「殺す」と書くには相当な(心の)エネルギーが要るものだ。
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だが、そうした言葉もキーボードだと楽に打てる。
心が字面に追いつかないまま、言葉ばかりが
インフレになり、安く流通しがちだ。
(天声人語、2012年2月4日)
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確か、作家の故井上ひさし氏だったと思うが、
自分は絶対にワープロは使わない宣言をしている。
自分は、ワープロで学位論文をはじめて書いた人物として
歴史に残る(大嘘、でも、周りにはいなかったのは事実。
今とは桁違いの性能のワープロで大層な
ものを作ったのも事実。ただそれだけのことですが)
さて、話は、ワープロと思いの関係。
キーボードに思いを打ち込む軽さは、実感としてある。
いつでも、簡単に消せる気安さは、思いの軽さにもつながることも実感。
しかし、その軽さが、あれこれの思いを引き出すのも実感。
書くことで思いが拡がる。このメリットは棄てがたい。