お役立ち情報ブログ

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12億円で豊洲を設計 全貌知る「日建設計」は議会で説明を

2016年09月30日 08時59分26秒 | 行政
 小池百合子氏が東京都の知事に就任してから初の都議会が28日、開会する。注目はもちろん、問題続出の「豊洲市場」の真相解明だ。

 都は有識者によるプロジェクトチーム(PT)を立ち上げて「豊洲市場」の検証作業を始めたが、事実経過が明らかにならなければ、責任の追及も難しく、今後の防止策も立てようがない。このため、都議会の共産党や民進党などはPTと並行し、問題の徹底調査に乗り出す方針を示している。

 石原慎太郎元知事や歴代の市場長ら関係者を参考人招致する案が浮上しているが、都の事情聴取に対する関係者の受け答えを見る限り、実現してもはぐらかされるのがオチ。ならば、ガチガチの“張本人”を招致するべきだろう。豊洲市場の基本、実施の両設計を担当した「日建設計」だ。

「豊洲市場かく創れり」。今年6月25日、豊洲市場の設計・施工に関わった業者が一堂に会したシンポジウムが、都内で開かれた。来賓で出席した都の岸本良一市場長の挨拶に続き、設計監理を担当した日建設計のI氏は誇らしげにこう語った。

「豊洲市場をデザインすることは、都市をデザインすること。短冊状の屋根の帯を造り、大きな屋根を単調にしない工夫をした」

 今となっては、ナゾの地下空間に加え、耐震性などの問題も浮上している建物の「デザイン」もヘッタクレもないが、自信満々に設計内容を説明していたのだ。都議会に参考人招致されれば、設計書が変遷された経緯について、昨日のことのように詳述するだろう。

 本来なら、都議会に呼ばれなくても自ら説明に出向くのが筋だが、日建設計は「守秘義務」を理由に、何も明らかにしていない。しかし、過去の都議会の議事録を読むと、同社は都から豊洲市場の基本、実施設計を特命随契で委託され、12億7000万円ものカネを手にしている。巨額の血税が投じられた以上、社会的な責任として積極的に説明する義務はあるはずだ。

 日刊ゲンダイの取材に対し、日建設計は「現時点ではお答えできないが、PTの調査には協力する」(広報担当)と回答。一刻も早くコトの全貌を明らかにするべきだ。


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お金持ちが明かす、お金を引き寄せる人が実践する3つの習慣

2016年09月29日 08時31分24秒 | お役立ち情報
もし、お金持ちだったらどんなことをしたいですか?

お金がほしいならば一生懸命働いたり、もしかしたら宝くじを買って一攫千金を狙うという手段もあるわけですが、いずれにしても自分にお金が集まりやすいようにしておくことが大事です。

『百発百中』(サンマーク出版刊)は、斎藤一人さんと柴村恵美子さんという二人の成功者が、「お金を引き寄せる方法」について明かした一冊。「すべてのものには固有の波動がある」と語るこの二人が語る、お金に愛される習慣をご紹介しましょう。

■一万円札の匂いを嗅いでみよう

衛生的にも、観念的にも「お金は汚い」というイメージがつきやすいものです。

だからといってお金を遠ざけていては、お金を引き寄せることはできません。「すべてのものに波動がある」ということは、一万円札には一万円札の波動があるということです。

一万円札を引き寄せたければ、お金を汚いと思わずに、その匂いを嗅いでみましょう。そうすることで、脳は一万円の波動を感じて活性化され、もっと一万円を引き寄せようとします。つまり「もっとお金を稼ごう」という気になるといいます。

■“ケチくさい”ことを言わない

普段、高価なものを身につけていないと、いざ高級なものを買ったりもらったりしたときに、「私には不相応だから」「壊してしまったら大変」と宝の持ち腐れにしてしまうかもしれません。

