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昭和シェル、ソーラー子会社はどう戦うのか 厳しさを増す太陽電池市場

2015年09月08日 06時57分15秒 | 太陽光発電
 2014年秋に表面化した送電線接続契約保留、いわゆる「九州電力ショック」を境に、固定価格買い取り制度(FIT)でバブル的様相を見せていた太陽光発電の市場環境は一気に暗転した。新規需要が落ち込む中で価格競争が激化した結果、太陽電池の国内メーカー各社は今年に入って軒並み業績を悪化させている。今後どうやって業績を建て直していくか、各社のサバイバル戦略が問われる局面だ。

 そこで、シャープや京セラ、パナソニックなどと並ぶ国内太陽電池メーカー大手で、昭和シェル石油の100%子会社であるソーラーフロンティアの平野敦彦社長に、最近の市場環境や今後の事業戦略、さらには親会社と出光興産の経営統合による影響などについて聞いた。

 ――ソーラーフロンティアの業績を見ると、営業損益で2012年度が153億円の赤字だったが、FIT導入翌年の2013年度に163億円の黒字に転換し、2014年度も160億円の黒字が続いた。ところが、2015年度上期(1~6月)は推定で30億円程度の赤字に落ち込んだ。業績が急悪化した要因は何か。

 2012年度までは先行投資が収益の圧迫要因になったが、同年後半から主力の第3工場(宮崎県の国富工場)がフル稼働し、当初想定以上の生産性が得られるようになった。だが2015年度前半については第4工場(東北工場)が竣工したものの、まだ商業生産には至っておらず、先行負担が発生している。また、事業領域の拡大策として、太陽光発電所を作り上げて電力会社やファンドなどの投資家へ売却するBOT(Build, Operate, Transfer)を急速に推進しており、工場を建設するのと同様に先行投資負担が発生している。

 3つめの要因は、日本の太陽光発電市場で競争が激しくなったことだ。FITが仕組み上も運用上も大きく変わったことを受け、足元の需要が冷え込み、価格競争が厳しくなった。

 ――国内出荷量最大手のシャープも赤字に陥るなど、太陽電池業界は軒並み収益が悪化している。市場環境は具体的にどう変化しているのか。

 国内ではFIT制度の下、太陽光の(国による)設備認定の容量が80ギガワット(GW)強に達している。うち、稼働を開始したものが約20GW。まだ稼働してない約60GWのうち実際どの程度稼働するかは不明だが、業界では半分程度と見られている。昨年の太陽光の需要は約9GWと高水準だったが、今後も昨年の3~4年分の需要が見込まれ、ポテンシャルは十分ある。

 一方でいま懸念されているのは、2015年度からの新規の需要動向。残念ながら非常に冷え込んでいる。FITの買い取り価格が下がったこともあるが、いちばん大きいのはFITの運用上の見直しだ。たとえば出力抑制(出力制御)。7つの大手電力会社が、出力抑制を無制限にかけられることになった。従来と同じように30日以内の出力抑制に収まるとのシミュレーションもあるが、「無制限」との文言が示された以上、太陽光の施主は投資に慎重になる。

 また、これまで需要をリードしてきたメガソーラーについては、金融機関が融資を躊躇するようになった。結果的に、すでに認定済みの案件を確実に実行することが重視され、それら残存案件を巡る価格競争が激しさを増している。

 その中で当社は、太陽電池1モジュール当たりの出力を上げて、製造単価を下げる余地をまだ持っている。市場価格の下落に対して一定の対応はできており、今後も強化していく。他の多くのメーカーは輸入でパネルを調達しており、円安も相まって原価が上昇する中、収益が悪化しているようだ。当社も市場環境は一緒だが、自社の国内工場で製造している強みは生かされている。BOTを推進するのも、モジュール価格が下落する中、発電所という形で一括売却することで付加価値を取っていく戦略だ。

