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「ホストに1000万円、取られました」ホストクラブで“預かり金”と称した札束が…被害にあった26歳女性が語る、“資金調達”の日々と悪質ホストの手口

2024年05月13日 07時06分38秒 | ニュース

 歌舞伎町のホストクラブは、昨年まで、「売掛」(後払い)によって女性を騙し陥れ、結果的に多くの女性たちが性風俗産業で働かざるを得ない状況をつくってきた。しかし、昨年12月5日、歌舞伎町のホストクラブオーナーたちによる業界団体が売掛を自主規制で段階的に減らし、今年4月から売掛を全廃すると宣言した。

 その結果、今年に入ってからは、売掛に代わって「前入金」(先払い)システムが使われている。「売掛」と「前入金」の違いは、後で借金をさせるか、先に借金をさせるかだけだ。

「ホストに1000万円、取られました」

 昨年7月より、悪質ホストの被害に遭う親や女性の相談に乗っている一般社団法人「青母連」の代表・玄秀盛さんはこう指摘する。

「悪質ホスト産業は女性を食い物にしています。ホストクラブのオーナーたちがつくった歌舞伎町の業界団体は、4月から『売掛0(ゼロ)』にすると宣言しました。

 しかしホストは、虎視眈々と新たな女性を狙っています。全国にあるホストクラブはいまだ高額売掛しているし、今年に入ってからは個人間貸借や前入金、クレ・サラの多重債務を負わせる新たな被害相談が増えています。大学や行政に対して女性が“餌食”にならないように注意喚起をお願いしています」

 また最近では、「前入金」と女性に認知させずに、まずは個人間貸借を装い、女性からお金を巻き上げてからホストクラブの飲食代で相殺させる例が出ている。青母連の相談件数は、設立からの9か月で450件を超えている。青母連にも、その被害にあった相談者がいる。

「ホストに1000万円、取られました」

 茨城県在住の女性Kさん(26)は、か細い声で怒りをこめて言った。

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一般社団法人青母連代表の玄秀盛さん(4月 青母連事務所)© 文春オンライン

ホストからの被害に遭った女性

 「2年前、転職を機に実家を離れて一人暮らしを始めました。医療系の仕事に就きました。昨年10月ごろから、マッチングアプリで友達を探していたんです。11月下旬に男性Aから連絡が来て、最初はアプリ内でやりとりして、LINEを教えました。そのとき、『ホストだ』と一言も言われていません」(Kさん)

 Kさん自身、多少の警戒感もあったが、好奇心が勝って男性と会ってみることにしたという。12月初めには、AがKさんの住む茨城まで迎えにきてドライブへ行く仲になった。ドライブデートの後、一緒に夕食をとったお店で「Kちゃん 一生幸せにします」とデコレーションされたケーキが出され、告白されて付き合うことになった。

「後日、Aから、『500円ぐらいで個人情報見られるやつあるからやってよ』と言われました。CICのホームページでした。ゲーム感覚みたいな誘われ方だったし、CICのこともよく知りませんでした」(Kさん)

「今から思えば、これから起こる被害のはじまりでした」

 CICとは、割賦販売法および貸金業法に基づく指定信用情報機関で、CICホームページで本人の契約内容や支払い状況等の信用情報を確認できる。「今から思えば、これから起こる被害のはじまりでした」とKさんは言う。

 2日後、KさんがAの家へ遊びに行くとこう言ってきた。

「1月からホストをやることになった。友達がホストクラブを出すから、ある社長から1億円を出資してもらった。友達と売上を上げて返さなきゃいけない。Kを幸せにできないから別れてほしい」

