心の風景 認知的体験

癌闘病記
認知的体験
わかりやすい表現
ヒューマンエラー、安全
ポジティブマインド
大学教育
老人心理

予測 

2006-09-17 | 認知心理学
11111222223333344444
20文字/1行 60行 文字のみ
キャリアアップのための発想支援 培風館 海保・松尾著
発想王(15)

予測 
 現在を越えて考える
******ポイント
1)今現在には過去も未来もあることを知る。
2)今現在の仕事を過去と未来から眺める
3)予測のギャップの中に創発の芽を見つける
******************************

●時間と空間を超える
 我々は豊かな文明と豊潤な思惟世界のおかげで、「今この場」からの制約を逃れて、時間と空間を自在に「操る」ことができるようになった。五年先、10年先の自分を考えられるし、アフリカの奥地にも宇宙にも行った気になれる。
 これを支えるのが、予測という知的活動である。
 
●過去、現在、未来から予測する
 さて、その予測には大きく3タイプがある。
 もっともよく行なわれる予測の仕方は、過去を外挿することである。過去ベースの予測である。失敗することは少ないが、前例主義に陥ってしまい、新しい状況の変化に対応できないことがある。
 もう一つは、現在の中に将来を見つけるタイプの予測がある。現在ベースの予測である。商品開発やイベント企画などでは必須とされる予測である。もっぱら個人の感性に依存するので、失敗のリスクが高いが、当たると大きい。
 さらに、未来ベースの予測もある。サイエンス・フィクションのような世界を究極の目標において、それに到達するまでの未来を予測するものである。大きな目標があるだけに、予測に系統性を持たせることができるが、画餅に帰すことが多い。

●青年の時間展望の特徴に学ぶ
 一つの仕事をするときに、この3つのベースに基づいた予測の一貫性の有無を問うてみると仕事の質があがる。
 やや唐突な話になるが、青年期に、これら3つの予測の間に激しいギャップが生ずる。不可能な未来を思い描き、それを実現する力量のなさを嘆き、そんな自分を育てた親へ反抗する。これを時間展望の混乱と言う。
 多くの青年はそのギャップを克服して、安定した成人期へと移行していくが、そのギャップを克服できないまま心を病んでしまう人も多い。

●予測を仕事に活かす
 この青年期のメンタリティ(心性)と振舞いには、仕事の上での予測の活かし方のヒントがある。
 一つは、現在の中には、過去も未来もあることを認識することである。青年はそこのことに気がついたからそこ悩む。その悩みが飛躍へのばねになっている。
 2つは、過去と現在と未来の一貫性をとることである。
 青年はギャップのあまりの大きさに気づき呆然自失してしまい、そのつらさゆえに、刹那的になって身を滅ぼしてしまうこともある。
 仕事でも、過去から未来への時間の流れの中で位置づけることができれば、自分も周囲も納得させる大義名分もみつかり、創発の芽をみるけることもできる。

****本文60行
**********************

******
図解「現在には過去も未来もある」

図 別添

「解説」
現在を、未来を展望しながら点検し行動するなら、革新的な生き方になる。過去に思いをはせ、その延長として現在をみるなら、保守的な生き方になる。
*****************************

図解「青年期は過去と未来がどっと押し寄せくる」

図 別添

「解説」
この図は、エリクソンが描いた、人の心の一生(ライフサイクル)である。青年期には、自分は一体何者(自我同一性)かを確認しようとして、過去を振り返り、さらに、未来を展望する。その苦しい確認作業の中から成人への道を切り開いていく。
************
クイズ「あなたの時間的展望の混乱を測る」
次の項目に「はい」「どちらでもない」「いいえ」のいずれかで答えてください。
1)その日のうちにすべきことを翌日まで延ばすことがある
2)なんでも物事をはじめるのがおっくう
3)ひとかどの人間になろうとする希望を失いそうになる
4)待たされるといらいらする

「解説」
 これは砂田氏が作成した自我同一性混乱尺度の一部を借用したものである。「はい」の答えの多いほど、過去、現在、未来の時間の流れがスムーズに認識されていないことになる。




トップへ戻る

海保の研究の歴史

2006-09-17 | 認知心理学
03/3/31海保
海保の最近の活動報告

*************************************************************
****2002年度*2002年4月より2003年3月まで(14年度)分******
●専門論文
○鈴木裕子・海保博之 2003/3 「検索誘導抑制をめぐる諸問題」 筑波大学心理学研究。2003,25,69-77
○島田英昭・海保博之 2003/3 「心的計算処理研究の諸問題とその議論」筑波大学心理学研究,25,51-67
○海保博之 2002 「生活の中の認知工学---デザイン性、使用性、操作性、機能性」
生活工学、2002、3号、連載

●著書
「専門」
編集・執筆
○海保博之・柏崎秀子編著 2002/6「日本語教育のための心理学」新曜社
  「知識獲得の心理学エッセンス」「漢字を学ぶ」の2章を執筆
分担
○海保博之・茂呂雄二 2003・3 「文章・談話の心理学的研究」北原保雄監 佐久間まゆみ編集「朝倉日本語講座7巻」朝倉書店、250-274
○海保博之 2002/12 「23章 技能の学習」 辰野千寿編「学習指導の現代的課題」94-97 学校教育研究所
○海保博之 2002 「認知の科学と情報デザイン上の問題発見」 (「新デザイン・ハンドブック」朝倉書店」460-461

「一般」
執筆
○海保博之 2003/3 「心理学ってどんなもの」 岩波ジュニア新書
○海保博之 2002/9「くたばれ、マニュアル」新曜社
編集
○佐藤泰正・海保博之・新井邦二郎偏 2002/11「教育心理学」学芸図書
○海保博之 2002年  「現代用語の基礎知識2003年板」 心理学の部、

●一般雑誌
○海保博之 2003/1より 「ヒヤリハットの心理学」「安全衛生の広場」3003年1月より連載
○海保博之 2002 「ヒューマンエラー防止学」(「働く人の安全と健康」3巻、No1よりNo8まで連載)
○海保博之 2001年4月より2003年3月まで 「発想王をめざせ」Mit(芳林社)
○海保博之 2003/2「広告を科学する(インタビュー記事)」 広告研究所レポート(日本経済新聞社) 2003年2月、No189,8-9
○海保博之 2002/12 書評「学力低下論争」(市川伸一;つくま新書)
「指導と評価」2002年12月号


●学会活動
○2002年日本心理学会にて 「高齢者の手続き習得」ワークショップ 
 討論者として
○シンポジウム「留学生1年目の教育のあり方---科学教育の視点から」(東京外国語大学留学生日本語教育センター主催「2003年3月14日」) 招待講演「短期集中学習を効果的にするための認知心理学からの提言」
○招待講演「医療看護におけるヒューマンエラー逓減のための認知心理学からの6つの提言」 2003年4月29日 京都在宅ケア研究会第11回大会
○2002/8 日本プラントヒューマンファクター学会 理事に就任
○継続
・日本心理学会 常務理事(2001年7月より)
・「心理学研究」編集委員会編集長(2001年7月より)
・TC協会会長(1998年より)

●社会的活動
「委員会関係」(継続)
○大学設置・学校法人設置審議会・専門委員 
○人事院 安全専門委員
○日本学術振興会・科学研究費審査専門委員会委員
「雑誌編集委員」
○「指導と評価」(応用教育研究所)編集委員
○「安全衛生のひろば」(中央労働災害防止協会)編集委員
「講演関係」
○東京電力、中央労働災害防止協会、厚生労働省看護中央研修所、九州国際大学など ヒューマンエラー、頭の働き(認知心理学)などの講演20回
「その他」
○株式会社サーティファイ ソフトウエア活用能力認定委員会委員
○応用教育研究所所員

