お金持ちが増えています。民間シンクタンクの調査では、資産が1億円以上の富裕層はこの10年以上、右肩上がりで、いまでは150万世帯に迫る勢いです。いったいどんな人たちがお金持ちになっているのでしょうか。
お金持ちが増えています。民間シンクタンクの調査では、資産が1億円以上の富裕層はこの10年以上、右肩上がりで、いまでは150万世帯に迫る勢いです。いったいどんな人たちがお金持ちになっているのでしょうか。
貧乏体質の三大原則は、「罪悪感」「争うこと」「我慢をすること」――。
この3つに加え、さらに輪をかけた貧乏体質の持ち主がいるのだといいます。それが、「超貧乏体質」。いったい何が違うのでしょうか。心理カウンセラーの石原加受子さんにレクチャーしていただきました。
「超貧乏体質に共通しているのは、自己評価が低く、否定的な思考をしがちなこと。罪悪感の強さと自己評価の低さが混ざり合って“私は幸せになってはいけない。どうせ幸せになれない”と考えてしまうのです」(石原さん)
例えば、衝動買いがやめられず、借金を重ねてしまう人もこれに当たります。
「店の人からちやほやされることで、“認められた”“愛された”と錯覚してしまうのです」
しかし、寂しさや不安が解消されるのもつかの間。その後は、「私って何て意志が弱いのだろう」と自分の愚かさを責めて自己嫌悪。
自己評価はますます下がり、無意識に「私は幸せになる資格がない、お金持ちになる資格がない」と思い込んで自分を愛することができなくなってしまいます。
人から親切にしてもらったとき「ありがとう」よりも「すみません」が先に出る人も、超貧乏体質の要素アリ。
「人から恩を受けたり、お金を借りたときに、それに見合うものを返せる能力がないと自分を低く見積もっているため、つい“すみません”と言ってしまうのです。卑屈な気持ちの表れともいえるでしょう。お金からも、自分からも目を逸らしているからチャンスもめぐってこないのです」
さらに、貸したお金を「返して」と言えない人も危険信号です。お金を請求することは、自分を愛する行為であり、財運指数をアップさせます。お金を貸したらきちんと返してもらうことで、あなたの善意は完了するのです。
いつも不平不満でいっぱい。置かれた状況に文句を言ってばかりで、周りに感謝できない否定的な思考の持ち主。
できれば近寄りたくない人物ですが、こういう人は当然お金からも愛されません。その理由を石原さんはこう話します。
「マイナス思考に支配されていると、収入が増えません。たとえ良いアイデアが浮かんでも、否定的な思考からあれこれと悩み始め、お金を生むような行動に移せない。いろんな悩みに翻弄され、収入を得るための行動に集中することができないのです」
発する言葉も少しずつ変えていくことが大切。
例えば「ここを辞めたらもう自分を雇ってくれるところはない」とか「どうせまたダメだろう」など、自分の価値を下げるような言葉ばかりを発していると、“私は価値のない人間”と自分自身にインプットし続けているようなものです。
物事を頭から否定してばかりいると、視野も狭まり、頭も固くなります。そうした状況では、なかなかアイデアも浮かびません。
マイナス思考や否定がすべて悪いわけではありませんが、それをどうプラスに転じるかを考える視点を持つことが大切。やるべき目標に集中することで、お金を稼ぐ力がついていくでしょう。
貧乏体質・超貧乏体質を脱するためには、自分の心のスイッチを切り替える必要があります。
そのための「魔法の言葉」を石原さんが伝授! 声に出して体に響かせながら唱えることで、願いをかなえる意識状態を作り出すといいます。毎日の習慣にぜひトライしてみましょう。
・私はお金持ちになる価値のある人間だ
・自分を愛する人はお金に愛される
・私が豊富な資産を得るのに罪悪感はいらない
・私が潤沢な財産を所有するかどうかは私に決定権がある
・私が「自分を優先」できれば、比例してどんどん財力もアップする
