月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

想像力-13年ぶりの広島-

2005-11-17 23:38:58 | 民俗・信仰・文化-時事・コミュニケイション-

 中学3年生の頃、家族旅行で広島に行きました。
 安芸の宮島を見た後で訪れたのは、原爆ドーム。
 そして、平和記念資料館です。
 ですが、中の資料を見るのが怖くて、僕は一人で外で待っていました。

 それから13年。
 一人旅の締めくくりに平和記念資料館に入りました。
 まず目を引いたのが、広島市長による核実験・戦争の実行に対する国内外の政府に対する抗議文の数々。
 ブッシュ大統領や小泉首相に対する抗議文はまだ増えるのかもしれません。
 
 そして、被爆直後の現場の記録の数々。それは見るも無残なものばかりでした。
 しかしながら、それが、人間の所業であるということが事実なのです。
 また、それらの痛みをまた忘れかけているということも事実です。

 そしてまた、資料館へ恐ろしくて入ることができなかった人間も、時がたつと多少心を痛めながらも各資料を眺めることができることになりました。
 それは、客観的に資料を眺めることができるという意味では進歩なのかもしれません。しかし、写真の中の人間が感じた痛みを自分のことのように感じるという想像力は退化したのかもしれないとも感じます。

 この類の想像力の退化が積み重なり、そして退化したことすら忘れた頃に戦争が起こるのかもしれません。  


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