●学内活動
○付属高校長
○人間学類 人事運営委員会委員
○教育研究科 人事運営委員会
○心理学系 運営委員
○学内 レクレーション委員

*******
********
*********
○海保博之 1999 「認知心理学からみた学び方」 指導と評価、9月号、8-11
トップへ
 

認知的体験

2006-09-17 | 心の体験的日記
ブログテーマ一覧
ブログ体験記 ( 95 )
心の日記 ( 143 )
認知心理学 ( 15 )
海保の著作物 ( 35 )
どうでもよいこと ( 72 )
ヒューマンエラー ( 36 )
大学問題 ( 16 )
定年秘話 ( 35 )
わかりやすい表現 マ ( 21 )
今日の一言 ( 24 )
インタフェース ( 28 )
中高生の心へのメッセ ( 29 )
教育問題 ( 12 )
認知心理学キーワード ( 17 )
頭の使い方 ( 20 )
書評 ( 11 )
今日のなぜ ( 2 )
教育 ( 2 )
安全、安心 ( 24 )



アーカイブ
2006年09月 ( 12 )
2006年08月 ( 18 )
2006年07月 ( 86 )
2006年06月 ( 74 )
2006年05月 ( 68 )
2006年04月 ( 81 )
2006年03月 ( 84 )
2006年02月 ( 78 )
2006年01月 ( 136 )



最近の記事一覧
ヒューマンエラーを事故につなげないための7カ条
認知的体験・9・11
領域固有性、状況、行動型ロボット(用語解説)
認知的体験・9・11
認知的体験9・10
次の更新は9月10日です
事例の関連度が説明文の読解過程に与える効果
最後の一冊
内部告発のマネジメント(書評)
認知的体験・夏休み版



お気に入りブログ
燻製作りは温度が肝心
(by kabuto-oxさん更新!)
コミュニケーション能力ブログ
(by isorootさん更新!)
大学という斜陽産業
(by sphinxさん更新!)
わらしべ日記~不撓不屈
(by star-oさん更新!)
天下無敵の問題教師
(by ayuku0926さん更新!)
ドクター鈴木・あめぶろ研究室
(by doctorsuzukiさん更新!)
大学生のための大学入門
(by nice55さん更新!)
のほほん娘とワーキングママの中学受験
(by tantanmamさん)
紫苑の研究室日誌
(by shionkenさん)

[一覧を見る]


カレンダー
<< 09月 >>
日 月 火 水 木 金 土
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ブックマーク


アメブロランキング
[総合ランキング]
3748位/1191220人中

ランキング一覧

[ジャンルランキング]
70位/4468人中

学び・教育



ブログ内検索

検索


2006-09-11 13:35:58


認知的体験・9・11
テーマ:心の日記
●認知的体験「夏休み総括」06/9/10海保

今年の夏休みは、1泊ホテルでの休息のみ。あとは、もっぱら家で仕事。実に充実した夏休みだった。これほど外に出ない夏休みははじめて。昔は、大学で仕事をするのが習慣であったが、はじめて家で仕事をしてみた。意外に、のんびりした気分で仕事がはかどることを発見した。これからは、これでいくことにする。

●認知的体験「読みたいブログ」06/9/10

朝こんなご飯を、夜はこんなグルメ料理を、誰それさんとあっておしゃべり、などなど。こんな日記をブログに載せられても、とてもではないが、読む気持ちになれない。それでなんなのよ!

今毎日必ず読むブログは、ドクター鈴木のアメぶろ日誌。これは、掛け値なしにおもしろい。軽いコラムに、批判精神があり、しかも、知識が豊富。人情の機微にも通じている。昔、フリーライターをしていた経験が生かされているのであろう。さらに、日常から拾い出すトッピクの選択のうまさ。一読、お気に入り登録を勧めたい。

●認知的体験「これも学校の責任ですか?」06/9/9海保

山口の専門学校での女子殺害事件。校長が、責任を感ずる、とのコメントを出したとのこと。教育者として、そうした学生2人を育ててしまったことへの責任なのか、それとも、建物の管理責任なのか。何に責任を感じての発言なのだろうか? 何らかの賠償責任まで考えているであろうか。

最近、気になることの一つに、組織のトップがあまり組織として責任のないことにまで頭を簡単に下げすぎていることである。公務員の飲酒事故なども、なぜ市長が頭を下げるのだろうか。

そうさせている、ニュース報道の不思議なリテラシーがあるようにも思える。

●認知的体験「病院からのバスは年寄りで一杯」06/9/6

医大前からバスにのった。当然なのだが、年寄り病人?で一杯。あわてて席を譲った。

昔、カリフォルニアでバスに乗ったとき、低階層の人々とおぼしき人ばかりにかこまれてびくびくしたことを思い出した。

●認知的体験「本当に頭にくる;犬害」06/9/9海保博之

前の家の犬が我が家に向かってほえているような感じ。当然のほえ声は本当に迷惑。

夏休み、家での仕事に相当支障がでたと思う。こんな時、となりに事情を説明にいって善処してもらうくらいなら、なんということもないと思うが家内が絶対に止めてくれという。困った!!

このまま放置しておくと、何をするかわからんぞ!!


絶対評価をめぐって

2006-09-17 | 認知心理学
02/8/9海保 絶対評価に伴う高校入試 NHK朝のラジオ
解説

Q1 中学校に絶対評価が導入されて初めての通知票が配られたようですが、相対評価と絶対評価の違いはどんなところにあるのでしょうか?
海保 通知票で言うなら、表面上は、
1から5までの評定値がならんでいますので、
まったくかわりがないように見えますが、内実はかなり違います。

ご承知のように、相対評価は、1から5まで富士山型の分布を仮定して、1から5までに割り当てる人数が厳格に決められていました。自分が4から5に上がれば、誰かが5から4に下がることになります。
それに対して、絶対評価は人数制限がなくなります。しかも、評定の3あたりが最低規準を「おおむね満足」ということになりますので、分布が、いわば、階段型になります。1と2とでほぼ10%程度、3,4,5とでほぼ80%程度になるのが普通です。

Q2 そうすると、4や5をとる生徒が増えるということになりますね。
海保 その通りです。人数制限がありませんから、極端な場合は、クラス全員が4か5ということもあってよいわけです。
絶対評価は、「インフレ評価」と皮肉を言われることもあります。

Q3 通知表をもらった生徒はうれしでしょうが、保護者の方々からすると、目前の高校入試を考えると、不安もあるでしょうね。
海保 自分の子供の学力の相対的な位置が通知票だけからはわかりませんので、保護者だけでなく子供も不安だと思います。また先生のほうも、進路指導が難しくなりますね。
学校を越えた大きな枠での統一的、標準的なテストの必要性が高まりますね。

こういうテストを時折することで、絶対評価の評定を安定させていくことにも使えると思います。

Q5 高校入試に絶対評価を使う場合の問題点は、どんなところにありますか。
海保 一番の問題は、実は相対評価でも潜在的にはあったのですが、評価のものさしが先生によって、あるいは学校によって異ることではないかと思います。

Q6 評価のものさしと言いますと?
海保 今回導入された絶対評価では、
4つか5つの評価の観点を定めてあります。数学なら、「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能」「知識・理解」を定め、各単元ごとに、評価規準を具体的に設定してそれぞれの達成度をABCで評価することになっています。これが今回の絶対評価のものさしになります。
この達成度の評価のものさしが先生よって、あるいは学校によって、まだ安定していないわけです。
とりわけ、最低規準をおおむね満足とされるBをどのあたりに設定するかで、学校間、先生間でのばらつきが大きいようです。

Q7 そうなりますと、絶対評価の評定をいかすには

海保 どんな入試選抜にも、完璧ということはありませんから、必ずしもそういうことにはならないと思います。
それに、絶対評価は、普段の教室での学習活動をよりよく反映した評価になっていますから、一発勝負のテストよりはるかに豊富な情報を提供するものになっています。これを選抜につかわない手はないと思います。
 
今年ははじめての導入ですので、やや不安はあるかもしれません。
県によって対応の違いはありますが、なんらかの過渡的な措置がとられていますので、とりあえずは、これまで通りの受験対策で大丈夫だと思います。

