天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「七つの会議」@18作目

2020年08月21日 | 映画感想
「七つの会議」

池井戸潤氏著の同名タイトル小説の実写映画化。
珍しく原作小説既読です。ドラマ「半沢直樹」シリーズが楽しいので敢えて池井戸氏の作品はなるべく読まないようにしてるんだけど(TVドラマの方を楽しみたいのでw)
本作は半沢シリーズではないので映画化される前に読んじゃってました。つーても映画化されても劇場公開時スルーしてたんだけどなw
本作もamazon Primeで無料鑑賞。ありがたやありがたや~

あらすじ
都内の中堅メーカー、東京建電の営業一課で係長を務めている八角民夫(野村萬斎)。最低限のノルマしかこなさず、会議も出席するだけという姿勢をトップセールスマンの課長・坂戸宣彦(片岡愛之助)から責められるが、意に介することなく気ままに過ごしていた。営業部長・北川誠(香川照之)による厳格な結果主義のもとで部員たちが疲弊する中、突如として八角がパワハラで坂戸を訴え、彼に異動処分が下される。そして常に2番手だった原島万二(及川光博)が新課長に着任する。(Yahoo!Movieから丸パク)

まあ原作読んでて内容よく分かってるから多分勝手に脳内補完しちゃってるんだろーとは思うけど…
先ず第一印象は「原作のあの内容をよく2時間の尺に収めたもんだなぁ~!」かな。なかなか脚本が上手いと思います。
原作ではいくつかの章に分かれていてそれぞれの章でスポットライトが当たるキャラクター(その章の主人公と言うべきか)が居て、その人中心に話が動く。
で、それぞれのキャラクター達にスポットを当てつつも最終的に「企業の部品強度偽装と隠蔽事件」という大きなミステリーに切り込んでいく、という内容。
これを映画では章立てずに1つの流れの中でエピソードとして盛り込んで上手くあしらっていた印象です。原作では御前会議に至るまでの事件の全容が明るみに出るまでを原島が1人で狂言回しの役を担っていましたが、映画では女子社員とバディを組ませているのも絵ヅラ的に成功していると思います。
で、本事件のキーマンとなるのが野村萬斎さん演じる「万年ダメ係長のハッカクさんこと八角(やすみ)」、コイツがなかなか不気味な存在として場を引っかき回していく。

ところで、コレは自分の皮膚感覚だから文句付けるのもお門違いなんだろうけど、本作はキャストが非常に豪華な役者揃いなんだけど…なーんか合わない感じがしたと言うか。
まあこれこそ原作小説既読の弊害なんだろうけど、先に原作読んじゃうと原作読みながら勝手に自分の脳内でキャスティングしちゃうんですよね。
それと現実の映画のキャスティングが余りにもイメージ掛け離れてると映画観てて物凄い違和感感じちゃうっていうのかな。
とりあえず自分の中で「八角」は野村萬斎さんのイメージじゃなかったんだよなぁ。もーちょっと無口でいぶし銀的なおっさんのイメージだったんだけど^^;
まあ今でこそボンクラだけど元々は敏腕営業マンだった、という設定だから「実はキレ者(目付き鋭い)」という意味では野村萬斎さんはアリなのかもしれないけどね。
もーちょい言うと及川光博さんも個人的には「原島」のイメージとはちょっと違ったかな。もーちょっと骨太な体育会系キャラをイメージしていたので。

日本の昭和~平成バブル時代から脈々と流れる「モーレツゴリゴリパワハラ」だったり「不正は基本隠蔽体質」だったり、はたまた「同調圧力に屈しやすい日本人気質」を揶揄しまくった内容になってますが、程よくデフォルメしてエンターテイメントとしてそこそこハラハラドキドキも出来る秀逸な脚本だったと思いますね。
若干「御前会議」以降の展開がモヤりますが(どうしても失速感は否めないし、この御前会議ってのも今ひとつリアリティに欠ける嫌いがありますしw)、まーそもそも本作はドキュメンタリーでもなければ「社会派問題作」という程のモノでもない、「企業サスペンス娯楽(THAT'S エンターテイメント!)」レベルのお話ですし^^;
ま、最終的に「悪をくじき正義が勝つ」的な水戸黄門展開も「とは言ってもこんな日本にも自浄作用はある」程度の救いは感じられましたからOKなんじゃないすかねw
ただ、最後のスタッフテロップに被せて八角が語る長セリフ、アレは無くても良かったんじゃないかなー?と思いましたけど。ちょっと盛り過ぎ…食傷気味な感じ。

それにしても…いくら池井戸作品だとは言え、本作のキャスティング「半沢直樹」と余りにも被り過ぎてません?
役者さんに変なイメージ付き過ぎちゃうんじゃないかと勝手に心配になっちゃいますよ。香川さんなんてすっかり「パワハラ顔芸役者」みたいな扱いになってるしさーw
コメント
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