 ――太陽電池モジュールの単価はどれくらい下がっているのか。

 国内では過去1年間で15%程度は下がっているのではないか。メガソーラー向けなど、分野によっては2割前後低下している。価格競争が激化した要因としては、プレーヤーが多くなったこともある。中国勢などの外資には販売チャネルで制約があったが、メガソーラー向けなどでは価格を切り口として国内勢からシェアを奪うことも増えた。一方、メーカーとしての信用力や親近感を重視する個人住宅などの施主は、国内メーカーの指定が多い。

 ――今後、業績をどうやって建て直していくのか。

 まず、今後の持続的な成長性を考えて住宅市場向けを強化する。年間を通じた発電量が相対的に多く、コストパフォーマンスの高い当社の太陽電池の優位性をアピールし、そのための販売チャネルを質量ともに拡充していきたい。

 販売代理店はここ数年、”FITバブル”に少し酔ったところがあり、大型案件に注力するあまり、戸建て住宅の世帯主への訴求力が弱まった。今後、われわれが代理店と一緒になって、個人客へのアプローチを強める。顧客に対する説明マニュアルを作って、まず太陽光発電に興味を持っていただき、そのうえで当社製品の違いを知ってもらう。

 新築住宅については、当社製品の優位性を伝え、採用してもらうように努める。現在、ナショナルブランドのハウスメーカー10社程度に採用してもらっているが、地方の地場メーカーも含めて数を増やすとともに、すでに採用してもらっているメーカーには他の住宅シリーズでもラインナップに加えていただけるようにする。

 ――最近は太陽電池各社がそろって住宅市場に注力しており、蓄電池や家電製品を含めたシステム化で、付加価値を高めようとしている。

 本来あるべきところに戻りつつあるというのが正しい理解だろう。太陽光の最大の強みは発電を分散させることであり、それらを寄せ集めて大型発電所にするという考え方自体はやや傍流といえるが、現実にはそれで需要の大宗が作られてきた。だが将来的には、分散型という力を発揮して、電力系統への負荷を小さくするためにも、FITによる売電ではなく、自己消費型の発電へと移っていくはずだ。できるだけ低コストで発電し、自家用に消費して、不足する電気を外から取り入れるという形を達成することが最大の目標になる。

 当社は、システムの中核を担うモジュールにおいて圧倒的なコスト競争力があると自負している。そのため、経営の健全性を確保したうえで、他社に先駆けて住宅用のグリッドパリティ(平均的な電気料金と同等以下のコスト)を実現できると思っている。グリッドパリティを実現したうえで、さらに付加価値のあるシステムを加えていけるかが課題だ。

 業界他社の家電メーカーとは違い、さまざまな会社としがらみや制約もなく組むことが当社は可能だ。蓄電池などを内製していない分、逆にフリーハンドで他社と組める。常に関心を持って、他社との連携の可能性を探っているところだ。今後は金融系のパートナーも重要で、システムでの購入で総額が増える分、顧客の支払いの利便性を高めていくことも価値提案の一つとなる。

 ――住宅向け強化以外の対策は。

 BOT事業の拡大だ。国内では政策投資銀行と共同でファンドを設立したり、長崎空港や平泉など各地でメガソーラーを開発したりしており、今後も継続していく。設備認定済みだが資金調達難などを理由に着工に至っていないような案件を当社が引き受けることも含め、国内でのBOTを広げていきたい。

 その一方で、国内で培った知見や関係会社とのパートナーシップを生かして、BOTの海外展開をしていく。すでに米国では合計280MW規模の発電所開発プロジェクトを買収(2015年3月に最終合意)しており、英国でも合わせて100MW規模のBOTを推進している。また、タイなどアジア太平洋地域においても可能性を探っている。

 もちろん、BOTにはファイナンスを含めて開発案件の組成から完成までのリスクがあるが、蓄積した知見と技術力で十分マネージできる。その一方、モジュール販売だけでは取り込めないEPC(設計・調達・建設)などのマージンを加えることで、モジュールの価格競争から脱却し、より高い付加価値を実現できる。また、当社のCIS薄膜太陽電池の強みは発電性能にあり、発電所まで造って発電量の実績を示すことで、買い手の信用が高まり、製品性能に合った価値で評価してもらえるようになる。