Q8 要は内申点の使い方の問題ということになるでしょうか?
海保 その通りだと思います。
実は、絶対評価の評定は、345に分布が偏りますが、5段階の相対評価の評定と順序が逆転してしまうようなことはまずありません。
ものさしの安定性には多少不安がありますが、相対評価よりはましという判断も一つあってよいと思います。





も一つは、東京都の例ですが、
今年は、各高校が期待する生徒の姿を公表することになっています。各高校がそれぞれの特色を発揮して、選抜のためのデータを多様化していく方向があります。その一つに絶対評価のデータ、とりわけ、観点別の達成度を使うことが期待されます。

Q9 最後に、本日のお話でさらに追加するようなことがあれば。
海保 絶対評価の導入によって、高校入試のメニューが一つ増えという姿勢が必要ではないでしょうか。
絶対評価一辺倒、相対評価一辺倒ではなく、絶対評価も相対評価もということでバランスをとっていくのがよいと思います。
さらに、気になるのは、評価を過剰に意識させる環境です。学習を最適なものにするための評価が絶対評価です。評価は学習活動と一体で考えるもので、評価だけを切り離すと本末転倒になってしまいます。





トップへ戻る

海保の履歴書

2006-09-17 | Weblog
海保 博之(かいほ ひろゆき)



1942年千葉に生まれる
1965年3月東京教育大学教育学部心理学科卒業、
1968年3月同大学大学院博士課程中退。
同年4月徳島大学教育学部助手、講師、助教授を経て、
1975年7月筑波大学心理学系、講師、助教授を経て
1990年教授
2006年3月 定年
2006年4月 東京成徳大学人文学部教授

教育学博士

●研究領域
・わかりやすさの認知心理学的な設計原理の開発について、マニュアル、文書、インタフェース、各種表示などを素材に研究。ヒューマンエラーについても、著作が多い。

●学会活動
日本理論心理学会編集委員、
日本アーゴノミックス学会理事


●著書
「心理学ってどんなもの」岩波ジュニア新書
「学習力トレーニング」岩波ジュニア新書
「ミスをきっぱりなくす本」成美堂文庫
「くたばれ、マニュアル」新曜社 
「失敗を「まあいいか」とする心の訓練」
  小学館文庫 


謝罪の心理

2006-09-17 | 安全、安心、
06/6/9海保博之
111112222233333444445555566666
本は、38行x17行x4p=2584文字 (タイトル用38x6=228文字を含む)
30文字/1行で86.1行(タイトル6行を含む)+7行=94行。  24行で1p 3p+22行  4p
*****7行目****4部 
謝罪


**4行あく

            ムムム何より謝ることが先決

●謝る
 父親が大切にしていた桜の木を折っしまい素直に謝ったワシントン大統領の話はよく知られている。にもかかわらず、今のアメリカ社会のおいて支配的な「謝らない文化」は一体いつ頃から作り出されたのか不思議に思う。注1***
いずにしても、自分のおかしたミスによって他人や社会に損害や迷惑をかけてしまったら、まずは、謝ることが世の中の道理であることは言うまでもない。ところが、世の中の道理が通るのは、あるいは、通すのはそれほど簡単ではない。

●「誤ろう」しかし、
ミスや違反をしたことに気がつく、あるいは気がつかされると、まずは、ミスや違反をしてしまった自分を責める。そして、それは、外に向かっての申し訳なさ、つまりは謝罪の気持ちを生む。これが自然な心の流れであろう。
だとするなら、ただちに、「すみません」が口をついて出てくるはずであるが、必ずしもそうはならない。気持ちを行動(発話)として発現するには越えなければならない障壁がある。
障壁の一つは、少し冷静になってみると、本当に自分だけに責任があるのかが疑問になってくる。相手にも、あるいは状況にも責任の一端はないかが気になってくる。これが、素直な謝罪を押しとどめることになる。
障壁の2つ目は、相手の出方である。相手のほうも自分にも非があり、という、いわゆる下手の対応の仕方をしてくるような時には、「いや、こちらこそ」となるが、一方的にこちらの非を責め立てて攻撃的な対応をしてくると、本心ではなくとも、こちらもつい攻撃的に対応してしまう。
障壁の3つ目は、謝罪文化の変化である。かつての日本人は実によく謝っていたように思う。その片鱗は、今でも、企業不祥事で社長以下3役そろい踏みの謝罪会見に見ることができる。あるいは、犯罪被害者の「謝罪の言葉でもあれば」の言説にもみることができる。
しかし、損害補償を考えてしまうからであろうか、謝罪が補償交渉に不利になることをおそれる気持ちが、素直な謝罪のセリフを抑制してしまう。

●反省心が謝罪の源泉
謝罪が行動や言説として外部に出るか出ないかには、こうした障壁があるが、それ以前に真の謝罪の心がなければならない。そして、謝罪の心が生まれるためには、みずからがおかしてしまったことをみずからの問題として反省できていなければならない。ここのところが曖昧なままほっておかれると、今度は、言葉だけ、うわべだけの謝罪となってしまう。***注2
反省心は、もう一人の自分(ホムンクルス)を意識的に活動させることからはじまる。それは、事が起こった時や場から充分に離れ自分一人で事を振り返ることができるような状況にならないと無理である。
たとえば、少年犯罪などでは、しかるべき施設への収容、そして、そこでの矯正訓練の目標に、反省心の涵養が一つの大きな目標となっている。しばしば、彼らからの被害者への謝罪の手紙がマスコミで取り上げられることもある。
そこまで行かない我々の日常生活においても、夜一人になって、日記帳に向かってじっくりと反省してみる、あるいは、カウンセラーや親しい人に自分の心の内を静かに聞いてもらうのは、反省の質を高めることになる。
そこから生まれる謝罪の心、そして言動なら、相手の心に響く謝罪になるであろう。下手な謝罪のテクニックは不要である。

●謝罪と補償は別
謝罪したからといって、すべてに責任を負うわけではない。謝罪は、あくまで自分なりの反省心から発した個人的ものでしかない。補償の領域に話が移ってくれば、そこでは、事態の客観的な分析と法律的な責任論で動くことになる。弁護士などの助けを借りることになる。
訴訟社会のアメリカでは、謝罪は責任を認めたことと同じことになってしまい、訴訟に不利になるのであろう。だから「謝罪はしない文化」が強固にできあがってしまったのであろう。厳しい話であるが、人の自然な感情にもとることは、言うまでもない。
2001年、ハワイのオワフ島沖で起こった実習船えひめ丸がアメリカ原潜グリーンビルに衝突され沈没し9人が死亡した事故があった。原潜側の一方的な過失であったが、スコット・ワドル艦長からの謝罪は当初はまったくなかった。しかし、裁判の過程で、やっと、おおむね次のような、涙ながらの謝罪の弁があったとのことである。
「謝りたかったけれども弁護士に止められていた。謝罪を止められたことに耐えられなくなった。」
(K)




*******
*********
、「注1  「A mistake has been made.」と「I made mistake.」との違いはおわかりであろうか。アメリカ人は、後者の言い方はほとんどしないそうである(湯澤淳「ワシントンレポート」HPより)。なお、道を歩いていてぶつかりそうになると、「I am sorry」と彼らは謝罪らしきセリフを実によく言う。しかし、これは、「俺が通るからお前はどけ!」という合図ではないかとひそかに思っている(余談)。

注2 やや話が飛躍するが、しばしば、中国、韓国との外交問題になる靖国参拝。歴史認識(反省心)の欠如が見え隠れしてしかたがない。

気持ち動転時に人はどうする

2006-09-17 | 安全、安心、
気持ち動転時に人はどうする 海保博之 東京成徳大学人文学部

気持ちが動転しているときには、我々はどのような思考と行動をするのであろうか。
第1次評価とは、気持ちが動転したその瞬間に頭の中で自動的に発生する最小かつ高速の情報処理(評価)である。ここで注目されるのは、その情報処理が、自分の利害関心に関係しているかどうかを主な目的にしているところである。そして、この評価は、おおむね妥当なものである。