 Kさんが「別れない方法はないの?」と問うと、Aはこう言った。

「お金を借りて店で使ってほしい。風俗はしてほしくないから、お金を用意してほしい。途中まで返してくれたら残りは自分が払う」

「彼と約束した将来を考えて、お金を借りることを決意しました」とKさんは振り返る。そして、Aは続けざまにこう言ってきた。

「お金の借り方を教えてくれる知り合いのBがいるから紹介するよ」

資金調達のためにBが電話で指示してきたこと

 そして翌日、AがKさんにLINEで個人情報を送るように連絡を入れてきた。

「『氏名』『住所』などの項目が箇条書きになっているテキストメッセージに、個人情報を入れて返信しました。親の情報も。身分証は画像で送りました。他に『用意したほうが良いものある?』とAに聞くと『源泉徴収票かな』との答えが返ってきました。

 その数時間後には、Bから、LINEで連絡が入りました。『資金調達の件でお繋ぎ頂きました、Bと申します! 宜しくお願い致します』と。次の連絡手段は、電話を要求してきたので、翌日にリスケしました」(Kさん)

 Bと電話することをAに伝えると、電話中は一緒にいてあげると話したという。

 

「『Bと電話するのは不安だと思うから、一緒にいるよ』とAは言ってきました。結局は来なかったですけど」(Kさん)

 Bが電話で指示してきたことは、

・Googleアカウントをつくり共有すること

・テレグラムのアプリをインストールして、今後の連絡はテレグラムですること

 の2つだった。

「600万から800万円調達できると言われた」

 KさんはBとテレグラムでやりとりを始める。

「このとき、はじめて借入できる金額を聞きました。600万から800万円調達できると言われました」(Kさん)

 それから10日間ほどの“資金調達”の日々が始まる。

「まずは、Bが4つの銀行のホームページにある融資申し込みページから申し込みをはじめました。Bから『もし融資目的確認の電話がかかってきたら、車の売買目的と言うように』と指示がありました。

 申請された内、1社は窓口に呼ばれてダメだったけど3社は通りました。各200万ずつでした。申請は、Bがすべて一人で申し込みました。私は、ただただ審査進捗確認メールを見ているという感じでした。一通り申請が終わるとBからテレグラムで『今回借りたのに使ったのはこちらです』と偽造された源泉徴収票が送られてきたんです」(Kさん)

1月のホストクラブオープンの日

「1月に入るとBから、『追加で500万円調達できます』と言われました。Aに相談すると『いくらだった?』と言われ、私が金額を言うとAは『考えておくわ』と。

 さすがに額が額なので、不安でしたが、彼の『途中まで返してくれたら、残りは自分が払うよ』という言葉を信じていました。でも『もう借りるのは限界だから、あなたが好きでいてくれるなら追加はなしでいい?』とLINEすると『追加で500万ならお願いしたい。300万なら借りなくていい。借りてくれたら助かる』という返事でした」(Kさん)

 結局Kさんは、Bに追加の借り入れをお願いする。するとBから、消費者金融とカードローン会社の一覧表が送られてきた。Kさんは、Aに「Bさんに借り入れをお願いしたよ」とLINE報告すると「ありがとう」と返信がきた。

 消費者金融にも銀行と同じように3社にBが申請をした。カードローン3社はKさん自身が申請した。即日、消費者金融で400万円とカードローンで150万円の借り入れが可能になった。

「指名が被っている太客がいると思わせたい」

 消費金融の申請が終わった翌々日、自宅の最寄駅前にあるC銀行の窓口で200万円、D銀行のATMで200万円をおろす。

「C銀行とD銀行の時は、Aも一緒に来ました。入口の外で待っていました。その場ですべての現金を受け取るとAは『仕事があるから』とすぐ帰りました。カードローンの150万円は『毎日少しずつおろしておいて』と言われました。

 翌日、Aから電話がきました。

「俺を指名している客に対して、指名が被っている太客がいると思わせたい。来週25日に店に来て“預かり金”を使ってほしいと言ってきました」(Kさん)

