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自律心「ポジティブマインド作り

2012-02-20 | ポジティブ心理学

自律「周りを元気にする」

 

「独立独歩で心は真正の元気を」

 

    3つの「自」

昔、付属高校の校長をしていたことがあります。掲げるスローガンが、自主、自由、自律の3つの自でした。月一回の校長訓話で、話題がなくなると、あるいは、話の接ぎ穂やまとめに、よく使わせてもらい助かりました。

こんな引用もしたことがあります。

「環境からの独立、自分の頭でものを考えて環境を客観視し、自分を他人と区別して自立していく闘いのプロセスが、思春期の課題」(石田一宏「思春期を生きる力」大月書店)

今回は、その中から自律を、心を元気するという観点から考えてみました。

自律する心は、青年期において育てなくてはならない鍵となるものです。

なりより、家族からの自律です。青年期は、日本では近年は、どんどん長くなり、中学生から大学終わりくらいまでの10年間にも及びます。この間、若者は、自律のための試行錯誤を繰り返しながら生きていくことになります。ここで、どれほどの自律心が養われるかが、その後の人生を決めるようなところがあります。それほど、大事な時期でもあります。

 

    自律は天上天下唯我独尊とは違う

さて、青年期の自律はさておくとして、自律「心」は、一生涯にわたり大切な心がけの一つです。

周りに左右されずに、自分なりの考えを持ち、自分ひとりになっても生きていけるように自分をコントロールできることは、職場、地域、家庭、どこでも、そして、青年期、成人期、老年期のとこでも大切です。

ただ注意しなければいけないのは、自律心旺盛と自己愛過剰との違いです。

自己愛は、自分かわいい、そして周りを見下し、他人への共感性が欠如するような性格特性です。それが過剰になると、周りと軋轢を生じます。

これに対して、自律心は、周りへの共感性、配慮、さらには、感謝があっての自分一人でも大丈夫というものです。成熟した社会性なのです。

究極の自律心は、一人で心穏やかに死ねることだと思っていますが、しかし、こればかりは難しそうです。

 

    自律心は、心を元気にする

あなたの気持ちが落ち込んだり、ネガティブモードになったりすることの原因のかなりのものが周りとの対人関係にありませんか。

    友人からけなされた

    同僚に負けた

   ・周りから認めてもらえない

 もちろん、周りからの影響には、ポジティブな影響もたくさんあります。

ですから、自律のすすめは、周りから孤立することではありません。あまりに周りに左右されて気持ちを一喜一憂させるような状況はやめたらどうでしょうかということです。

 自律心は、周りよりも自分、遂行目標(誰それに勝つ)より課題目標(何々を達成する)を志向することで、頭も気持ちも自分のコントロールのもとにおけます。これほど心地よいことはありません。これこそが真正の元気です。

やや脇道にそれますが、未来の仕事のイメージをR・ロバートンは、次のように予想しています。

「自分自身の裁量で、自分自身の必要に合わせて、自分自身の目的を達成するために、自分自身の世帯とローカルコミュニティで、個人および個人ペースで働いている」

 

    心を元気にする自律心を作るコツ

    比較しない

別項目で、比較心性を取り上げました。周りとついつい比較して自分のあれこれを評価して一喜一憂する心です。

これが自律心を作りだす大敵なのはおわかりですね。

しかし、周りと比較しないなんて、できそうでできないことです。人間は社会的動物ですから。それがまた心を元気にするというところもありますから。ほどほどの比較はしかたがありません。

心がけることは、自分は何をしたいのか、自分はどうしたいのかを絶えず考えること、そして、それができているかどうかを絶えずチェックすることだと思います。要するに、これも別項目で述べましたが、課題目標志向でいくことです。

    周りに頼らない

 アメリカ暮らしを始めていた時のことを思い出しました。自信のあった英語が通じないことがあって、知人の加藤さんにまるごと助けてもらいました。まったく10か月、自律できない生活を送ってしまいました。

 困難に直面したとき、頼れる人が周りにいるのは心強いのですが、安易に頼ってしまうと、せっかくの自律チャンスも失ってしまいます。

 過保護は、自律心には大敵です。

子育てでも、かわいい子には旅をさせます。ライオンは自分の子どもを千尋の谷に突き落とます。

自分を苦境に追い込む経験をたくさん積むことです。

    群れない

 付和雷同しない心意気、やたら誰かと一緒は、なしです。

 基本は、一人でなんでもする、できるようにすることです。極端なことを言えば、死させも一人で静かに受け入れられる気概です。

    自律のための基盤を作る

 自律のためには、それを周りから邪魔されないための基盤があります。

 一つは、経済的な基盤です。あえて貧しさの中で自律心を養うこともありますが、お金に、というより貧しさに気が取られては自律は無理です。

 もう一つは、家族です。外でも内でも自律できるためには、家族を大切にすることです。それは逆説的ですが、家族に気を取られなくともすむようにすることです。

 

 

 

 


頭の良さ

2012-02-20 | 教育

 心理学の知能研究の歴史はほぼ1世紀の歴史がある。その中で一貫して 問題になってきたのは、すべてにわたる「頭の良さ」(一般知能)があるのかということである。

最近では、ここで述べてきたような個別の知能(知性)がいくつかあって、人はそれぞれの得意不得意があるとする考えが支配的である(多重知能説)。

 この考えは、人それぞれ、個性尊重につながるので、成熟社会では受け入れやすい。しかし、それを前提にした教育は、とりわけ日本では難しい。難しいが、この方向への変革なくして日本の未来はない。