第2次評価とは、気持ちがやや落ち着いてきた後におこなわれる情報処理である。ここで、状況改善の可能性、責任の所在、将来どうなるかが慎重に判断される。相手に大怪我をさせてしまった交通事故を例にとれば、状況改善の見通しがなく、責任が脇見運転による自分にあることは明白で、もしかすると職を失う可能性もある、というような評価を下し、それに対応するネガティブな情動を強く体験する。ただし、この段階での評価は、熟慮的ではあるが、情動主導なので、しばしば、状況評価が限定的で論理性に欠ける。注4***(海保博之)

ヒューマンエラーを事故につなげないための7カ条

2006-09-17 | 安全、安心、
ブログテーマ一覧
ブログ体験記 ( 95 )
心の日記 ( 143 )
認知心理学 ( 15 )
海保の著作物 ( 35 )
どうでもよいこと ( 72 )
ヒューマンエラー ( 36 )
大学問題 ( 16 )
定年秘話 ( 35 )
わかりやすい表現 マ ( 21 )
今日の一言 ( 24 )
インタフェース ( 28 )
中高生の心へのメッセ ( 29 )
教育問題 ( 12 )
認知心理学キーワード ( 17 )
頭の使い方 ( 20 )
書評 ( 11 )
今日のなぜ ( 2 )
教育 ( 2 )
安全、安心 ( 24 )



アーカイブ
2006年09月 ( 12 )
2006年08月 ( 18 )
2006年07月 ( 86 )
2006年06月 ( 74 )
2006年05月 ( 68 )
2006年04月 ( 81 )
2006年03月 ( 84 )
2006年02月 ( 78 )
2006年01月 ( 136 )



最近の記事一覧
ヒューマンエラーを事故につなげないための7カ条
認知的体験・9・11
領域固有性、状況、行動型ロボット(用語解説)
認知的体験・9・11
認知的体験9・10
次の更新は9月10日です
事例の関連度が説明文の読解過程に与える効果
最後の一冊
内部告発のマネジメント(書評)
認知的体験・夏休み版



お気に入りブログ
燻製作りは温度が肝心
(by kabuto-oxさん更新!)
コミュニケーション能力ブログ
(by isorootさん更新!)
大学という斜陽産業
(by sphinxさん更新!)
わらしべ日記~不撓不屈
(by star-oさん更新!)
天下無敵の問題教師
(by ayuku0926さん更新!)
ドクター鈴木・あめぶろ研究室
(by doctorsuzukiさん更新!)
大学生のための大学入門
(by nice55さん更新!)
のほほん娘とワーキングママの中学受験
(by tantanmamさん)
紫苑の研究室日誌
(by shionkenさん)

[一覧を見る]


カレンダー
<< 09月 >>
日 月 火 水 木 金 土
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ブックマーク


アメブロランキング
[総合ランキング]
3748位/1191220人中

ランキング一覧

[ジャンルランキング]
70位/4468人中

学び・教育



ブログ内検索

検索


2006-09-11 16:29:21


ヒューマンエラーを事故につなげないための7カ条
テーマ:ヒューマンエラー

04/4/28 海保博之
「ヒューマンエラーを事故につなげないための7カ条」

○1条「エラーは誰もがしてしまうとの自覚を持つ」
○2条「エラーについての知識を豊富にして、折に触れて、その知識を思い出すようにする」
○3条「ヒヤリハット体験から学ぶ」
○4条「自分にできることとできないことを知る」
○5条「危険(リスク)度の高いところでは、確認につぐ確認をする」
○6条「エラーが事故につながらない工夫を考える」
○7条「安全の仕事は自分一人で抱え込まない」


認知的体験

2006-09-17 | 心の体験的日記
●認知的体験05/12/23海保
「ケーブルTV、インターネット、電話の新しい回線を敷設」
大変な工事になったが、午前中一杯でなんとか終わった。
インターネットのセッティングは、専門業者が一週間後に来てくれることになっているが、今日、自分でマニュアルを見ながら挑戦してみるつもり。
困ったことが一つ。TVで放送大学がみられなくなってしまったこと。これは問い合わせてみる必要あり。
うれしいことは、ふんだんに映画などが見られることだが、でも、これを見る時間的な余裕はあまりない。まー、すべての仕事から引退したら、見ることもあるだろう。
●認知的体験05/12/22海保
「飛び込み原稿依頼」
書いてくれるはずの人がダメになった。ついては、本の2章分の執筆をお願いできないか、と頼まれた。しかも、1か月で。引き受けた。従って、正月休みはなしになった。早速、雑誌原稿などから選んで書き出したが、やはりそうはスムーズにはいかない。引き受けなければよかった!!
今日の万歩計1166歩(風が強くて散歩は中止)
● 認知的体験05/12/22海保
「人よりちょっと早い年末年始休暇」
学生や教員にとっては、今年はカレンダーがよい。たっぷりと休暇がとれる。ところが世の中の人にとっては、やや不利なカレンダー。そのギャップが早速出てきた。相手は仕事中なのだから、当然。携帯に誘導してなんとかしのぐことになる。
今日の万歩計3218歩(テニスを含む。5千歩を越えなくなった。まずい!!)


以下ありません******
●認知的体験05/12/21海保
「片側3車線で慢性的渋滞」
野田線とサイエンス通りのあの広い道で、行きも帰りも渋滞に引っかかるようになった。3車線の真ん中は直進、左は左折、右は右折のレーンに分離したためである。真ん中車線が大渋滞。人車分離も結構だが、コントロールの仕方がおかしい。左折レーンは直進もできるようにするべきだ。
●定年秘話その11 05/12/20
「年金」
複雑で本当に何が何やらわけがわからない。事務に書類を届けにいって一つだけ、大切でうれしいことがわかった。65歳までは、年金とは無縁かと思っていたらーーだって、60歳の時に、そういう通知が共済から来ていたーー、来年4月から、わずかではあるが、私大での給料とは無関係に、年金が支給されることがわかった。職域加算分と加給年金分とである。
いわれてみて説明書きをみると、確かにそのことが書かれている。
「説明の鉄則は、知りたいことを教えること」
●認知的体験05/12/20海保
「取材原稿」
いつものことながら、うまないー、と思うところと、おいおい、そんなこと言ってないよ、というところとがあっておもしろい。写真は例によって、わずか1枚。あとの99枚はどこに? 
今日の万歩計4255歩(だんだん減ってきた。体重が増え始める)
●認知的体験05/12/19海保
「いよいよ今年も終わり」
明日の授業で今年も終わり。22日から研究室ともしばらくおさらば。6日が研究室びらきになる。2週間以上たっぷりと時間がとれる。とりたてて予定はないが、安全、安心の心理学がもしかすると、自分の担当分は完成させることができるかも。来年の授業の構想や準備もしてしまうか。
今日の万歩計1362歩(ややさぼりぎみ。寒さにまけずに頑張らないと。) 
●定年秘話その10  05/12/18海保
「私大での授業内容が決まる」
通年が演習、実習で2コマ+1/3コマ、半期が4コマにあとは卒論。といったところ。難物は、福祉心理学。昔作った「患者を知るための心理学」がベースに使えそう。あとは、統計や方法論の講義、演習は、素材と蓄積があるので問題なし。バリアフリーあたりかなー。実習、卒論では、人数が問題になる。
●認知的体験05/12/18海保
「今年と去年との区別がつかない」
今年起こったことかやったことか、それとも去年なのかの区別がつかない。イベントのつらなりはわかるが、年はまったく心もとない。
今日の万歩計0歩(家でぐうたら)
●認知的体験05/12/16海保
「猛烈におなかがすく」
朝6時にたっぷりの朝食をとる。11時過ぎる頃にはお腹がすく。11時半に持参した弁当を食べる。夕方4時ころには空腹を覚える。5時過ぎにはパン中心の軽い夕食をとる。もちろん、食べるものすべておいしい。
この空腹は健康の証拠なのか、それとも何か病気の徴候か。ウオーキング効果ではないかと思っている。不思議に体重は3キロ減って65キロのベストに近くなった。これも健康?それとも病気?