しかし、斎藤さんは、これを「ケチくさい」として、「ケチくさいことを言っているとケチくさいことを引き寄せる」と言います。

お金を引き寄せるためには「もっと稼ぎたい」という意欲こそが何よりも大切。現時点で可能かどうかは別として、「ロレックスくらい、壊れたらまた買えばいい」という意気込みで、普段使いする人の方がお金を引き寄せやすいといえます。

■「いい見栄」を張って、「悪い見栄」を張らない

一般的に、「見栄を張ること」はみっともないこととされます。これは、中身が伴っていないのに、外見だけ飾ってもダメだ、ということですが、斎藤一人さんの意見は違います。

自分を豊かにするための見栄、豊かな波動を出すための見栄はいい見栄であり「見かけをよくしていると中身も変わってくる」と述べます。

たとえイミテーションでも高価なカバンを持ったり、いい靴を履いたりすると、これが似合う自分になろうと言葉や振る舞いに意識が行きます。

さらに高価なものを身に着けながらも、笑顔が素敵だったり優しい言葉を使ったりしているとますます豊かな波動が出て、周りから「なんて素敵なんだろう」と思われることが多くなります。

一方、威張るための見栄や、借金をしてまで自分を着飾るのは「悪い見栄」です。あくまで豊かな波動のために、自分のできる範囲でやってみましょう。

実際にお金を稼ぎ続け、お金持ちでありつづけている二人だからこそ語ることのできる「豊かに生きる秘訣」がつづられた本書。お金を引き寄せられる人の習慣や考え方を知ることができる一冊です。

(新刊JP編集部)
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速報!TV討論でヒラリーが圧勝できたワケ 戦いの勝負は最初の30秒でついていた

2016年09月29日 08時01分51秒 | 海外情報

 いよいよアメリカ大統領選まで1カ月余りに迫っている。これまでにない接戦と異例の顔ぶれに世界の注目が集まる中、戦いの帰すうを決める天下分け目の討論会3番勝負の1戦目が9月26日夜(日本時間27日午前)に行われた。

 当代随一の詭弁家ドナルド・トランプと初の女性大統領候補ヒラリー・クリントンの「コミュ力対決」第一戦は、王道ともいえるコミュニケーション兵法がちりばめられたものだった。

ヒラリー・クリントン圧勝の内幕とは?

 がっぷりよつの戦いを制したのはどちらか。結論から先に記すと、コミュ力的には「ヒラリー・クリントンの圧勝」だった。日本のデキる企業戦士にも是非応用していただきたい6つの「コミュ兵法」をご紹介しながら、この舌戦の見どころを解説していく。

 兵法1:主導権を握る

 勝負は最初の30秒でついたかもしれない。目も覚めるような真っ赤なスーツで現れたクリントンと真っ青なネクタイのトランプ。クリントンがトランプに歩み寄り、「ハワーユー、ドナルド」と力強く声をかけたのに対し、トランプの声は聞こえない。クリントンはこの日、終始明るい余裕の笑顔を見せ続けた。

 一方で、なぜか「ズルズル」と鼻をすする音が目立ったトランプ。クリントンの健康問題を攻撃材料としてきただけに、ネット上では「なんだ、あのズルズル鼻は!」という声が飛び交った。ジェスチャーも、表情もすべてに自信に満ちたクリントンと、毎度おなじみのしかめっ面や憮然としたトランプの表情が対照的だった。

 その違いは、外見だけではなかった。

 この日の討論は終始、クリントン氏が主導権を取って攻勢に回り、トランプ氏が守勢に回る格好となった。「お父さんから大金をもらってビジネスを始めたのよね」「会社を何回も倒産させているじゃない」「賃貸ビジネスで、黒人などのマイノリティを差別していたわよね」などと次々と指摘され、それに対してひたすら弁解を述べるという展開が続いた。


 兵法2:平静を保つ

 トランプは常に口角泡を飛ばし、一方的にまくしたてて、論戦相手の話を平気でさえぎる。この日も実に51回、口を出した(クリントンは17回)のだが、そんなトランプに、クリントンは顔をしかめることもなく、終始余裕の表情だった。