 そして、KさんはAのためにまた消費者金融でお金を借り入れした。

「25日までの数日間は追加で借り入れした消費者金融ATMを回るはめになりました。新宿・歌舞伎町のATMで、500万円を引き出しました。Aも一緒でした。Bからは1日ですべてを引き出すように指示がありました。引き出してはAに渡すことを繰り返しました」(Kさん)

ホストクラブで“預かり金”と称した札束が…

「そして、約束通り25日にホストクラブへ行きました。何も注文していないのに、ホストがスタッフに『持ってきて』と言って出てきたのが、“預かり金”と称した札束が入ったインペリアルでした。意味がわかりませんでした。インペリアルの値段もわかりません。ただし、その日、クレカで53万円を切られました」(Kさん)

 個人間貸借を装って、“預かり金”と称してホストに回収され、ホストクラブでの飲食代やボトル代に充てられる。Kさんも約1000万円を飲食代で相殺された被害者である。これが最近の悪質ホストの手口だ。

 その日を境にAの態度は急変したという。Kさんが連絡してもはぐらかされ、返信が遅くなった。Kさんは、後日、直接店へいって問い詰めた。

 

「『スカウト紹介するよ。お金ないなら、風俗どうかな?』と言ってきました」(Kさん)

 Kさんは、LINEでも問い詰め続けた。

「『人生の責任とるとか言って逃げるようなことしないよね、人として』と言っても、何度電話しても出てくれませんでした。LINEが乗っ取られたとか言って、テレグラムに連絡してほしいなど、逃げ続けられました」(Kさん)

ホストのマインドコントールから抜けたきっかけ

 Kさんは、「性風俗に行くことが、どうしても踏みきれなかった」と言う。しかし、この拒否が、ホストのマインドコントロールから抜ける早道でもあった。Kさんは、返済を考えると昼間の仕事では追いつかず、コンカフェで働いた。毎日届く支払い督促状や催促の電話でメンタルを壊した。

 ホストクラブに通っている間は、ずっと連絡を絶っていた母親に連絡した。全てを打ち明けて2日後に母と会った。母親がメディアに出ていた青母連へその日に連れていった。今、Kさんは、青母連の弁護士に相談している。現状では、彼女自身も法律に抵触している。しかし今回の件を「告発したいから」と被害届を出すことを視野にいれている。

 青母連の事務局長の田中さんは、

「Kさんの被害は、悪質ホストとスカウトの組織的な詐欺とみています。Kさんが特殊なケースに遭ったのではなく、最近ではホストに貢ぐために出し子になったというケースも聞きます。女性からお金を取れるだけ取ろうとしているだけにしかみえません。犯罪に加担させられるので、いざホスト通いから抜けたとき、共犯ということで罪になってしまう。女性が声を上げづらい状況です」

 と言う。

 青母連の事務所には、行方不明になった娘を探してほしいという親が全国から来るという。この状況を生み出しているホスト産業とは接客業としていかがなものか。

 

(田中 七郎太)

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マイナ保険証“洗脳計画”GWに政府ゴリ押し 厚労相「利用率にかかわらず廃止」発言は大炎上

2024年04月21日 08時59分05秒 | ニュース
河野デジタル相(C)日刊ゲンダイ© 日刊ゲンダイDIGITAL

民意無視のゴリ押し発言が大炎上だ。武見敬三厚労相が18日の参院厚労委員会で「利用率にかかわらず、12月に現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化する」との考えを表明。この答弁を野党議員らがSNSで紹介すると、瞬く間に拡散され、〈国民の声を聞こうとしない〉〈なぜ使われないか、本気で考え直したほうがいい〉など批判の声が広がっている。

そりゃそうだ。3月のマイナ保険証の利用率は5.47%。トラブル続きで、昨年4月の6.3%を一度も超えられないまま。利用率低迷の理由は単純で、国民が必要性を感じていないからだ。無用の長物を四の五の言うなと押し付けるなんて「この国は独裁国なのか」と言いたくなるが、やり口までかの国に似てきた。