以下ありません******
●認知的体験05/12/16海保
「これですべての給料をもらった」
ボーナスも12月の給料も出た。年収もわかった。驚かされるのは、減収額の大きさである。生活に支障をきたすほどの減収ではないので、騒ぐ必要はないが、それでもモラールはさがるかも。連動して退職金も下がるのが痛い。
国も人のリストラだけでなく、財政的なむだを切りつめないと、民の反発をくらうぞ!!
今日の万歩計4781歩(テニスを含む)
●今日の一言
「老人のやるべき第1の仕事は“哲学者”になることである。簡単に言えば、“小言幸兵衛”になることだ。自らの経験を生かして、若い人たちのよきアドバイザーになることであるーーー」経済気象台。朝日新聞夕刊、05/12/15より
●認知的体験05/12/16海保
「書けなない」
朝起きても、書けない。書けないからおきるのがつらい。寒いし、眠いし、で寝床でぐずぐずしてしまうことが多い。画面を開いても、書けないので、こんな体験記を書いている。まずい状況になってきた。すでにこの状態で1週間になる。
●認知的体験05/12/15海保
「ヒューズが飛ぶ」
40Aの契約であるが、冬になると、乾燥機や皿洗い機を使っているときに、エアコン暖房を入れようものなら、すぐにヒューズが飛ぶ。うれしいことにパソコンは別系統の電源なので大丈夫。11月の電気代、18000円なりは、予想よりは低かったが、来月は2万円を超えるだろう。高い!!
今日の万歩計8167歩(万をめざしたのだが)
●認知的体験05/12/15海保
「カレンダーも月曜始まりになるのか」
手帳とカレンダーの始まりが違うと勘違いが起こるので、一緒にしてほしいというのが、自分の主張。その思想で手帳を発売しているのは、にっかぎれんのみ。あとはすべて月曜始まり。
ところが、昨日買ってきたカレンダーは、なんと月曜始まり。はじめてみた。やるなら、一斉にやってほしい。入り乱れると何かと混乱が起こる。
見た目の同型性は極めて大切なインタフェース設計の原則。
●認知的体験05/12/15海保
「からだがかゆい」
冬になると、足などを中心に身体がかゆくなる。昨晩はあまりのかゆさに目がさめてしまった。TVコマーシャルでそんな時の薬が宣伝されていた。早速買いに行こう。医者にいくほどではなさそう。



海保博之の著作一覧

2006-09-17 | 認知心理学
トップへ
著作リスト
2004年9/31
●集中力を高めるトレーニング 04/10/下旬 
●学習力トレーニング 岩波ジュニア新書 04/4/20発売

2003年
●「発想支援の心理学」(松尾と共著) 1500円 培風館 03/7/10

●心理学ってどんなもの  岩波ジュニア新書 3/20発売 2刷 
●くたばれ、マニュアル 書き手の錯覚、読み手の癇癪
海保 博之 (著) 単行本 (2002/09) 新曜社 価格:¥1,800
***************************************

●ワードマップ ヒューマンエラー  新曜社


1. 一目でわかる表現の心理技法―文書・図表・イラスト
海保 博之 (著) 単行本 (1992/02) 共立出版
価格:¥2,100

2. 瞬間情報処理の心理学―人が二秒間でできること
海保 博之 (著), その他 単行本 (2000/09) 福村出版
価格:¥2,600

3. 説明と説得のためのプレゼンテーション―文章表現、図解、話術、議論のすべて
海保 博之 (著) 単行本(ソフトカバー) (1995/01) 共立出版
価格:¥2,400

4. ヒューマン・エラー―誤りからみる人と社会の深層 ワードマップ
海保 博之 (著), 田辺 文也 (著) 単行本(ソフトカバー) (1996/11) 新曜社
価格:¥1,900

5. 認知研究の技法 シリーズ・心理学の技法
海保 博之 (著), 加藤 隆 (著) 単行本(ソフトカバー) (1999/02) 福村出版
価格:¥2,400

6. 人を動かす文章づくり―心理学からのアプローチ
山本 博樹 (著), 海保 博之 (著) 単行本 (2001/09) 福村出版
通常2~3日以内に発送

価格:¥1,600

7.「自己表現力をつける」日本経済新聞社
1998年
1300円
☆ 自己表現力をつける 知のノウハウ
海保 博之 (著) 単行本(ソフトカバー) (1997/05) 日本経済新聞社
価格:¥1,300

8. クイズと体験でわかる心理学
海保 博之 (著), その他 単行本(ソフトカバー) (1995/10) 福村出版
通常2~3日以内に発送

価格:¥1,900

9. Q&A 心理データ解析
服部 環 (著), 海保 博之 (著) 単行本(ソフトカバー) (1996/02) 福村出版
通常2~3日以内に発送

価格:¥2,600

トップへ
10. 事例とクイズでわかる教育の心理学―発達・学習・生徒指導
海保 博之 (著), その他 単行本(ソフトカバー) (1997/11) 福村出版
おすすめ度:
通常2~3日以内に発送

価格:¥2,000

11. 「温かい認知」の心理学―認知と感情の融接現象の不思議
海保 博之 (編集) 単行本 (1997/07) 金子書房
おすすめ度:
通常2~3日以内に発送

価格:¥2,800


12. 人に優しいコンピュータ画面設計―ユーザ・インタフェース設計への認知心理学的アプローチ
海保 博之 (著), 加藤 隆 (著) 単行本 (1994/05) 日経BP社
通常2~3日以内に発送
価格:¥6,602
13. ●日本語教育のための心理学  
日本語教育のための心理学
海保 博之 (著), 柏崎 秀子 (著) 単行本 (2002/06) 新曜社
通常2~3日以内に発送
価格:¥2,400
14. ●くたばれ、マニュアル 書き手の錯覚、読み手の癇癪
くたばれマニュアル!―書き手の錯覚、読み手の癇癪
海保 博之 (著) 単行本 (2002/09) 新曜社
通常2~3日以内に発送

価格:¥1,800



15. プロトコル分析入門―発話データから何を読むか
海保 博之 (編集), 原田 悦子 (編集) 単行本 (1993/11) 新曜社
通常2~3日以内に発送

価格:¥2,500

16. 認知的インタフェース―コンピュータとの知的つきあい方 ワードマップ
海保 博之 (著), その他 単行本 (1991/05) 新曜社
お取り寄せ

価格:¥1,600

17. 認知科学通論 認知科学選書
海保 博之 (翻訳) 単行本 (1991/03) 新曜社
お取り寄せ

価格:¥6,300

18. 事例で学ぶ教育心理学
杉原 一昭 (著), 海保 博之 (著) 単行本 (1986/04) 福村出版
お取り寄せ

価格:¥2,200

19. 人はなぜ誤るのか―ヒューマン・エラーの光と影
海保 博之 (著) 単行本(ソフトカバー) (1999/02) 福村出版
お取り寄せ

価格:¥1,800

20. 説明を授業に生かす先生 先生シリーズ
海保 博之 (著)
お取り寄せ

価格:¥1,262

21. わかりやすいマニュアルをつくる―企画から評価まで
海保 博之 (編集) 単行本 (1991/03) 日本規格協会
お取り寄せ

価格:¥1,845

22. 心理・教育データの解析法10講 応用編 (2)
海保 博之 (編さん) 単行本 (1986/05) 福村出版
通常1~2週間以内に発送

価格:¥2,600

23. 失敗をまーいいかとする心の訓練 小学館文庫
海保 博之 (著) 文庫 (2001/05) 小学館
価格:¥476

24. 連想活用術―心の癒しから創造支援まで 中公新書 (1506)
海保 博之 (著) 新書 (1999/11) 中央公論新社
通常1~2週間以内に発送

価格:¥660

25. 心理学フロンティア―心の不思議にせまる
松田 隆夫 (編集), その他 単行本 (1992/03) 教育出版
お取り寄せ

価格:¥2,913

26. 患者を知るための心理学
海保 博之 (編さん), 次良丸 睦子 (編さん)
現在お取り扱いできません


27. 心理・教育データの解析法10講 基礎編 (1)
海保 博之 (編さん)
現在お取り扱いできません


28. パワーアップ集中術 エスカルゴ・ブックス
海保 博之 (著) 新書 (1987/07) 日本実業出版社
在庫切れ

価格:¥680


29. 読ませる・見せる表現のコツ―わかりやすい文章・図表の書き方からイラスト・地図の描き方まで エスカルゴ・ブックス
海保 博之 (著)
現在お取り扱いできません