 ――米国などでは太陽光発電所はまだまだ拡大が続くのか。

 米国では当初、来年末に投資税額控除が縮小することで太陽光への投資が落ち込む懸念もあったが、オバマ政権はここにきて再生可能エネルギーの導入をより積極化する姿勢をみせている。オバマ氏の後継と有力視されるヒラリー・クリントン大統領候補も、就任後10年以内に米国内すべての住宅に十分なクリーンエネルギーを供給する目標を掲げている。また、多くの州でRPS法(電力会社に対する一定割合以上の再エネ利用の義務化)が導入されていることも、太陽光拡大の追い風となりそうだ。

 ――住宅向けとBOTはそれぞれ売り上げのどの程度まで伸ばす目標か。

 現状は、住宅向けが売上高全体の10%程度、BOTが15~20%程度だ。将来的にはモジュール販売とBOTを半々ぐらいにし、モジュール販売のうち大半は周辺機器を含めた住宅向けにしていく。できれば2018年ごろまでに達成したい。

 また、売上高自体を増やすため、生産能力の拡大も進める。現在、約1.1GWの年間生産能力があるが、2018年ぐらいには海外工場を含めて2GW程度まで増やしたい。

 ――以前から掲げてきた海外生産構想に変わりはないと。

 変わっていない。海外生産には2つの要件がある。1つは、海外生産体制構築に向けたモデル工場と位置づけている東北工場の生産技術を確立すること。2つ目は、海外工場ができるまでの間にBOTを含めた市場開拓をすることだ。この要件をできるだけ早く整えた段階で投資決定を行う。投資決定からおそらく24カ月以内に工場は稼働開始できる。2018年の初めごろには完工しているようにしたい。

 ――海外工場の場所や規模はどう考えているのか。

 対外的には米国ニューヨーク州での建設検討を発表したが、ほかにもいくつかの場所を検討している。ニューヨーク州からは具体的で魅力的な提案をもらっているので、現状では非常に有力な候補。生産能力を2GWへ増やすためには、1カ所ではなく数カ所ということもありうるが、新しい技術を導入していくだけに、一斉にではなく、ある程度段階を踏んで進めていくことになろう。

 ――国内の市場環境が厳しさを増すなか、来年前半までには要件を整え、投資決定を下さなければならない。

 現在、発破をかけているところだ。国内市場がこうなるのは、程度の差はあれ以前からわかっていたことだ。市場環境が変わったから判断が遅れるのではなく、スピードを持って変化を先取りするような動きにしていかねばと思っている。

 ――太陽電池の業界再編についてはどう考えているか。今春にはシャープの堺工場買収交渉説も取りざたされたが。

 根も葉もない話。商品がまったく違ってシナジーも見出しにくいので、名前が出たのには驚いた。もちろん、再編というのはどの業界においても競争力強化につながるなら経営上の選択肢となり、予断を持って語ることはできない。「日の丸連合」などとも言われるが、大事なのは何を成し遂げるか。われわれは、中核はやはり技術だと考えており、技術がさらに進化する組み合わせであれば、真剣に検討する必要がある。単に言語や人種が一緒だから、という理由で固まって勝てるような業界ではない。太陽電池というのはグローバルな業界であり、競争力強化につながるなら外資との連携も選択肢となる。

 ――親会社の昭和シェル石油が出光興産との経営統合で合意したことで、ソーラーフロンティアの将来にどのような影響が出るか気になる。

 亀岡(剛)グループCEO(昭和シェル石油社長)は、「今後、経営統合があったとしても目指すべきは総合エネルギー会社である」と明確に言っており、そのひとつとして従来どおりソーラーや電力事業が構成要素になると考えている。総合エネルギー会社ということは出光さんも明確に打ち出されている。そのため、当社事業への影響はマイナス面ではないし、親会社がより強靭な会社になるならば当社にとっても願ったりかなったりだ。