政府は5月から7月までの3カ月間を「マイナ保険証利用促進集中取組月間」と位置づけ、厚労省・デジタル庁の広報予算と政府広報予算を総動員。テレビCMやデジタル広告をジャンジャン流し、利用を呼びかける。マイナ保険証の「国民大洗脳計画」である。

「昨年度の補正予算で組んだ『マイナ保険証の周知広報とコールセンター設置』の事業費41億円を使い、若者・高齢者とターゲット別にCMを制作。4月25日の『日本健康会議』のイベントでマイナ保険証利用促進宣言を行い、CMを初披露する予定です」(厚労省保険局医療介護連携政策課)

CMには俳優の内藤剛志、タレントの王林、芸人のなかやまきんに君を起用。恐らくGWには、やたらと目にすることになりそうだが、今から人気者3人にミソをつけないかと心配になる。それだけ国民のマイナ保険証への不信感は根深い。

■湯水のごとく税金を使っても「死に金」に

また、厚労省は集中取組月間中にマイナ保険証の利用者数を増やした診療所には最大で10万円、病院には最大で20万円の一時金を用意する。

昨年度の補正予算で計上した「医療機関への利用促進支援」事業費217億円を利用するロコツなニンジン作戦である。

「マイナ保険証が真に国民の利便性を高める制度なら税金を使わずとも、利用率は自然と増えるはず。現状9割以上の国民が『不要』と感じているのに、ムリに押し付けようと湯水のごとく税金を使ってもムダ。完全な死に金となり、国民生活には一銭の足しにもなりません。国民の利便性よりも政権のメンツを優先させているだけ。カネの力で異論を押し潰すのは、まさに独裁政権さながらです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

マイナ洗脳計画に支配されるほど、日本の民意は廃れていないと信じたい。

マイナ保険証普及のため「密告」奨励文書

河野太郎デジタル相が自民党所属の国会議員に対し、マイナ保険証での受け付けができない医療機関について国のマイナンバー総合窓口に連絡するよう支援者に呼びかけることを、文書で求めたことがわかった。

文書は「デジタル大臣 河野太郎」名義で、19日までに自民党所属議員に配布された。「連絡」を受けて「厚労省から必要に応じて、事実確認をさせていただく」とも書かれていた。

自民党支持者を使って医療機関のマイナ保険証への対応状況を密告させ、国から「事実確認」という圧力をかけようというわけだ。マイナ保険証の今年3月時点の利用率は、たったの5.47%。ここまで不人気なものを国民に押し付けるために、日本を密告・監視社会にしたいのか?

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日本人83万人減、過去最大 総人口は13年連続マイナス

2024年04月13日 06時43分25秒 | ニュース

 総務省が12日公表した2023年10月1日時点の人口推計によると、外国人を含む総人口は1億2435万2千人で、前年同月に比べ59万5千人減少した。マイナスは13年連続。日本人は83万7千人減の1億2119万3千人で、比較可能な1950年以降で過去最大の落ち込みだった。高齢化も進み、働き手の確保が重い課題だ。

 総人口の年齢別で、後期高齢者となる75歳以上は、団塊の世代が22年から加わり始めたことで71万3千人増の2007万8千人となり、初めて2千万人を超えた。将来を担う0〜14歳は32万9千人減の1417万3千人で、全体に占める割合は11.4%で過去最低を更新した。

 主要な働き手となる15〜64歳は25万6千人減の7395万2千人。割合は59.5%で、過去最低だった前年から0.1ポイント上昇した。65歳以上は9千人減で、高齢化が進んだことによる多死社会を背景に初のマイナスだが、割合は29.1%で過去最高。総務省担当者は「急激な少子化の影響が大きい」と分析した。

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「親まで丸裸にする」”悪徳ホストクラブ”の元ホストが語る「女の子をハメ込む」“組織的犯罪手法”

