少年カメラ・クラブ

子供心を失わない大人であり続けたいと思います。

コケットリー;coquetterie

2006-05-30 22:25:01 | 哲学
コケティッシュと言う言葉のほうがポピュラーかもしれない。

辞書では

女性が見せる、なまめかしい物腰。媚(こび)。媚態(びたい)。

ということらしい。これは、山田登世子氏の本の中で何度も出てきた言葉である。この本によればコケットリーと言うのは隠すことによって中身を見せる(想像させる)ようなファッションのことである。ちょっと言葉が足りないのだけれど、それは中身としての女性の体に対峙する表面としてのファッションという考え方ではなくて、表と裏が表裏一体となった、クラインのつぼみたいなどっちともとれるような、とれないような微妙な絡み合いをさすのだと思う。

隠すことによって見せる。あるいは見せることによって隠す。そんな微妙なバランスの中に女性の美しさは光を帯びてくるのだろう。

そういうファッションと言うのは、ひと時も安定しない。いつもユラユラと揺らめいている。揺らぎの中の瞬間の輝きこそが大事なのだ。いや、揺らいでいるからこそ、光は輝きを増すに違いない。あまりにもろく、たちまち光を失っていくからこそ、その光は輝きを増す。美しさというのは、本質的にそういうものだと。

リアルとイマジナリーのせめぎあい。そこに美は宿る。

これ、いろんなことに応用できそうな話だと思う。ウェブページの作り方、商品のプロモーションの仕方、プロジェクトの進め方、きっとみんな同じだ。

印画紙のISOspeedとISOrange

2006-05-30 22:05:52 | 写真
印画紙を変えたらなんだかプリントがおかしくなってしまったので、二つの印画紙のパラメータを比較してみた。

富士バリグレード ISOspeed=P125-500 ISOrange=R60-130
三菱月光 MD-F ISOspeed=P200-640 ISOrange=R60-110

ということで、同じRCマルチグレードの紙でも特性はだいぶ違っていることが判明した。ものの本によるとISOspeedというのは、紙の露光感度のようなもので大きいほど感度が高い。フィルムのspeedと同じ。それからISOrangeは白から黒に焼き付けられる露光幅で、数が少ないほど幅が少なく硬調な紙ということになる。

そう思ってデータを見てみると、富士の紙は月光よりも1段分くらい暗いことがわかる。絞りを一段近く開けてやらないと同じ濃さの写真にならないわけだ。

また、露光幅の方も富士の低い号数ではやや幅が広く軟調な傾向があるようだ。号数が高くなるとどちらもR60で一緒と言うことになる。

もし、二つの印画紙の差がspeedだけなら、焼付けの時の露光量を加減すればいいはずである。真っ黒になる最短時間をきちんと計れば問題は解決する。しかし、rangeの方はそうは行かない。紙が軟調になるとすると、ネガの濃度幅も広くしないと、紙のダイナミックレンジを全て使えないことになってしまうからだ。ということは、このデータから行くとネガの濃度をあげてコントラストのはっきりしネガにしたほうがいいということになる。

現像したときは、もっとネガを薄くしてハイライトが伸びるように使用と思ったのだが、この分析では逆と出た。うーむ。難しい。

印画紙焼付けの時の露光時間が全然たりていないということかもしれないなあ。
そう思って露光量を比べてみたら、なんと感度が高い富士の方が露光量を一段絞って焼き付けていた。もっともっと光を当てないとダメなのに、ネガが薄くて上手くいっていないということか。やはりネガの現像量をあげるということか。


この調節が上手くいけば、富士のほうがダークに伸びのある写真が出来るはずである。その辺も注目してみたいな。