2歳児か中2生をうまくあしらう母親のよう

 トランプのとんでも発言に、「ほんと、この人、なんておバカなこと言っているのかしら」と目を丸くして、笑みを浮かべる姿がコミカルで笑いを誘うほど。結果として、駄々をこねる2歳児か、ワーワーと叫ぶ中2生を、うまくあしらう母親の余裕さえ感じさせ、ここでも貫録の差を見せつけられた。

 「声を荒げ、大きな音で鼻をすすり、繰り返しクリントンをさえぎるトランプ」(米NBCニュース)「怒りっぽくて、明らかに準備不足の鼻ズルズルトランプ」(英ガーディアン紙)と揶揄されるほど、トランプが「アジられて」いるのは明らかだった。

 兵法3:敵の不備を突く

 トランプの話のお決まりパターンはいかにアメリカが失敗し、どん底にあるか、というものだ。犯罪やテロが横行し、企業は海外に流出、失業者が増えている、不法移民が大量に流入している。こういう状態を作ったのは、現政権、つまり、クリントン自身だろう、という論法を繰り出すわけだが、そうした機関銃攻撃に対しても、クリントンは一つ一つ、事実とは違うことを丁寧に説明していった。

 トランプは事実とは異なることでも、自信をもって言い切ることで、それがいかにも真実のように思わせ、聞き手の正常な判断を誤らせるという、「ガスライティング」という話法を得意としているが、クリントン側は彼の主張すべてに対する反駁材料をすべて周到に準備してきたのだろう。失業率、経済成長、犯罪率などすべてにおいて、事態は好転していることを、データをもって、明確に示した。

 クリントンは自身のホームページに「Fact checker」(事実確認チェック)コーナーを設け、トランプの主張が間違っていることを、リアルタイムで周知。多くの有力メディアも独自に同様の精査を行い、その内容を公開していった。

 また、「(自動車会社の)フォードもメキシコに工場を移転し、職が失われる」というトランプの発言に対しては、フォード自身がツィッターで、その内容を即座に否定するなど、二重三重の包囲網が次々とトランプの欺瞞を暴いていった。

 兵法4:バケツを用意する

 多くの企業や企業幹部が、メディアに応対する際、想定QAというものを作ることが多い。どのような質問が来るのかを想定し、それに対する答えを用意しておくというものだ。中でも、企業不祥事などの場合は、あまりにたくさんの答えを用意しても、忘れてしまったり、答えようとする中で、色々と余計なことを言ってしまうこともあるので、出来るだけ、答えの数は絞るようにアドバイスする。

「メール問題」に弁解しなかった

 不倫騒動で、中村橋之助が「不徳の致すところ」ですべてを切り抜けたのがいい例だ。いくつかの答え=「バケツ」を用意し、質問が来たら、どのバケツから答えを引き出すかを瞬時に判断し、その中にある情報の範囲だけで答える。

 今回、クリントンにとってアキレス腱であった「公務に私的メールアカウントを使っていた」という問題について、トランプに追及されたクリントンは「間違いを犯したわ。言い訳はしない。責任はとります」とごく短く答えたのみで、それ以上は言及しなかった。クリントンの様々な追及に対し、人名や地名をずらずらと挙げ、長々と弁明を続けたトランプとは対照的だった。

 兵法5:戦いは奇によって勝つ

 今回の討論の最大の山場は、真田幸村の戦法のごとく、餌を巻き、自分の陣地におびき寄せる奇襲作戦だった。

 それは、あたかもクモの巣か蟻地獄に引き入れるかのような見事さで、相手の発言をとらえて、「待ってました!」と言わんばかりにパクッと食いつくのだ。トランプが「ビジネスで成功した」と自慢をすれば、「そうおっしゃいますけど、建築家やデザイナーや業者に代金を支払わなかったんですってね」と返し、「(クリントンは)スタミナがない」と批判されれば、「112カ国に飛び、平和交渉をし、休戦協定や反体制派の解放などに携わり、議院の委員会で、11時間も証言をする。そういうことができなければ、スタミナなど語る資格はないわ」などとバッサリ。

 さらに、トランプが「僕は色々(遊説で)各地を回ったが、君はしなかったね」と言えば、何と答えたか?