2023年12月07日 07時07分30秒 | ニュース

 近年、売り掛け(代金を後で受け取るシステムのこと)によって多額の借金を背負わせ、女性に売春をさせるケースが急増し社会問題となっている。一方で、自らホストクラブに行っているので自業自得という声もある。そんな中、若い女性をホストにハメる組織的な手口の実態が分かってきた。

相次ぐホストトラブルについて岸田文雄首相が、

「政府としても関係省庁がいっそう緊密に連携し対策をしっかり行って参ります」

と宣言。しかし、ホストにハマった女性客(いわゆる“ホス狂”)からは、「放っておいてほしい」「売り掛けをして担当を推したい」という声も聞こえてくる。ホス狂自身が救済を求めていないことも、問題の根深さの一因だ。その原因は、

「彼女たちは自分がホストにハメられていると感じていない。『推しのホストのためなら、落ちるところまで落ちてもいい』とまで話す女の子もいます。つまり、洗脳されてしまっているわけです」(ホスト問題の取材を続ける記者)

そもそも、なぜ女性たちはホストにハマっていくのか。歌舞伎町の事情通は、

「ターゲットは18歳から20代前半の女の子。個人でやっているホストもいるが、ホストにハメて売春させるように組織的にやっている店もある」

と話す。昨年の法改正により成人年齢が、20歳から18歳に引き下げられたことで若い女性の被害が急増。いわゆる”悪徳ホストクラブ”で働いていたという元ホストは、

「狙うのは若くて、風俗で稼げそうな子。女の子に飛ばれたらどうしようもないから、『友達を連れてきてくれたら今月の売り掛けは払わなくていい』と言って、別の子を紹介させるように指示します。そうやって芋蔓式に、より稼げそうな子を探すのです」

と話した。いわば女性に売春させることを目的とし、女性同士でネットワーク化させているという。さらに女性をホストにハメ込むマニュアルもあり、ホス狂に仕上げると、

「知り合いのオーナーの風俗店に紹介したり、海外の売春クラブで働いてもらうことで回収できる」(前出・元ホスト)

と、システム化もされている。事実、大久保公園周辺には、売春の客待ちをする若い女性の姿が目立つ。

「相場は30分1万5000円から。若い子が増えて、新しい子がくると客同士で奪い合いになる。客とトラブルになったら、こちらが出ていくこともある。解決にはお金が必要になってくるが仕方がありません」(前出・元ホスト)

あらゆる手を使って女性からお金を搾取している状態だ。前出の歌舞伎町事情通は、このように話す。

「女性はホストのために売り掛けを作って風俗で働き続ける。本人は彼氏のためと思っているから訴えない。親は娘になんとか風俗を辞めてもらいたいと思って金を払う。払わない親には、実家に黒塗りのベンツで乗り付けてホストたちが取り立てをします。娘の現状を周りにバラすと言って脅すこともあります。

 

そうすれば、ほぼ100パーセントの確率で親は支払わざるを得なくなるそうです。警察に駆け込む親はほとんどいないと。それで両親は破産しても、娘はホスト通いを辞めない。女性を洗脳し、女性の親まで丸裸にして破産に追い込む点においては宗教問題と一緒だし、悪徳経営者はそういった世界のことまで研究しているのです」

先月末には警察庁の露木康浩長官が歌舞伎町を視察し、

「法と証拠に基づいて、引き続き取り締まりを強化していく」

と述べていた。警察庁トップによる異例の視察の背景には、

「悪質ホストの背後にトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)が存在している可能性があると睨んでいるようです」(全国紙記者)

5日には新宿区役所で行われた会合にホストクラブなどを運営する13グループの代表が出席。来年4月から売掛金を廃止することを表明した。”浄化”が進むことを期待したい。

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「私はここで死ぬ」イタリア人男性自殺・・・ 外国人ホームレス“急増”「生きられない」仮放免の実態【報道特集】

2023年03月11日 08時10分29秒 | ニュース

2022年、あるイタリア人の男性が東京入管の収容施設で自ら命を絶ちました。その男性は収容前、ホームレスとして暮らしていました。男性の死後、記者は男性が生前、動画投稿サイトに残していた複数の動画をもとに取材を始めました。今、ホームレスになる外国人が急増しているといいます。背景に一体何があるのでしょうか?

