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■新道展第67回受賞者・会友展 (2023年11月22~26日、札幌)

2023年11月26日 13時27分52秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 ユニット「故郷2nd」の新作「超獣戯画 野生の立場」がおもしろいです。
 墨一色で描かれた絵巻物の中味も良いのですが、それを見せるための大きな器械をわざわざ作るところがすばらしい。
 右手のハンドルを回すと、絵巻物が右から左へと展開していきます。
 絵巻物は一つの大きな輪になってシームレスにつながっている、シンプルな仕組みなので、巻き戻したりする必要はありません。
 
 絵柄はもちろん、あの名高い「鳥獣戯画」をもじったもの。
 登場するのは、ヒグマやキタキツネ、カラスなど、北海道向きにアレンジしています。
 
 ネタバレになりますが、物語は、山の中で食べ物の自動販売機を見つけた動物たちが、食べ物を引き出して宴会を開きますが、最後はハンターたちに襲われてしまうというもの。
 
 個人的には、最初のほうでクマがうちわであおいでいる場面(今年の猛暑を反映)しているのと、キツネが葉っぱのお札を自販機に差し込もうとしているところがツボでした。
 
 
 ほかは全点が絵画。
 30号ほどの新作ということで募ったようですが、水口奈緒美さんの「水の戯れ」はデカイです。
 水口さんは写実的な絵柄で、写真をもとにして描いているようです(これ自体は悪いことではない)。
 今作はこれまでの中で「写真くささ」がいちばん感じられず、良い作品だと思います。
 本職は鍵盤楽器の講師なので、題名はラヴェルのピアノ曲に由来するのでしょう。

 右は若手の本庄セナさん「歪曲」。
 男の子をモティーフにしていますが、周辺にひずんだ顔が描かれていて、どういう場面なんだろう?
 卓越した写実の力量とともに、不思議な感じです。


2023年11月22日(水)~26日(日) 午前10時~午後5時(最終日~4時)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)

□新道展 http://shindoten.jp/

□故郷 2nd kokyo2.jimdofree.com

過去の関連記事へのリンク
故郷 2nd 異郷感覚 KOKYO SECOND Exhibition “Dépaysement” (2022)
第3回 バックボックス展 (2019)
第63回新道展 その3(2018)
バックボックス展 (2018年4月)
永桶麻理佳と故郷II展 (2016)
労働/パラダイス 故郷II (2014)

水口奈緒美個展 人物と猫と (2023年2月)




・地下鉄東西線「バスセンター前駅」から約200メートル、徒歩3分
(9番ないし10番出入り口が便利)

・ジェイアール北海道バス、中央バス「サッポロファクトリー前」から約520メートル、徒歩7分

・中央バス「豊平橋」から約860メートル、徒歩11分

※ギャラリーに駐車場はありませんが、周辺にはコインパーキングが何カ所もあります)


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