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●使い勝手調査」心理学基本用語

2021-04-28 | 心理学辞典

●使い勝手調査(usability
testing)
製品、とりわけコンピュータおよびコンピュータを組み込んだ機器を実際にユーザ(消費者)に使用させて使い勝手を調査すること。
これが国際標準化機構による国際標準(ISO13407)として制定されるまでになったのは、コンピュータという高度技術が急速に一般ユーザ(使用者)に普及したことに伴う、使い勝手の悪さへの不満がある。
コンピュータは、認知的人工物と呼ばれることもあるように、従来の機械や道具と異なり、それを使いこなすには、ユーザ側の知的対応を要求する。そこで、コンピュータとユーザが交流する接面(インタフェース)の設計にあたっては、ユーザの知的特性に配慮する必要がある。ここで、心理学的な知見や研究手法が有効となる。



◆メンタルモデル」心理学基本用語

2021-04-28 | 心理学辞典

◆メンタルモデル(mental model)〔心理学〕

研究者が研究をするとき、見通しをつけるために、とりあえずのモデル(作業モデル)を頭のなかに設定する。これと同じように、なんらかの課題解決の状況に直面すると、だれしもがとりあえずのモデルを構築する。これをメンタルモデルとよぶ。研究者の作業モデルと同じで、メンタルモデルも、状況と試行錯誤的にかかわるための手引きであり、それによって状況の認知的複雑さを低減できる。しかし、作業モデルと異なるのは、メンタルモデルが、個人的で、恣意的なところである。(海保) 



伊集院静「ミチクサ先生」(320)「日経新聞連載」がとてつもなく面白い

2021-04-28 | 心の体験的日記
伊集院静「ミチクサ先生」(320)「日経新聞連載」
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金之助の講義を見学した高浜虚子と寺田寅彦は並んで千駄木の家へ続く坂道を歩いていた。
「どうですか、寺田さん、俳句の方は?」

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夏目漱石も草葉の陰でにたにたしているのではないか。
著名人のプライベート開陳。
ときにはくすくす、はらはらしながらよんでいる。



小説「心の元気づくりのための文化」

2021-04-28 | ポジティブ心理学
小説「心の元気づくりのための文化」

「仮想世界で遊んで元気をつける」

「仮想の力はすごい」
IT技術の進歩のおかげで、仮想世界が爆発的に拡大しました。その特徴のいくつかを挙げてみると、
  • 仮想世界の新たな表現が可能となった
  • 仮想世界へのアクセスが容易になった
  • 結果として、仮想と現実との区画があいまいになった
かつては、小説と映画が仮想世界で遊ぶための唯一の道具立てだったの
が、IT技術のおかげで様相が一変したのです。
 ところで、私たちは、どうしてこれほど仮想世界が好きなのでしょうか、あるいは求めるのでしょうか。(なお、ここで言う仮想世界は、小説や映画のような物語性のある仮想世界に限定します。これ以外の仮想世界も多彩です。)
 一つには、日常生活のつらさ、しんどさ、めんどうくささから逃れて、自分の好きな世界に逃げ込みたいたいというということがあります。仮想世界のネガティブな側面です。自室でパソコン相手に毎日を過ごす引きこもりの若者が、この典型です。
 2つには、逆にポジティブな側面になりますが、祭りと似て、普段とは違ったハレの世界としての仮想世界です。
 昔、田舎では野外映画会がときおり開催されていました。夏の風物詩の一つで、いつも楽しみでした。まさに、お祭りにいくような、わくわく気分を味わえました。仮想世界には、こうした側面がありますね。
 これには、もちろん、仮想世界の内容も影響してきますが、それよりも、仮想世界に没入できることのほうが、大きいと思います。集中して物語を追うことで我を忘れる、時には、登場人物に感情移入をする経験は、日常とは違ったハレの世界を実感させてくれます。

「小説は頭を鍛えるには必須」
IT技術の仮想性の大きな特徴の一つは、ゲームにみられるように、仮想世界との相互交流です。仮想世界に「身体的に」働きかけることでその世界を自分なりに変えることができるのです。ここにおもしろさがあり、また有能感も高まります。ITオタクへの道まっしぐらとなるほどの強力な仕掛けです。
ところが小説には、それがありません。いや、あるのですが、仮想世界との相互交流は、「頭の中」だけで行われます。
この違いはかなり重要です。
 小説を読む、味わうためには、かなりの知識量と、その運用力が必要です。これが頭を鍛えることになるからです。
 反射神経だけが鋭い若者ばかりになってしまっては困ります。認知能力の高度化は、これからの社会では避けて通ることはできません。小説を読むことは、頭を鍛えるには必須です。
 やや心の元気づくりから話がそれましたが、こうした背景を念頭において、心の元気づけのための小説の活用を考えてみたいと思います。

「小説で心を元気にするコツ」
  • 好きな作家、シリーズものを見つける
小説を楽しんで心を元気にするには、国語の授業のような微に細にいっての読書は避けたいですね。それは、頭を鍛えるための読書です。
となると、できるだけ、認知的なコストは下げたいところです。そのための一つは、好きな作家や、シリーズものがおすすめです。
なぜかというと、関連知識が頭の中にありますから、どんどん読めるからです。登場人物も同じ場合もありますね。安心してストリーを楽しめます。すぐに没入できます。

  • 読書を習慣にする
それでも、読書は、TVなどよりは向っていく気持ちが必要です。「さー、
本でも読むかー」という気持ちが必要です。
 そういう気持ちになるのを待つのもありだとは思いますが、できれば、その時間、その場所では読書、というようにしておければ、すんなり読書に世界に入り込めます。電車での通勤、通学をされている人は、電車の中は格好の読書場所ですね。
 一日一回の読書の習慣。癒しとしても心の元気づくりとしても、ぜひとも考えてみてください。
 最近は、電車の中でも携帯いじりばかりで読書している人が極端に減ってしまいました。心配です。

  • 内容はそれほどこだわる必要はない
 心を元気にするための小説もあるとは思います。
 以前、仲間の心理学者が、その日の気分にふさわしい本を探すシステムを開発したことがあります。今日は気分が沈んでいるから、こんな小説、今日は心を元気にしたいからこんな小説、というわけです。
 おもしろいシステムだとは思いますが、実際には、なかなか難しいですね。それよりも、本は、積読(つんどく)が必要です。読みたいと思ったときに本を買っておいて、机に積んでおくのです。そして、読みたいとき、読めるときに、そこから1冊引き出して読むのです。
  積読のための本の選択、そしてその中から1冊を選ぶところに、あなたの好み、その日の気分が影響するようにするのが実際的です。