「助けて」「お金を送って」イタリア人男性 なぜ河川敷に?

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ルカさん
「こんにちは。東京福生市です。ホームレスになって、2年と2週間…」

Tシャツ姿でカメラに語りかける男性。イタリア人のルカさん(56)だ。

雪が降る中、多摩川の河川敷で、境遇を嘆く動画も…

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ルカさん
「5メートル四方のビニールシートの上で寝ています…」

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携帯は支援を受けるための命綱。ルカさんは、生活の様子を撮影し、「助けて」「お金を送ってほしい」という言葉とともに、動画投稿サイトに載せていた。

近隣住民 
「(この方みたことある?)そこの橋の下にいた。2年くらいいたんじゃないかな」

ランニングで通う男性
「段ボールとかあって、なんとなく生活している人がいるのかなって」

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ルカさんは、イタリア中部・ペルージャ出身のグラフィック・デザイナーだった。

イタリアにいる27年来の友人だという女性が取材に応じた。

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アナリザ・ロジィ・カッペラーニさん
「ルカはイタリアでグラフィックデザイナーをしていました。会社や店舗のロゴを作ったり、看板を作ったり、そういう仕事をしていました。また、優秀なカメラマンでもありました。冗談をよく言う人で、同時に深い話もできるような友人でした」

ルカさんは、アジアでの生活に憧れ、2005年、日本に渡ったという。来日後、日本での生活を楽しそうに話していた。

カッペラーニさん
「彼は日本に行ってから、いくつか、写真の賞をとったこともありました。ときどき電話があり、日本での暮らしについて語ってくれました。結婚をしたという話もしてくれました」

2008年、日本人の女性と結婚し、福生市内のアパートで暮らしはじめたルカさん。ところが10年ほど経った2018年、心療内科を受診することになる。

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ルカさんがネットに載せた診断書には、「妄想性パーソナリティ障害の疑い」と書かれていた。診察した医師はイタリア語に堪能で、イタリア大使館に頼まれ彼を診たという。

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医師
「こぎれいで立派な紳士。(話してみると)執着、ある一つのことになると、とうとうと持論を述べられる。その根拠が間違っているので、妄想とかに基づいて、猜疑などがひどくなっている状態。英語とイタリア語だけで日本で十数年暮らす中で、コミュニケーションの問題とか、そういうところの 色々な矛盾が積み重なり、日本で生活が成り立たない状態だったんじゃないか」

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医師が6時間にわたって話を聞くと、ルカさんは「イタリアに身寄りもなく帰れない」と話した。また「自分は亡命してきた」と口にするなど、様々な妄想があることが分かった。

医師は治療を勧めたが、ルカさんが再び訪れることはなかった。近所の人によると、この頃から、妻の姿もアパートから見えなくなったという。そして、2020年頃、ルカさんは在留資格を失ったという。

「家を失う人が本当に増えた」外国人ホームレス“急増”の背景

そして、ルカさんは一時的に収容を解かれる「仮放免」という措置の対象になった。

コロナ禍以降、収容施設での密を防ぐため、この「仮放免」制度が積極的に運用されるようになっていた。

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コロナ前に2500人ほどだった仮放免者の数は、2021年度末時点で4174人にのぼった。しかし、たとえ「仮放免」となり外に出ても、自由とは程遠い暮らしが待っている。

