天網恢恢疎にして漏らさず

映画レビューを中心に(基本ネタバレバレです)スキーやグルメ他、日々どうでもいいような事をダラダラと綴っています。

【映画】「最後の決闘裁判」@44作目

2021年10月21日 | 映画感想
「最後の決闘裁判」

エリック・ジェイガー氏著のノンフィクション「決闘裁判 世界を変えた法廷スキャンダル」を実写映画化。メガホンを取ったのはリドリースコット。
14世紀のフランスで実際に起こった、法的に認められた最後の「決闘裁判」をミステリー仕立てに見せています。

あらすじ
中世のフランスで、騎士カルージュ(マット・デイモン)の妻マルグリット(ジョディ・カマー)が、夫の旧友であるル・グリ(アダム・ドライバー)から暴力を受けたと訴える。事件の目撃者がいない中、無実を主張したル・グリはカルージュと決闘によって決着をつける「決闘裁判」を行うことに。勝者は全てを手にするが、敗者は決闘で助かったとしても死罪となり、マルグリットはもし夫が負ければ自らも偽証の罪で火あぶりになる。(Yahoo!Movieから丸パク)

ぶっちゃけ…本作スルーしようかなーって思ってたんだけど、鑑賞した決め手は「キャスト」の良さ。
マット・デイモン×ベン・アフレックのコンビは出演だけでなく脚本にも参加していて(この2人本当に昔から仲良しよな♪)更にそこにSWシリーズでお馴染みアダム・ドライバーが加わって正に「役者は揃った!」と言わざるを得ない素晴らしい組み合わせ。
ちな↑上のあらすじには登場してないけどベンベンはピエール2世役(カルージュとル・グリの更に上司的立場)でめっちゃやーらしい目付きしてる。可愛いっ!!^^

話の構成が、先ずクライマックスの決闘裁判を始めるトコロから始まり、一旦話を戻して「何故決闘裁判に到ったのか」を見せるタイプ…コレが3つのチャプターに別れていて
1.カルージュ(マット・デイモン)から見たこの事件(に到るまでの過程)
2.ル・グリ(アダム・ドライバー)から見たこの事件
3.マルグリット(ジョディ・カマー)から見たこの事件
の順番に同じ出来事を繰り返し見せて行って、その後はALL俯瞰の立ち位置で法廷シーン→決闘シーンに進む、という構成になっていました。

まーだからね、まあ一番最初に見せるカルージュの視点の話が一番周辺の事とか色々雑多なトコロまで見せていて時間も掛かってる訳ですが、とりあえず3人が共有してる情報部分は同じシーンの繰り返しになる訳ですから正直ちょーっとダレる感はある。
いや、むしろこの3人繰り返しのシーンよりもその他のどーでもいい(コラコラ)カルージュの遠征の様子とかル・グリの放蕩っぷりはもーちょっとサラッと流してなるべく3人がそれぞれ情報共有してる部分にフィーチャーしても良かったんじゃないか?つーか簡単に言うとやっぱり上映時間長過ぎるんだよーリドリー・スコット作品ってさー(涙

個人的に面白いなぁーと思って観ていた部分があって。
先ず最初にカルージュの視点の本件が描かれている訳ですが、その時はル・グリは結構いいヤツに見えたんですよ。途中で仲違いみたいな形にはなるものの、それというのもル・グリの問題ではなく自分らの上司であるピエールがル・グリを物凄く買っててそれで明らかにル・グリが依怙贔屓されてる+自分がピエールに冷遇されているから、という風に観てるコチラには伝わってきたんです。要するにコレはカルージュがそう思って当時を過ごしていたから、という事なんですね。
それがチャプター2のル・グリ側からの視点の物語になるとちょーっと様子が違う。観てるコッチは「あれれ?なーんかさっきとキャラ違くね?」てなもんですよw
更に視点がマルグリットに移ると「イケメンだって持て囃されてるけど性格あかんヤツやん。それにうちの旦那も信用してないみたいだしさ」になる^^;
要するに同じ出来事なんだけど立場が違うと見える景色が違ってくる訳ですね。それをチャプターという形で観客に提示して来た訳です。なかなか面白い演出ですねコレは。

その後の法廷シーンになると、まあ~コレはフェミの皆さん怒り狂って爆発しそーな「中世のトンデモ常識」のオンパレードw
「女性は性交しても気持ち良くならないと妊娠しない」とか「強姦では妊娠しないと科学的に証明されてる!(ドヤァ)」とか笑っちゃうよーな台詞目白押し!
マルグリットに向かって「それでアナタはご主人とセックスして気持ち良かったんですか!?」とか真顔で聞いちゃってるんだよアホかとw
まあ、昔はそれだけ女性には人権もなければ完全に「夫の従属物」というモノ扱いだったんですよね。それから案外貞操観念もゆるっゆるっぽいし(苦笑)
「女の敵は女」って言うけど、本作も正にそんな感じのシーン出て来ます。姑まで「私も強姦されました!でも誰にも言わずにやり過ごしたのよ!」って言ってるし。
いやーそれは自慢にはならんのよー、て言うかきっとこの時代の女性は多かれ少なかれセクハラの被害に遭っていて、でもそんなの当たり前の事だし恥ずかしい事だから表立って世間に訴えるなんてしないのが暗黙のルールになっていたんだろうなと。だからこそこの裁判の話が今現在にまで語り継がれているのだろうと。

クライマックスの決闘シーンは、そりゃー「グラディエーター」撮ってる監督さんですもん迫力ない訳がないでしょーよー^^
手に汗握るって言うか、んもぉー痛そうで観ててコッチがムキーーー!ってなるわ←何だよコレw
それからさ…最後アダム・サンドラーの…モロ出てましたけど。まあモザイク掛けられてもモヤるけどさ^^;

と、まあそんなこんなで流石のリドリーおじさんなかなかの長尺ですが最後までグイグイと観客の吸引力も大した物でした。
何よりやっぱ出てる役者がいいと魅せるのよー。マット・デイモンとベンベンが共演するのって実は久し振りに観たけど、彼らって確か共同で映画の脚本プロジェクトだったか?立ち上げて活動していましたよね。アレはまだ続いてるのかな?これからも2人仲良く頑張ってねー♪^^
コメント
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