30. 漢字を科学する 有斐閣選書 (892)
海保 博之
現在お取り扱いできません


31. 認知革命―知の科学の誕生と展開
海保 博之 (翻訳) 単行本 (1987/08) 産業図書
在庫切れ

価格:¥3,500


32. こうすればわかりやすい表現になる―認知表現学への招待
海保 博之 (著)
現在お取り扱いできません
33. 「誤り」の心理を読む 講談社現代新書
海保 博之 (著)
現在お取り扱いできません
34. 心のシミュレーション―ジョンソン・レアードの認知科学入門 新曜社認知科学選書
海保 博之 (翻訳), その他
現在お取り扱いできません
トップへ
**********
これより下には、上記の本の概要、目次、一部内容などがあります
**********
下線の本は、目次ありです。


●日本語教育のための心理学  
新曜社 2002年6月発売
海保博之(筑波大学心理学系)
柏崎秀子(東京工業大学留学生センター) 編著 


●人を動かす文章作り 心理学からのアプローチ(01/10 発売)
山本博樹・海保博之  福村出版  1600円

海保博之
小学館文庫 
2001年5月
******



●瞬間情報処理の心理学
海保博之/編著 2800円
福村出版
2000年9月頃出版
● 連想活用術心の癒しから創造支援まで
海保博之/著
中央公論新社
\660
1999/11
海保博之(かいほ・ひろゆき) 中公新書
********
<ストーリー> 連想という心の働きはふだん意識されていないが、日常生活に及ぼす影響は大きい。ときに偉大な発明・発見のきっかけとなる一方、悲しみや不安から抜け出せない要因ともなりうる。
この諸刃の剣をプラスの方向に生かすことは可能か。連想が本来持つ、洞察・癒し・活性化・創造の機能を確認しながら、頭を柔軟にし潤いある生活を送るためのヒントをさぐる。 豊富な具体例と14の実習を手がかりに学ぶ、ユニークで楽しい心理学入門書。



●人はなぜ誤るのか ヒューマン・エラーの光と影
海保博之/著
福村出版
\1,800
1999/02
☆          トップに戻る
●認知研究の技法
海保博之/編 加藤隆/編 都築
誉史/〔ほか〕著
福村出版
\2,400
1999/02

●事例とクイズでわかる教育の心理学 発達・学習・生徒指導
海保博之/〔ほか〕著
福村出版
\2,000
1997/11

●「温かい認知」の心理学 認知と感情の融接現象の不思議
海保博之/編
金子書房
\2,800
1997/07

●自己表現力をつける
海保博之/著
日本経済新聞社
\1,300
1997/05



●ワードマップ
 ヒューマン・エラー 誤りからみる人と社会の深層
海保博之/著 田辺文也/著
新曜社
\1,900
1996/10

●Q&A心理データ解析
服部環/著 海保博之/著
福村出版
\2,600
1996/02

●クイズと体験でわかる心理学
海保博之/〔ほか〕著
福村出版
\1,900
1995/10

●説明と説得のためのプレゼンテーション
 文章表現、図解、
話術、議論のすべて
海保博之/編著
共立出版
\2,400
1995/01
目次
基礎編(効果的なプレゼンに向けて
プレゼンテーションと話術
文章をわかりやすくする
メリハリのある視覚表現にする
図解とグラフで訴える
見せる用具を効果的に使う
コンピュータの力を借りる)
実践編(プレゼンを企画する
説得的なプロポーザルをする
面接でアピールする
報告会で発表する
議論に勝つ)
詳細
マルチメディア時代の最新プレゼン情報満載。文章、音声、映像からジェスチャまで、企画、セッティングから議論まで、幅広い分野にわたる研究者から実務家までの多彩な執筆陣が、効果的なプレゼンのノウハウの伝授。
読者レビュー

読者の採点: 未採点


●プロトコル分析入門 発話データから何を読むか
海保博之/編 原田悦子/編
新曜社
\2,500
1993/11

●一目でわかる表現の心理技法 文書・図表・イラスト
海保博之/著
共立出版
\2,100
1992/03

●ユーザ・読み手の心をつかむマニュアルの書き方
海保博之/〔ほか〕著
共立出版
\2,300
1987/09

人に優しいコンピュータ画面設計 ユーザ・インタフェース
設計への認知心理学的アプローチ
海保博之/著 加藤隆/著
日経BP社
\6,602
1994/05
△ トップに戻る
パワーアップ集中術 仕事にスポーツに勉強に
海保博之/著
日本実業出版社
\699
1987/07

東スポの戯法 爆笑見出しの知の理論
海保 博之
ワニブックス
\1,262
1995/10
×
説明を授業に生かす先生
海保博之/著
図書文化社
\1,262
1993/09
×
頭の働きを科学する 学習・記憶・脳
P・チャンス/編 T・G・ハリ
ス/編 海保博之/〔ほか〕訳
マグロウヒル出

\2,136
1991/10
×
心の働きを科学する 感情・性格・心理療法
P・チャンス/編 T・G・ハリ
ス/編 海保博之/〔ほか〕訳
マグロウヒル出

\2,330
1991/10
×
認知的インタフェース コンピュータとの知的つきあい方
海保博之/〔ほか〕著
新曜社
\1,600
1991/04
×
わかりやすいマニュアルをつくる 企画から評価まで
海保博之/編
日本規格協会
\1,845
1991/03
×
認知科学通論
N.A.スティリングス/〔ほ
か〕著 海保博之/〔ほか〕訳
新曜社
\6,300
1991/02
×
インタフェースの認知工学 人と機械の知的かかわりの科学
J.ラスムッセン/著 海保博之
/〔ほか〕訳
啓学出版
\2,621
1990/02
×
心のシミュレーション ジョンソン=レアードの認知科学入

フィリップ・ジョンソン=レアー
ド/著 海保博之/〔ほか〕訳
新曜社
\4,369
1989/11
×
読ませる・見せる表現のコツ わかりやすい文章・図表の書
き方からイラスト・地図の描き方まで 3分間トレーニング
海保博之/著
日本実業出版社
\757
1989/10
× トップに戻る
こうすればわかりやすい表現になる 認知表現学への招待
海保博之/著
福村出版
\1,359
1988/12
×
認知革命 知の科学の誕生と展開
ハワード・ガードナー/著 佐伯
胖/監訳 海保博之/監訳
産業図書
\4,000
1987/08
×
患者を知るための心理学
海保博之/編著 次良丸睦子/編

福村出版
\1,900
1987/03
×
「誤り」の心理を読む
海保博之/著
講談社
\476
1986/11
×
心理・教育データの解析法10講 応用編
海保博之/編著
福村出版
\2,600
1986/05
×
事例で学ぶ教育心理学
杉原一昭/編著 海保博之/編著
福村出版
\2,200
1986/04
×
心理・教育データの解析法10講 基礎編
海保博之/編著
福村出版
\2,600
1985/10
×
漢字を科学する
海保博之/編
有斐閣
\1,700
1984/11
×
漢字情報処理の心理学
海保博之/著 野村幸正/著
教育出版
\2,200
1983/05
 トップに戻る
*********************************************
******インターネットよりの無断引用。氏名不明。*******
ヒューマンファクター研究
本を読む
ヒューマンファクター入門 専門的な本 認知心理学
事故に学ぶ 航空業界に学ぶ(事故以外) △△ヒューマンファクター研究に戻る