 「今、ドナルドは私がこの討論のために準備したことを批判したわね。ええ、準備はしましたよ。他にどんなことに準備したかわかる?私は大統領になる準備をしました」と言ってのけたのだ。トランプはクリントンによって用意されたありとあらゆる罠に自らかかっていった。

 兵法6:勝つための準備を怠らない

 結局、コミュニケーションの成否はこれに尽きるが、トランプは明らかに準備不足だった。日本の多くの経営者にも言えることだが、自分は巧いと思う人ほど準備も練習もしない。海外メディアの報道によれば、陣営のアドバイスには従わず、リハーサルも何もすることもなくこの場に及んだとされる。

準備と練習を重ねた者が勝つ

 一方で、クリントンは長時間の準備と練習を重ねており、その成果は明らかだった。今回、一つ分かったのは、トランプは、自分の主張を一方的に展開することは得意だが、相手の主張に対し、ロジカルに反駁する1対1の討論は実に不得意だということだ。

 相手の主張を覆すだけの正確な情報もロジックも持ち合わせていないし、マルチイシューを複合的、多層的に論じることができない。だから、常にシングルイシューに絞り、小学生レベルの言葉で、がなり立て、相手を圧倒しようとする。学校にいるいじめっ子と同じ、と言われるゆえんだ。

 というわけで今回の討論はヒラリー・クリントンの圧勝という結果に終わった。テレビ討論はあと2回行われるが、トランプはこの失敗を教訓にできるのだろうか。ますます目が離せない。

岡本 純子
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コンクリートで修復された万里の長城、文化財局長「自分には関係ない」―中国

2016年09月28日 07時48分36秒 | 海外情報
2016年9月26日、新京報によると、遼寧省綏中県の万里の長城「錘子山長城」がコンクリートで無残な形に“修復”された問題について、修復計画は国家文物(文化財)局の専門家グループの審査を経て、国から1000万元(1億5000万円)余りの補助金が支出されており、審査もずさんだったことが分かった。遼寧省文物局長は「自分には関係ない」とコメントした。

万里の長城は、観光化されているもの以外の大部分は管理も修復もされないまま放置され、「野長城」と呼ばれている。700年余り前の明の時代に建てられたこの錘子山長城もその一つだったが、損傷が激しく、数年前から修復計画が進められていた。

1200メートルを修復する計画だったが、本来使われるはずのしっくいではなく、文化財への使用が禁止されているコンクリートで固められた疑いが出ている。修復期間は2013〜14年にかけての2年足らず。施工から2年近くしかたっていないが、すでに陥没や隆起が発生するなどの不具合も出ている。コンクリートが使われたことについては、実際にセメントを運んだ村人など、数多くの証言もある。

錘子山長城は「最も美しい野長城」と呼ばれていたが、本来の様子は失われ、まるで舗装道路のように作り替えられてしまった。その姿がネット上で伝えられると、激しい怒りの声が相次いだ。しかも、コスト削減のため、余ったセメントは山中に廃棄され、野ざらしのまま固まっている。

この問題についてコメントを求められた遼寧省文物局の丁輝(ディン・フイ)局長は、「詳しいことは分からない。自分には関係ない」と回答。そして、「コンクリートが使われたかどうかは知らないが、そのような計画が許可されることは絶対にあり得ない」と話している。(翻訳・編集/岡田)
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職場の朝礼で謝罪させたらアウト? 知っておくべき「パワハラ・セクハラ」の基準

2016年09月28日 06時36分15秒 | ビジネス
◆あなたの「パワハラ基準」は通用しない?