教えてくれたのは……石原 加受子(いしはら かずこ)さん
心理カウンセラー。「自分中心心理学」を提唱する心理相談研究所「オールイズワン」代表。心理学校メンタルヘルス学会会員、厚生労働省認定「健康生きがいづくり」アドバイザー。独自の心理学で性格や対人関係、親子関係などの改善を目指すセミナー、カウンセリングを28年以上続け、老若男女にアドバイスを行う。『誰にも言えない「さみしさ」がすっきり消える本』などのベストセラーも。
取材・文:西尾英子
お金持ちには共通の行動パターンがあります。豊かな人は同じように豊かな考えを持っているからです。豊かな考えは貴重な言葉で語られます。だから言葉は大事です。言葉は思考を作り、人格を作り、資産を作ります。
逆に言えば、お金に恵まれない人には、そうなってしまっている思考を象徴する言葉使いがあります。たとえば、次のような口ぐせです。
うまくいかない人は、以下のような言葉をよく口にしています。
▼「お金さえあれば」お金さえあれば、大学に行けた、資格が取れた、恋人ができた、やりたいことができた……。自分はイケているのにお金がないばっかりに今の不遇があるという貧困発想です。
▼「親のせいで」親のせいで、成績が悪い、性格が悪い、健康でない、貧乏でいる、コネがない……。親は選べないので、自分の人生の苦戦は生まれる前から決まっていたという運命論です。
▼「生活にはお金がかかるから」人並みの家賃、普通の自動車、そこそこの教育、当たり前のぜいたく。そんな生活のために自分の出費を固定化してしまいます。お金がないと幸せになれないという拝金主義です。
▼「こんな世の中じゃあ」政治が悪い、財界もだらしない、こんな世の中じゃ自分の投資が冴えないのも仕方ない。すべての理由を外部に押し付けて、自分を被害者に仕立て上げる被害妄想です。
▼「お金なんて」お金なんてあればあっただけ使ってしまう、お金持ちなんかになりたくない、清く貧しく生きることこそ美しい。拝金とは反対に、お金に背を向ける「お金=目の敵」思考です。
もしこんな言葉使いをしていたら、お金に運のない人生を送ってしまうかもしれません。
なぜなら、こんな言葉からは前向きに生きていくエネルギーが生まれないからです。エネルギーがなければ、投資をしても仕事をしても家庭生活も、どれもきっとうまくいきません。
私が知っているお金持ちたちは、次のような思考をして、エネルギーを高める習慣を持っています。
・お金に恵まれる人たちは、お金を目的にしません。お金は生き方を実現するための手段と心得ています。だれの富も最初はゼロから始まりました。
・どんな親であれ、どんな故郷であれ、自分の生い立ちに感謝をしています。もちろん、自分が生まれてきたことにも感謝をしています。
・お金持ちの生活は意外と質素です。収入に見合った生活をする、せり上がった生活レベルをいつでも落とすことができるなど、意外と物欲がないものです。
・心豊かに生きている人はすべてを必然と理解しています。こうなっているのには意味がある、そこから自分の使命が生まれ、自分の人生のストーリーが描かれると考えます。
・お金は目的ではなく手段ですが、価値を計るメディアとして重要なものです。感謝の象徴でもあるので、たくさんある方が意義深いと思っています。
いかがでしたか? お金と言葉遣いがテーマでした。
投資と関係ないように思われるかもしれませんが、お金に苦労しない体質を身につけることが、どんな投資テクニックよりも確実な資産運用のノウハウなのです。
豊かになるのは次の順番です。
言葉>行動>習慣>人格>資産
明日から、ご自身の言葉に注意をしてみましょう。
文:北川 邦弘(ファイナンシャルプランナー)
総合商社、不動産会社等を経て、自分の投資体験から欧米流の資産形成術を学び、2002年にCFP・CPM資格を取得。現在は独立系ファイナンシャル・アドバイザー、NLPプラクテイショナー等の人生戦略コーチとして活躍。