※価格は税抜きです。
(1)ヒューマンファクター入門
著者 題名 出版社 価格 詳細 お勧め度
芳賀 繁 失敗のメカニズム 日本出版サービス
1,900
○ ★★★★★
芳賀 繁 ミスをしない人間はいない―ヒューマン・エラーの研究 飛鳥新社
1,500
   
海保 博之 人はなぜ誤るのか
ヒューマンエラーの光と影 福村出版
1,800
○ ★★★★★
海保 博之 ヒューマン・エラー
誤りからみる人と社会の深層 新曜社
1,900
○ ★★★★★
黒田 勲 ヒューマン・ファクターを探る
(安全衛生新書) 中央労働災害防止協会
1,165
○  
  安全の秘訣とは何か?
~無事故組織に学ぶ~ 社会安全研究所
525
○ ★★★★★
全日空
総合安全推進部 ヒューマンファクターズへの実践的アプローチ  
952
   
柳田邦男 事故調査 新潮文庫
522
   
畑村洋太郎 失敗学のすすめ 講談社
1,600
   
畑村洋太郎
和田秀樹

東大で徹底検証!!
失敗を絶対成功に変える技術
アスキー
1,500
   
畑村洋太郎 失敗を生かす仕事術 講談社現代新書 講談社現代新書
680
   
畑村洋太郎 決定版 失敗学の法則 文芸春秋
1,286
   
 
(2)専門的な本 ・文献
著者 題名 出版社 価格 詳細
お勧め度

J.ラスムッセン インターフェースの認知工学 啓学出版
2,621
○ ★★★
ジェームズ・リーズン 組織事故 日科技連
4,200
○ ★★★★
黒須・伊東・時津 ユーザ工学入門
使い勝手を考える・ISO13407への具体的アプローチ 共立出版
3,200
○ ★★★
ノーマン 誰のためのデザイン? 新曜社
3,300
○  
ホーキンズ ヒューマンファクター
-航空の分野を中心として- 成山堂書店
4,800
   
黒田ほか
電気学会論文誌 113巻10月号,1993年
小特集:ヒューマンファクタ
電気学会

○  
畑村洋太郎 電気学会雑誌 121巻3号,2001年
解説:失敗を生かそう
電気学会

   
エス・ピイ・エス
経営研究所 絵とき ポカミス撲滅大全
{工場管理]2001年3月臨時増刊号 日刊工業新聞社
1,600
   
 
(3)認知心理学の本
著者 題名 出版社 価格 詳細 お勧め度
海保 博之
こうすればわかりやすい表現になる
-認知表現学への招待
福村出版
1,359
  ★★★★
海保 博之 瞬間情報処理の心理学―人が二秒間でできること 福村出版
2,600
  ★★★★
松尾 太加志 コミュニケーションの心理学 認知心理学・社会心理学・認知工学からのアプローチ ナカニシヤ出版
2,500
 ●インタフェース関連ベスト10(04/1/15)


 トップへ
トップへ

 一目でわかる絵表示を作る

2006-09-17 | 認知心理学

04/8/5海保
「認知工学」
8ー5 一目でわかる絵表示を作る 

●絵表示によるコミュニケーション
 日本では、1964年の東京オリンピックを機会に、絵表示による案内が一気に充実したらしい。言うまでもなく、そのねらいは、言語に依存しないコミュニケーションである。
 絵表示の利点は、これ以外にも、「見やすい」「目立つ」「美しい」「一目でわかる」といったことがある。ただし、いずれも、それなりにデザインされていればの話である。
 本節では、「わかりやすさ」について「それなりのデザイン」とはどんなものであるべきかを考えてみる。

●良い絵表示が具備すべき4つの要件
 一つの絵表示が良い絵表示である、というとき,その良さを構成しているものには4つある。
 1つは、よく見えること(視認性)。
 絵表示は、狭い領域に描かれることが多い。絵の細部が見えないことがある。しかも、絵表示は、文字を読む時より遠くから見られる。したがって、細部の表示を捨てて、マクロな表示をすることになる。
 2つは、目を引き付けること(誘目性)。
 とりわけ、道路などでは、周囲の雑多な情報環境の中でも目につくようにする必要がある。色や大きさや掲載場所などを工夫して黙っていても注意を引き付けられるようにする。
 3つは、美しいこと(審美性)。
 目立つものが不快な感情を与えてしまうようでは困る。見る人の気持ちを豊かにするような芸術性のある絵表示であることも大事である。
 この3つは、人の知覚、感性レベルでの絵表示の良さの要件である。これに加えて、絵表示は、一目でわかること(理解容易性)も大事な要件になる。これが、4つ目の認知レベルの要件になる。以下、項を改めて、考えてみる。

●絵表示のわかりやすさ
 定義的に言うなら、絵表示のわかりやすさとは、まずは、符号化(頭の中への表示情報の取り込み)が容易であること、ついで、制作者の意図した意味を、容易に思い浮かべること(表象化)ができることである。

図8.? 絵表示がデザインされ、理解される過程  ppt添付

 これを実現するためのデザイン上の基本的な観点としては、内容の充足性、適度の具体性、同型性の3つがある。

●内容の充足性
 ものやことを絵表示として表示するとき、その表示内容がものやことの本質的な情報を十分に描き出しているかどうかである。絵表示そのものが、どれほど見やすくて、目だっていて、しかも、美しくても、絵表示が指示するものやことが誤解されるようでは、十分な機能を果たしていないことになる。
 安全標識を例にとれば、表示内容の充足性には、「What」と「Why」と「How to」の3つが描かれているかどうかである。例1で言うなら
「What」は、「危険、警告、注意」、
「Why」は、「感電、転倒、巻き込まれ」
「How to」は、「近づくな、乗るな」である。

例1 安全表示 コピー済み

 なお、この例では、言葉も使って表示されているが、絵だけでは伝達効果が不安な場合には、言葉による補助も使うことになる。

●適度の具体性
 わかりやすさを構成する要件には、あと3つある。ただし、それらの重要性は、前項の内容充足性とは同じではない。内容充足性を満たした上で、さらに、以下3つの要件を満たせば、よりわかりやすくなるというように考えることになる。
 さて、その3つの要件のうちの一つである、適度の具体性について考えてみる。
 例2は、電気回路を3段階の抽象度(具体度)で表現したものである。

例2 抽象度を変えた電気回路の表示

 実際の回路の写真では、あまりに具体過ぎて、情報ノイズが多くなる。逆に一番右のようなシンボル表示では、シンボルの約束事についての知識がないと、わからない。真ん中のような適度の具体性のある表示だと、誰にもわかってもらえる。この表示では、ものやことの特徴(示差的特徴)を際立たせて描かれていることに注目されたい。
 なお、見る人がシンボルの意味を知識として持っていれば、抽象的なシンボル表示は、表示が簡潔になるので、視認性が高くなるし、わかりやすくなる。このように、わかりやすさは、見る人の知識に依存しているのである。

●同型性
 絵表示には空間的な広がりがあるので、そのイメージ表象にも空間的な広がりがある。空間的な広がりのあるものどうしの照合をするとき、とりわけ大事なのが、空間的な同型性である。絵表示が表す状況の空間的な位置関係は、イメージ表象のそれと一致している必要がある。
 さらに、大きさの同型性もある。大きいものは大きく描かないと、イメージ表象との照合がすんなりとはいかない。例2のような表示は、認知的な葛藤を起こすことになる。