「俺が若いころは……」

 なんて、言葉が口癖の人は要注意です。パワハラを悪気なく引き起こしてしまうタイプでしょう。パワハラの原因の多くが「俺的にはセーフ」「私の感覚では問題ない」という考えに起因するといいます。加害者となった方の多くが「自分もそうやって育てられた」と発言するように、根本には「若い子を育てたい」という前向きな発想にがあるのでしょうが、そのやり方が現代の職場では通用しないこともあるのです。

 これはセクハラも同様です。不快に思うかどうかの判断基準は自分ではなく相手にあることを忘れてはいけません。自身にとっては当時のつらい経験が今の財産であったとしても、同じことを部下にさせるとハラスメントになってしまうということがあるのです。

◆まさか! あの人に訴えられるなんて

「ええっ!!彼女は関係ないのにあれがセクハラだって!?」

 思わず大声で叫んだのは営業部のAさん(35歳)。人事部長に呼び出され、「社内の懇親会の行為がセクハラに当たる」と言われたのがその理由でした。Aさんは「お酒の席とはいえ、社内の飲み会であることはわきまえています」と言い、「セクハラを指摘されるような言動は記憶にありません」とキッパリと否定したそうです。

 しかし、人事部長は「Bさんに『お前の胸があと5センチ大きければすぐに彼氏出来るのにな』と言ったそうだね」と返します。すると、Aさんは「はい、確かに言いました。でも、Bとは同期入社でお互いに冗談を言い合える間柄です。いつも同期の飲み会では鉄板のネタです。Bがそんなこと言うなんて信じられません。だって……」と。そこで、人事部長は話をさえぎるようにこう告げました。

「苦情はBさんじゃないんだよ、それを聞いていたCさんなんだよ」

 こうして冒頭のAさんの叫びとなったのでした。Aさんとしては「お前の胸が……」というセリフがセクハラなのは理解していたそうですが、「信頼関係がある相手を選んで発言した」ので問題にならないと思っていたそうです。しかし、Aさんから直接言われたわけではなくとも、それを隣で聞いていたCさんが不快に思い、セクハラと感じて人事部に訴え出たそうです。「気心が知れている」「合意の下だ」なんて言っても、TPOをわきまえないとセクハラ認定されてしまうのです。

 このように、ハラスメントは当事者だけではなく、第三者からも訴えられることがあるのです。実際、自分ではなく、同僚に怒鳴り散らしている上司を見て体調を崩し、パワハラを訴え出た例もあります。

◆飲み会に誘わないのはハラスメント?

 映像制作会社の企画部での出来事です。この部署では定期的に飲み会を開催しているのですが、部長だけはその飲み会に誘われていなかったようです。ある日、飲み会の話を偶然聞いたD部長は「俺もたまには呼んでくれよ」と飲み会を企画しているE君に頼んだそうです。

 メンバーの中には反対した者もいたそうですが、「さすがに断りづらい」ということでD部長も誘ったそうです。飲み会はいつも通り盛り上がっていたのですが、突然、D部長が立ち上がり、E君の顔めがけて“から揚げ”を投げつけてしまったそうです。

 静まり返った居酒屋の個室で部長はE君に不満をぶつけました。その理由は一番の上司であるにもかかわらず

1.乾杯の挨拶をさせなかった

2.ほぼ無視をされている

3.お酌をする者すらいない

 とのこと。部長が退席すると、「パワハラじゃないのか?」「明日から職場でも無視しよう」といった声が上がったそうです。

 確かに、部長の行為はパワハラと問われても仕方のないところですが、無視や飲み会外しなどの一連の行為も“逆ハラ”と言われる可能性のある行為でしょう。そんなことから、本件は両者ともに“注意”ということでいったん決着しました。ただし、これとは別にD部長のマネジメント能力が問われることとなったのは言うまでもありません。

◆朝礼で謝罪させられるのはパワハラ?