日本からの退去を求められているという立場は変わらないため、働くことは一切禁止。その上、生活保護を受けることもできない。

ルカさんは、ホームレスになった。古くからの知人には、そのことを明かさなかったという。

カッペラーニさん
「最後に話したのは、去年の7月4日。私の誕生日に、彼から電話がかかってきました。特に問題を抱えているとも言わず、『誕生日おめでとう』という短い会話だけ。ホームレスだったことは一切知らなかったので、とてもつらく思っています」

実は今、ホームレスになる外国人が急増しているという。

生活困窮者を支援している大澤優真さん。仕事をすることが許されない「仮放免」の人が急激に増え、支援する側にも限界が来ているという。

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つくろい東京ファンド 大澤さん
「家を失う人が本当に増えたんですよね。本国の親族から送金してもらったり、(外国籍の)コミュニティの中で支え合って、なんとかやってきた。でもコロナになってから、それができなくなった。外国籍の人(コミュニティ)自身も困窮化して、支えきれなくなったり」

「生きられない」仮放免の実態 支援する側にも限界が・・・

大澤さんはコロナ禍以降、仮放免者ら100世帯ほどに住居の提供や食料支援をしてきたが、追い付かないという。

大澤さん
「私も帰国支援をしています、帰りたい人には。ただ、帰れない人がいる。難民だったり、日本生まれ日本育ちのお子さんだったり。そういう現実を直視して、できることを考えないといけない」

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チリ出身のクラウディオ・ペニャさん(62)。3年前から仮放免の状態だ。

国際的な料理コンテストで優勝経験を持つ一流の料理人で、27年前、技能ビザで来日し、チリ料理のレストランなどで働いてきた。

ペニャさん
「その時、お店はすごく混んでいた。『クラウディオ〇〇作って!〇〇作って!』と。楽しかった、楽しかった。本当に楽しかった」

すべてが一変したのは、2011年。東日本大震災をきっかけに、保証人が突然、日本を出て、行方をくらましてしまう。

震災後の混乱の中、ペニャさんは新しい保証人を見つけることができず、在留資格を失い入管施設に収容された。

これはペニャさんが収容中に書いた絵だ。

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左は「日本に来たばかりの自分」。料理人として自信に満ち溢れていた頃だ。そして右は施設に収容され、痩せ細った自分の姿…

ペニャさん
「これは入管の中の僕のイメージ。心痛い…」

10人部屋に割り当てられ、トイレすら職員に監視される環境に、自尊心は打ち砕かれた。終わりの見えない収容生活に耐えかね、自殺を図る収容者も見てきた。

計4年半にわたる長期収容で心をむしばまれたというペニャさんだが、2020年5月、ようやく「仮放免」になった。しかし、施設の外に出ても、働くことが禁止されているため、住む場所も、食べるものも、寄付に頼らざるを得ない。

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ペニャさん
「家賃や携帯代などはボランティアさんや教会が支援してくれる。それが恥ずかしい。僕はプロのコックさんで仕事ができる。自分のお金を作りたい。僕は自分で何もできない。モノみたい。人じゃない。人間じゃない」

それでもペニャさんには、チリに帰れない事情がある。1973年、チリで軍事クーデターが勃発。ペニャさんの父親は軍部の左派狩りに協力させられた。その後、軍事政権が崩壊。父親は、軍の虐殺行為を証言した。すると軍に近い勢力から「裏切者」とされた。

ペニャさん自身もかつてテログループに捕まり、拷問を受けた。

ペニャさん
「帰れない、危ない。本当危ない」

一家は、今も命を狙われているという。

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ペニャさんは難民申請をしているが、日本で認定されるのは申請者のたった0.7%。難民認定率が60%を超えるイギリスやカナダと比べると極端に低く、G7の中でも最下位だ。

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ペニャさん
「パニックになって、すごく泣いたり、寝られなかったり、食べられなかったり、自殺したいと思ったり…。今まで12年間仕事ができませんでした。仕事したい、料理が作りたい…」