 統合会社は日本にとどまらず、アジア、海外へと事業を拡大していく方針なので、世界の電力問題をクリーンな形で解決していく太陽光発電の事業を通じ、当社の存在価値を発揮していけると思っている。
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太陽光発電の普及・節電定着…猛暑でも電力にゆとり

2015年08月09日 08時59分30秒 | 太陽光発電
 東京都心で7日、最高気温35度以上の「猛暑日」が過去最長の8日連続となるなど、各地で記録的な猛暑が続くなかで、大手電力各社は比較的余裕のある電力供給を続けている。すべての原発は止まったままだが、太陽光発電の普及や節電の定着で、真夏の電力不足の心配は遠のいている。


 電力供給にどれだけ余裕があるかは、その日の電気の供給力と、一日で最も電力の需要が多いピーク時を比べた「最大電力使用率」でわかる。東京電力や関西電力の場合、これが90%以上だと電力の余裕が「やや厳しい」、95%以上だと「厳しい」とされる。100%に近づくと、必要な電力に供給が追いつかず、停電の恐れがでてくる。

 7日までの1週間で、東京、中部、関西、九州各電力の最大使用率をみると、95%以上になったのは1日の中部電だけだった。東電では90%以上が4日あり、あとは90%未満の「安定的」だった。
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苦境のシャープ、なぜ太陽電池を続けるのか 事業の売却・縮小をかたくなに否定

2015年04月13日 06時30分28秒 | 太陽光発電
© 東洋経済オンライン

 「今後も開発、生産、販売を継続し、事業を拡大すべく取り組んでいく」

 3月30日、シャープは大阪・堺工場で、太陽電池の事業説明会を開催した。そこで向井和司常務が強調したのは「事業の継続」だった。

 2015年3月期に赤字転落する見通しで、銀行支援にすがる中にあって、太陽電池は課題事業の筆頭格だ。大口受注が奏功した2014年3月期を除けば、業績低迷が続き、縮小や撤退の報道が相次ぐ。

 だが同日の説明会では、今後14億円を投じ設備を増強し、6月から新製品を生産すると発表。向井常務は「(太陽電池を)再建の柱にする」とまで言い切った。

 
堺工場の販売量は小さいが


 狙うのは住宅用だ。現状約3割の売上高比率を、来期は4割へ伸ばす計画。将来像を示し、取引先との信頼をつなぐ狙いがある。しかし、事業継続には、悲観的な見方も多い。

 そもそも、堺工場で自社生産する太陽電池は年間約200メガワットで、全体の販売量の約1割程度。残り9割は中国メーカーなどに製造を委託する。シャープは「中国製でもわれわれの品質基準に合わせている」と、自社製品の優位性を強調するものの、委託先の日本法人幹部は、「われわれが中国向けに出荷しているものとの品質差は小さい」と明かす。

 材料に使うシリコンの調達を高値で契約したことによる高コスト体質も残る。あるシャープ社員は「社内では完全なお荷物事業。奈良・葛城の事業所にいる技術者は続々と辞めている」と漏らす。

 太陽電池以外にも、海外のテレビや電子部品などの事業縮小、撤退の見方がくすぶる。資金面で支える銀行側も、こうしたリストラ策に同調。「抜本策を出してほしいというのが、われわれのスタンスだ」と念を押す。

 が、シャープ側は、いずれの事業でも継続を強調。痛みを覚悟する社員には、「今の経営陣には事業を戦略的に組み替える考え方が希薄だ」と不信感が募っている。

 5月に発表予定の新中期計画では、これらリストラ策に加え、再成長シナリオの提示が焦点となる。そこでカギを握るのが他社との連携だ。


 鴻海のテリー・ゴウ氏はどう動く


 台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業のテリー・ゴウ董事長は、シャープに出資意欲を示している。傘下の液晶メーカーであるイノラックスと技術的に協業することも可能だ。