例2 どちらが大きい?
戻る


戻る

わかりやすい表現

2006-09-17 | 認知心理学
04/8/9海保
高校生出前授業の概要

 わかりやすい表現をするにはどうしたらよいかについて考えてみます。
 ポイントは、人がどのように頭を使って、わかろうとしているかに配慮した表現をすることです。
 人の頭の働きは、コンピュータの情報処理に似ています。
 頭に入ってくる情報を取り込み、
 すでにある知識と関連づけます。
 そこで、わかりやすい表現にするためには、
 一つには、表現された情報が取り込みやすいようにすること
 もう一つは、表現内容を既有の知識と関連づけしやすいようにすることです。
 簡単な実習をしながら、わかりやすい表現について一緒に考えてみたいと思います。
 なお、これは、「応用認知心理学」の分野のいったんになります。
 トップへ







 

<KP>
対人魅力(ステロタイプや印象)について調べています。具体的には、人の好き嫌いは
どうして生じるか、決め付けた考えをする理由とそれをしないためには?などです。
それから、情報社会という固定観念の要素が多い中でどのような意識が必要か?個人
でなく集団が抱く固定観念の危険性は?固定観念にもいい部分はあるか?同じ固定観
念を抱く時に、そこに至るまでに時間が違うと後の影響は変わるか?
あとは先生に、固定観念をもたないために、“でも”“きっと”とよく考える事が大
事だと書いてあったけど先生は習慣的に意識していますか?固定観念をもたないよう
にしていますか?なども伺ってみたいです!
「答え」
1)人の好き嫌いの発生はなぜ
 ・人間は社会的動物だから
 ・好き嫌いを分けることで、敵味方を判別
 ・味方とは助け合うことで集団力をつけ、敵と戦う
2)ステレオタイプの長短
○長所
 ・状況の味方を単純にしてくれる(認知的節約原理)
 ・あれこれ迷わなくて済むので、即断即決ができる
○短所
 ・思い込みエラーの世界に入ってしまう
 ・世界を閉じてしまう
3)集団の抱くステレオタイプの危険性
 ・「皆で渡れば恐くない」となりがち
 ・認知的に怠惰になる
4)ステレオタイプからの脱却
 ・自分の考えを口に出す
 ・見方を多元化しておく
 ・その状況から一時的に離れてみる
 
<ンK>
・夢に言葉はどう表れるのか(複数の言語が話せる人は何語で夢をみるのか)。
-->? 
・夢をカラーでみる人と白黒でみる人がいると言われているが、この違いはどこから
生まれてくるのか。
-->?
・外部からの刺激(におい、音、味)のうち、夢への影響が一番大きいのはどれか。
--->イメージが多いはず。においや味などの原始感覚の夢は少ないのでは?
・自分がみたい夢は見ることができるか。
--->夢は願望の実現とフロイトはいっていますので、可能だとはおもいますが、
夢は願望を加工した形で出現します。
・夢をみている時間はどれくらいなのか。
-->約90分の周期でやってくるREM(rapid eye movement)期によく見る
・なぜ年をとると夢をあまりみなくなるのか。
--->昼間の生活の中に、感情的な起伏がなく、また、願望も低下するからではないか。
・夢を現実世界に効率的に利用するにはどうしたらいいか。
--->フロイトの夢分析風のことをしてみると、もしかすると、あなたの無意識の世界が垣間見えるかも。

「全体としての答え」
夢についての事実を調べる難しさがあるので、いずれについても、十分なデータが集まっていないと思われます。

<HS>
私のテーマは「夢」です。まだそんなに深い知識をつけているわけでもないし、専門
的なところまで理解してるわけじゃなくて、大した質問はできないんですけど…。
本を読むと答えを見つけられる質問もありますが、色々な説があるので、先生がどう
考えるかをお聞きしたいです。
○夢をみることはその人にどんな効果をもたらすのか、どんな影響を与えるのか?
--->一般に睡眠中は、昼間入手した情報の再構成をすると言われています。その過程で、エポックになる出来事や強い願望が意識にのぼってきたのが、夢と考えられます。
○夢を見る時間、情報量の多さなどで個人差はあるか?
--->個人差は当然あると思いますが、それが何に由来するかはわかりません。
○夢に無意識が表れると考える理由。
--->フロイトのモデルによれば、昼間は不快なことが意識でいないように、抑圧が働いています。しかし、睡眠中はこの抑圧が弱くなりますから、そのすきに昼間、無意識の中に抑圧されていたものが、少し加工して意識にのぼってきたのが夢です。
「補足的な答え」
・フロイトによると、夢には、カタルシス(願望が掃き出せてすっきり)という治療的な機能と、無意識の世界を探る診断的な機能とがあります。
・夢の科学的な研究としては、睡眠中の脳波をとりながら、REM期になったら、強制的に起こして、夢をみていたかどうか、その内容は、と問うようなものがあります。

<Yア>
人による考え方の傾向について。特に不安感や恐怖感について考えています。
・たとえば、人によってはウォークマンで音楽を聴けなかったりする場所がある。そ
の場所によって生じる罪悪感の原因はどこにあるか。
--->過去に、厳しく注意された場所と類似した場所だとすろと、過去の条件付けによるものかと思われます。
・恐怖と不安は同じものなのか。
--->不安は、その対象がはっきりしないときの漠然とした覚醒状態
恐怖は、その対象がはっきりしていて高い覚醒状態にあり、その場所からの逃避をさせる
・ある行動が原因でいやな思いをしたわけではなくても、それができないことがあ
る。これはどうしてか。
--->(1)行動の社会的な許容度が低い。(2)忘れてはいるが、過去にその行動が嫌な思いを引き起こしたことがあった。 

朝倉心理学講座

2006-09-17 | Weblog
05/4/11海保

朝倉心理学講座 全19巻
監修者のことば

 
 現代心理学の誕生以来、1世紀余が経過した。
 大きな流れとしては、20世紀前半の行動主義から、20世紀後半での認知主義へパラダイム・シフトがある。
 そして、ここ20年の日本の心理学における大きな動きとしては、世間からの心理学への過剰なまでの期待とそれにこたえるべく用意された心理学関連の急速な制度化がある。
 その一つは、臨床心理士に代表される各種の心理の資格の整備である。ここにきて、国家資格制定の動きさえ具体化されつつある。
 2つは、大学と大学院での心理学コースの整備である。心理学部がすでに3つの大学にできたし、臨床心理士対応の大学院修士課程もすでに100校(1種指定)を越えるまでになった。しかも、いずれにも受験生が殺到している。

 こうした動きを踏まえて、このたび、全20巻にも及ぶ心理学講座を刊行することの意義は3つある。
1)心理学の全分野を網羅することで、どの分野に興味を持っている人でも、この講座にアクセスすれば、自分の求める心理学の分野の定本があるようにできる。
2)学部生が卒論のテーマの背景知識や基礎知識を知りたいときや、大学院入試のための準備に活用してもらう。
2)大学院において増加している他分野からの入学者に心理学の体系的で最先端の知識を提供する。
 
 過去、本邦における心理学書の出版は量的にも豊富であり、内容も多彩であった。しかしながら、今回の企画のような心理学全体を網羅した講座はそれほど多くはない。
 今回の講座では、全19巻、しかも、執筆者は当該分野の第一線級に限定することで、日本の心理学会にとっても、21世紀心理学の里程標ともなる企画であると自負している。

平成17年6月




全19巻(仮)

伝統的な心理学の分野 編者名を入れて全巻に
●心理学方法論 
●発達心理学 
●脳神経心理学 
●認知心理学  
●言語心理学 
●感覚知覚心理学 
●社会心理学 
●教育心理学 
●臨床心理学 
●感情心理学  


最近注目される分野 

●文化心理学 
●環境心理学 
●産業・組織心理学 
●ジェンダー心理学 
●高齢者心理学  
●思春期臨床心理学 
●看護福祉心理学 
●健康心理学 小杉正太郎・早稲田大学
●犯罪・裁判心理学