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仮放免者に対する日本政府の対応に、国連は去年11月、懸念を表明。彼らが収入を得られるよう、制度を改善すべきと勧告した。

「私はここで死ぬ」イタリア人男性 “最後の言葉”

仮放免となったイタリア人のルカさん。多摩川の河川敷でのホームレス生活を支えていた人物がいた。

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東京・昭島市でホームレス支援を行う、マーセル・ジョンテ牧師。

ルカさんが最初に来たのは2021年11月。毎週欠かさずマーセル牧師のもとを訪れていた。

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マーセル牧師はルカさんにシャワーや食事を提供し、交流を深めていったという。

マーセル牧師
「ルカさんは、人を助けることが好きで、プロジェクターのスクリーンなどを直してくれた。すごい天才、本当に。役に立つことが好きだった」

よく冗談を言って周囲を笑わせ、施設に来るときは明るい表情を見せていたが、精神的に不安定な一面もあったという。

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マーセル牧師
「たまに、すごく良くない状態。鬱っぽいような (Q.なぜ鬱っぽくなっていた?)やっぱり、彼のビザの状況。橋の下に住んでいたことが、すごく嫌だった。一番言っていたことは『元の人生に戻りたい』と」

そんな生活が一年ほど続いた、去年秋のある日のこと…

近所に勤める人
「入管の人だと思うんだけど、5〜6人くらい来たかな。連れてかれちゃって。荷物も一緒に持って行った」

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関係者によると、ルカさんが住処にしていた橋の工事が進み、ルカさんの存在が、入管に報告されたのではないかという。そうしてルカさんは、去年10月25日、東京入管に収容された。マーセル牧師は面会に行った。すると、今も忘れられない言葉を口にしたという。

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マーセル牧師
「彼は、『私はここで死ぬ』と言った。(Q.なぜそんなことを言ったと?) 絶望。希望がなかった。私は彼に『諦めるな』と言った。『もうちょっと』と…」

それが、ルカさんと交わした最後の言葉だった。2週間後の去年11月18日の朝、ルカさんは、収容施設で自ら命を絶った。

マーセル牧師
「すごくショック。信じられなかった。まさか、まさか…。今もショックが残っています」

入管によると、収容時、本人から精神科受診の申し出はなく、必要性もみられなかったため精神科の診療はしていなかったという。

5年前に彼を診察した医師は…

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医師
「入管のドクターが『どこまで医療の介入が必要か』をもっと細かく詳しく見て頂いていれば良かったんじゃないか。あるいは精神科なり心療内科なりの専門家がそこに入って、リエゾンって言うんですけど、色んな科と連携して診ていく…。この方のことを考えると涙が出てくる。孤独だとか、絶望だとか…」

「仮放免のシステムは変わるべき」 寛容な社会目指して

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イタリアのテレビ局の特派員、ピオ・デミリアさん。ルカさんがホームレスをしていることをSNSで知り、たびたび河川敷を訪ねた。ルカさんのことを、イタリア大使館に相談したこともあるという。しかし…

ピオ・デミリア記者
「(彼の)望みは日本にずっといて、永住許可をもらって、ずっと仕事をしたかったんですよ」

「結局、彼はイタリアに戻りたくなかったんですよ。こういう場合、イタリア大使館は、残念ながら何もできないんです。自分の権利だから。本人と、住んでいる国(日本)との関係になる。それで問題がでてきた」

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ルカさんは、イタリアに身寄りはなく、「帰る場所はない」と話していたという。

ピオ記者
「日本という国は、ホームレスや不法滞在の外国人に対しては、残酷だと思います。収容から解かれても、仕事ができない。それは矛盾しています。仕事ができないと、どうするか、犯罪しかおこさないでしょ。(仮放免の)システムは変わるべきです」
「頭のいい人でしたよ。ITエンジニアやデザイナーをしていて。そんな人が、こんなふうに亡くなるのは、納得できないです」

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