヨーク19日共同】19日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、米国の富豪ロナルド・ローダーさんがオーストリアの画家、グスタフ・クリムト(1862-1918年)の代表作の1つである肖像画「アデーレ・ブロッホ・バウアーI」を1億3500万ドル(約155億円)で購入したと報じた。
これまで1枚の絵画に支払われた金額としては、ピカソの「パイプを持つ少年」が2004年にサザビーズで落札された際の約1億410万ドルが史上最高額とされていたが、今回のクリムト作品はこれを上回ったという。
このエントリを執筆する前に、このニュースについて書いているざっと40ほどのblogを見て回ったが、筆者の抱いた疑問についてふれている文章はなかった。
多くは、ただニュースの文面を引用しているだけか、「高いね」「私は『接吻』が好き」などというたわいもない内容。
筆者もよく理由はわからないが、ひとつ考えられるのは、絵のサイズである。
クリムトの絵は138×138センチ。けっこう大きい。
それに対して「パイプを持った少年」は81.3 x 100センチらしい。
読売新聞の記事によると、このローダー氏とは、有名な化粧品会社エスティローダーの経営者とのこと。
「この絵はわれわれにとってのモナリザ」
と話しているらしいから、自分たちの美術館(ノイエ・ギャラリー)の目玉として、よっぽどほしかったんだろうな。
ニューヨークタイムズによれば、ローダー氏はドイツやオーストリアの美術が大好きなんだそうだ。
ところで、時事通信の記事には、つぎのくだりがある。
売却主は、ロサンゼルス在住のマリア・アルトマンさん(90)。同作品はウィーンの美術館に長年展示されてきたが、アルトマンさんは、ナチス・ドイツがオーストリア併合時に親族宅から略奪したものだと主張。オーストリア政府との法廷闘争を経て、今年1月、同作品を含む5作品がアルトマンさんに返された。
なんだか1枚の絵にもドラマがあることを感じさせる。