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未来「明日があるさ!」ポジティブキーワード解説その33

2018-09-04 | ポジティブ心理学
未来「明日があるさ!」

●時間が飛ぶ
 たった今、東野圭吾著「パラドックス13」を読み終えたところです。13秒間だけ時間が飛んで、その間に現実世界で生命を失った人だけが別次元の世界に並行移動して、大災害の発生している東京都内でサバイバルする様を描いた、一種のサイエンス・フィクション(SF)です。そういえば、タイムマシーン映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」もありました。
SFでは、時間を取り上げるのは定番メニューの一つです。それほど、時間が、人間の意のままにならない不可思議な存在だということかもしれません。

 それはさておくとして、今回は、「未来」についてです。
気持ちを元気にするために未来を活用するという意味で、ややおおげさに、「未来療法」と呼んでおきたいのですが、その話をしてみたいと思います。
 
●時間を心でコントロールする
 心理的時間の世界では、物理的な時間をとめたり、早めたりすることもできます。たとえば、楽しいことをしているときには、時間はあっという間に過ぎ去ります。
あるいは、その中を行ったりきたりするのは、SFの世界でしか出来ないように思いがちですが、頭の中では、それがいとも簡単にできます。たとえば、
・もしあの時、あーしていたら、あーなっていたら(過去へ)
・自分が総理大臣になれるなら、あーしたい、こうしたい(未来へ)

 未来についても、自在に自分なりに頭の中ではコントロールできます。
 究極の未来である死さえも、イメージすることがでます。
 明日の試験の場での自分なりの振る舞いをイメージしてみることもできます。
 メンタル・タイムトラベルですね。
 これを活用して、心の元気づくりのコツを考えてみます。
 
● 未来を活用するコツ

① 癒しに活用する
過去から現在、そして未来へと時間は流れます。普通は、そこに一貫性のある物語があります。それが幸福物語なら問題ないのですが、長い人生、いつもそうなるとは限りません。
忘れたい過去もあります。
逃れたい現在もあります。

そんなときには、未来も暗くなります。不幸物語ばかりが頭の占領することになります。
そんなときには、過去、現在と断絶した未来を空想してみることをおすすめします。
もっというなら、誇大妄想のおすすめです。
宝くじで1億円があたったことを空想してみるのです。
大好きタレントとの結婚式を妄想してみるのです。
自分の頭の中でできないなら、シンデレラ物語風のDVDでも見るのです。

これは、現実のつらさからの逃避になります。しかし、現状がどうにもならない窮地であるときならば、とりあえずの心の避難所としては、あってもよいと思います。

②元気づけに未来を活用する
これがここでの王道になります。
過去、現在を踏まえて、よりポジティブな方向のイメージを描くことになります。勉学に励んできたこれまでの自分が目標に到達できたことをイメージするのです。成功イメージですね。
 これが空想や妄想と違うのは、一つは、時間的な一貫性です。過去、現在の延長線上のちょっと先に必然的にそれがあるという感じです。
  
 もう一つは、達成イメージです。現在の時点で設定した目標が達成できた時のイメージです。
 これが明確に描ければ、そこから逆に現在に戻って、現在の状態をチェックすることもできます。

 なお、ここでは、自然な気持ちで未来にゆだねるくらいのゆったり感も時には大事です。やるだけやった、あとは、運を天にまかせる心境ですね。

 日経新聞(22年3月16日付け)でこんな言説を見つけました。最後に、引用しておきます。大学を卒業しても就職がままならない中国の青年(蟻族というのだそうです)の言説だそうです。
「自分は失敗したとは思わない。まだ、成功していないだけだ。」




こんな記事発見

2018-09-04 | 認知心理学
原田悦子・筑波大学教授のインタビュー記事です。
私への言及もちょこっとあるので、転載させていただきました。
探すのも大変かも。笑い
引用先は、「心理学ワールド」だと思います。

https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2017/10/61-34-35.pdf


権威、感性、知識

2018-09-04 | 名言の心理学
茂木健一郎氏

認証済みアカウント twitterより

@kenichiromogi


権威は参考にしてもいいけれども、それにのっとられてはいけない。まるで今日生まれた赤子のように世界を観ることが大切である。感性は、知識では決して補えない。ましてや体系などでは救えない。学問が時に感性の邪魔になるのは、そのためである。