 しかし、社内の反応は複雑。社員の一部からは「ゴウ氏が経営権を掌握するのが、再生への最短距離だ」と歓迎する声が聞こえる一方、鴻海とは3年前にも提携交渉し、出資比率をめぐって暗礁に乗り上げた経緯がある。

 当時を知るシャープ関係者は「あのとき、鴻海は出資条件の見直しに『合意した』と発表したが、そうした事実はなかった。わだかまりはまだあり、交渉するのは現実的に難しいのでは」と語る。

 「不採算事業の撤退は当然。その先の成長を見通せなければ、銀行は面倒を見切れないはず」と国内証券のクレジットアナリストは指摘する。5月にどんな抜本策を示すのか。期限が迫っている。



(「週刊東洋経済」2015年4月11日号<6日発売>「核心リポート06」を転載)
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15年後の電源構成比率 原発上回る、再生エネ20%台半ば

2015年04月05日 10時47分44秒 | 太陽光発電
 政府が検討している平成42(2030)年の電源構成比率の大枠が4日、分かった。東日本大震災後に全基停止した原子力発電の割合を20%程度まで回復させるとともに、再生可能エネルギーは20%台半ばに引き上げ、原発を上回る水準にする方向。火力発電は50%台半ばとする。統一地方選後に経済産業省の有識者会議で詰めの議論を行い、早ければ月内にも具体案をまとめる。

 安価で昼夜を問わず一定の発電ができる「ベースロード電源」の割合を震災前と同水準の60%程度まで戻すことを基本とする。原発停止に伴い現在は約40%まで落ち込んでおり、電気料金の上昇を招いていた。

 ベースロード電源は原子力、石炭火力、水力・地熱に分けられる。このうち、石炭は二酸化炭素(CO2)排出量が多く、水力も「新たに大きなダムを造れる時代ではない」(電力大手幹部)ことから、大幅な上積みは見込めない。このため、石炭は30%程度、水力・地熱は10%程度の現状から大きく変動しない範囲にとどまり、20%程度は原発になる見通しだ。

 原発の運転期間は原則40年に制限されているが、原子力規制委員会が認めれば延長できる仕組みだ。もし一切延長できなければ42年時点で構成比率が15%程度まで下がるため、20%程度にするには国内の原発が審査に通過する必要がある。

 一方、再生可能エネルギーは昨年4月に閣議決定したエネルギー基本計画で積極的な推進を明記している。水力・地熱に加え、太陽光や風力などを10%台半ばまで上積みすることで、原発を上回る発電量を確保する想定だ。

 電源構成は、今年末にパリで開かれる国連の気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で示す温室効果ガスの削減目標を策定する際の前提となる。政府は6月にドイツで行われる主要7カ国(G7)首脳会議までに、削減目標をまとめたい考えだ。
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シャープ、パナに抜かれた?太陽光パネル増強へ

2015年03月30日 11時02分08秒 | 太陽光発電
 経営再建中のシャープは、不振の太陽光パネル事業をてこ入れするため、堺工場(堺市)の製造ラインを増強する方針を固めた。

 日本で需要が落ち込んでいるメガソーラー(大規模な太陽光発電所)向けのパネルが売れないため、需要が底堅い住宅向けへの転換を進め、事業の立て直しを急ぐ。

 新ラインで量産するのは、メガソーラー用より効率よく発電でき、住宅向けで主流となっているパネル。発電効率を高めた製品を商品化するという。

 太陽光パネルを含むエネルギー関連事業はシャープの中核事業の一つで、同事業の営業利益(本業のもうけ)は、2014年3月期の324億円から、15年3月期には50億円の赤字になる見通しだ。経営悪化の要因となっており、撤退するとの観測も出ていたが、住宅用に力を入れることで、事業の継続を目指す。

 シャープは太陽光パネルの国内市場で長年、シェア(占有率)首位だった。しかし、最近は住宅向けに注力するパナソニックに追い抜かれたとみられている。
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