米連邦準備理事会(FRB)は28日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、事実上のゼロ金利政策を維持し、利上げを見送った。声明では、雇用環境が弱含んでいると認めたが「次回会合での利上げが適切か、進展を見極める」と盛り込み、12月の利上げを選択肢とした。不安定な世界経済と金融環境を引き続き注視する姿勢も示した。
FOMCでは、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.0~0.25%とする現在のゼロ金利政策を、9対1の賛成多数で維持することを決めた。
市場にとって今回の据え置きは想定内だが、約9年ぶりの利上げにいつ踏み切るかが焦点となっている。声明では先行きの金融政策について、これまでの「ゼロ金利をどれだけ維持するか」との文言から「次回会合で利上げするかどうか、雇用と物価を見極める」とする表現に変えた。利上げを来年に先送りするとの市場の観測をけん制し、12月に利上げする可能性があることを示唆した。
米経済については「緩やかな拡大が続いている」との見方を維持した。焦点の雇用は「就業者数の増加が鈍化している」と指摘した。非農業部門の就業者増加数が、2カ月続けて目安の20万人を大きく下回ったためだ。ただ失業率は低下しており「労働市場がさらにいくらか改善すれば、利上げが適切だ」と改めて強調した。
9月の前回会合は、世界同時株安の影響で一時は有力視された利上げを見送った。中国など新興国経済は引き続き弱含んでおり、今回の声明でも「世界経済と金融環境を注視していく」と指摘した。ただ「米経済を幾分抑制しそうだ」とした前回会合後の文言は削除し、市場ににじむ先行き不安を和らげた。
家計部門は「個人消費が堅調に増え続けている」とし、住宅部門もさらに改善したと指摘した。イエレン議長らは自動車などの高額消費が伸びていることに注目しており、家計部門が支えて米経済の回復が続くとみている。企業部門は設備投資の拡大は続いているものの、新興国経済の減速もあり「輸出は弱含んでいる」とした。
FOMCは年8回開かれるが、今回の会合ではイエレン氏の記者会見を予定していなかった。市場は、記者会見がある12月の次回会合では利上げに踏み切る可能性もあるとみる。判断材料として来月初旬に発表する10月の米雇用統計などが注目を集めそうだ。ただ、中国がもう一段の金融緩和に踏み切り、欧州中央銀行(ECB)も追加緩和を示唆している。米利上げ観測でドル高が進めば米景気を下押ししかねず、FRBは引き続き難しい判断を迫られそうだ。
FOMCでは、短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.0~0.25%とする現在のゼロ金利政策を、9対1の賛成多数で維持することを決めた。
市場にとって今回の据え置きは想定内だが、約9年ぶりの利上げにいつ踏み切るかが焦点となっている。声明では先行きの金融政策について、これまでの「ゼロ金利をどれだけ維持するか」との文言から「次回会合で利上げするかどうか、雇用と物価を見極める」とする表現に変えた。利上げを来年に先送りするとの市場の観測をけん制し、12月に利上げする可能性があることを示唆した。
米経済については「緩やかな拡大が続いている」との見方を維持した。焦点の雇用は「就業者数の増加が鈍化している」と指摘した。非農業部門の就業者増加数が、2カ月続けて目安の20万人を大きく下回ったためだ。ただ失業率は低下しており「労働市場がさらにいくらか改善すれば、利上げが適切だ」と改めて強調した。
9月の前回会合は、世界同時株安の影響で一時は有力視された利上げを見送った。中国など新興国経済は引き続き弱含んでおり、今回の声明でも「世界経済と金融環境を注視していく」と指摘した。ただ「米経済を幾分抑制しそうだ」とした前回会合後の文言は削除し、市場ににじむ先行き不安を和らげた。
家計部門は「個人消費が堅調に増え続けている」とし、住宅部門もさらに改善したと指摘した。イエレン議長らは自動車などの高額消費が伸びていることに注目しており、家計部門が支えて米経済の回復が続くとみている。企業部門は設備投資の拡大は続いているものの、新興国経済の減速もあり「輸出は弱含んでいる」とした。
FOMCは年8回開かれるが、今回の会合ではイエレン氏の記者会見を予定していなかった。市場は、記者会見がある12月の次回会合では利上げに踏み切る可能性もあるとみる。判断材料として来月初旬に発表する10月の米雇用統計などが注目を集めそうだ。ただ、中国がもう一段の金融緩和に踏み切り、欧州中央銀行(ECB)も追加緩和を示唆している。米利上げ観測でドル高が進めば米景気を下押ししかねず、FRBは引き続き難しい判断を迫られそうだ。