「みんなに謝罪してください」

 とある精密機器メンテナンス事業を行う会社の朝礼での出来事です。

 専務に謝罪を迫られているのは営業課長のFさん。話によると、このFさん、女性の派遣スタッフに対し日頃から横柄な態度を取り、また、セクハラと思われるような言動を行っていたそうです。Fさんは女性スタッフに直接謝罪をし、「今後は改めてくれるならば」ということでその場は収まったのですが、本件の報告を受けた専務がたいそう腹を立て、「全社員に対して謝罪をするべきだ」となったそうです。

 針のむしろに座る思いをしたFさんはその後体調を崩し、退職したそうです。この話はこれで終わりではありません。ほどなくしてFさんから会社に対して「パワハラを受けて退職せざるを得なくなった」として、あっせんが申し立てられたのです。“セクハラ”は確かに問題行為ですが、それを注意や処分することも適切に行わなければなりません。

“悪を成敗する”といったようなスタンスで指導をしていると、それ自体“行き過ぎた指導”となり、パワハラとなってしまうのです。セクハラやパワハラを取り締まるはずの第三者がパワハラの加害者になってしまうこともあるのです。

 セクハラ、パワハラ以外にもマタハラ(マタニティ―・ハラスメント)やアカハラ(アカデミー・ハラスメント)、煙草の煙に対するスモハラや臭いに対するスメハラ(スメル・ハラスンメント)など多くの◯◯ハラが増えました。とはいえ、今は少しでも不快な事があると「それって◯◯ハラだよね」と何でもかんでもハラスメントに結び付ける人が多いような気がします。相手に対してハラスメント認定をすれば、「何を言っても許される」とでも思っているのでしょうか。

 例えば、スメハラ。強烈な香水を使用していたり、悪臭を放つ食材などを持ち込んでいるのであれば「スメハラである」と注意しても良いでしょう。しかし、体臭のように本人の意思に関わらないものまでもハラスメントとして糾弾するのは問題です。その糾弾する行為そのものがパワハラとなる可能性があるのです。

 また、なんでもかんでも「それ◯◯ハラ」と言ってレッテルを貼る行為もそれ自体がハラスメントになるかもしれません。まさにハラハラ(ハラスメント・ハラスメント)と言っても良いでしょう。自分は冗談で「それって◯◯ハラだよね」と言っても、本当にそうなのか判断するのは言われた方です。“ハラハラ”にならないように注意しましょう。

◆ハラスメントが印籠に!? ハラハラに注意を

 まず、理解しておきたいことは、何でもかんでも“ハラスメント”になるわけではありません。例えば、業務上必要な事と認められるのであれば、ハラスメントではないのです。本来は必要ではない、余計な事を付け足したり、やり過ぎたりするからハラスメントになるのです。

 そして、それが受け入れられるかどうかは自分では決められないということです。同じセリフ、同じ方法だとしても、誰に言われたかによって“コミュニケーション”と“ハラスメント”に分かれるからです。したがって、信頼関係の度合いに応じて指導方法やコミュニケーションの取り方を変えるなど工夫することが必要でしょう。

 また、相手だけではなく、第三者に対してもハラスメントになってしまうことがあるということも忘れてはなりません。一方的な信頼関係やTPOをわきまえないコミュニケーションは無意識にハラスメントを行ってしまう可能性があることを常に意識しておきましょう。

 最後になりますが、信頼関係が無くとも、ちゃんと相手の人格を尊重した上で業務に対する指導であればハラスメントにはなりません。ハラスメントを恐れるあまり「指導ができない」なんてことにならないよう、何がハラスメントになるのかを理解しておくことが肝要です。

<文/大槻智之>

【大槻智之】

’72年4月、東京都生まれ。日本最大級の社労士事務所である大槻経営労務管理事務所代表社員。株式会社オオツキM 代表取締役。OTSUKI M SINGAPORE PTE,LTD. 代表取締役。社労士事務所「大槻経営労務管理事務所」は、現在日本国内外の企業500社を顧客に持つ。また、人事担当者の交流会「オオツキMクラブ」を運営し、250社(社員総数25万人)にサービスを提供する
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