月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

175. 西脇市天岩戸系神社のしめ縄(月刊「祭」2019.9月2号)

2019-09-04 15:29:00 | 屋台・だんじり・神輿-衣装、周辺用具、模型-

●播州北部の屋台

 播州北部の屋台は、元々は平屋根屋台分布地域だったと思われますが、現在は反り屋根屋台が分布しています。
 西脇市の祭りもまた、反り屋根屋台分布地域ですが、独特の風習もみられたので、ここでは西脇市小坂の春日神社と、西脇市大木の平野神社・天一目神社の祭から屋台に関する独特の習慣を紹介します。
 西脇市の祭も「播州祭見聞記」で悉皆調査がなされていましたが、今は閉鎖されています。しかし、小坂の春日神社に関しては奇跡的にサイトの残りが見つかったので参考にしました。
 
 
 
●西脇市小坂春日神社
 

 
春日神社の沿革と祭 地図
兵庫県神社庁のサイトによると、祭神は武甕槌神(たけみかっちのかみ)、天兒屋根命(あめのこやねのみこと)、経津主神(ふつぬしのかみ)、毘売大神(ひめおおかみ)です。天兒屋根命は藤原氏の祖神で、天照大神が天岩戸に隠れた時に招き出すための祭を仕切ったとされています。
 天正五年(1577)の棟札が残っており、その頃から神社があったことがわかります。また、行基が西仙寺を起こす時に鎮護国家の為に創建したという伝承があるそうです。それを即信じるわけにはいきませんが、西仙寺と縁が深かったことが伺えます。
 祭は体育の日前日日曜日と、体育の日です。屋台は5台、全て反り屋根で、昔は赤屋根1台、黒屋根4台でしたが、下に各屋台の写真を貼ります。
 
 
小坂町
 
 
 
郷瀬町  
 
 
西田町
 
 
富吉南町
 
 
富吉上町
 
 
 
屋台泥台には
屋台泥台部分を見てみましょう。まずは、富吉上町です。
 
 
 
泥台部分には、しめ縄があります。
 
 
 
 
他の屋台(富吉上町でないことだけは確かですが、どの屋台か分からなくなりました)にもしめ縄がついています。
 
 
 
 
●平野神社・天目一神社
祭沿革
屋台はこのサイト(管理人の間違いを優しく訂正してくださいます。)によると、市原町、野中町、大木町、前嶋町の4台で全て黒屋根です。
 
 
 
市原町
しめ縄が棒ばなに張られて塩が盛られています。
 
 
前島町 
塩が盛られています。
 
 
大木町
塩がもられていました。
 
塩としめ縄で据えた屋台に登らせないようにしている??
 
と考えたのですが、下の写真を見ると違うことがわかります。
 
 
 
 
野中町
塩が盛られしめ縄が張られています。   
 
天目一神社・平野神社の沿革と祭神
 



 
由緒書によると、天目一神社と平野神社は大正二年に合祀されたそうです。また、天目一神社の祭神、天目一命は、天照大神が天岩戸に隠れた時に、再び招き出すための祭のための刃物や鉄鈴を作ったのが、天目一命だそうです。
 
●岩屋戸
しめ縄を屋台につけた二社を見ましたが、いずれも天岩戸に関係した祭神を祭っていました。
天岩屋戸の場面は下の写真のように、しめ縄を使って表されます。
 

多可郡多可町糀屋稲荷神社坂本屋台の天岩戸の場面の狭間彫刻
 
天岩戸に関わる神を祭る神社で屋台にしめ縄を取り付ける習慣が根付いたのも面白いところです。とは、いえ、祭神を意識してこの習慣が根付いたのかどうかは管理人には分かりません。
 
 
 
 

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