事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

極私的大河ドラマ史PART18 花神その2

2018-06-19 | 大河ドラマ

その1はこちら

大村益次郎が学んだ適塾関係では、なんといっても緒方洪庵を演じた宇野重吉!これはもう圧倒的。洪庵といえば重吉。もう他の人たちには演じてほしくないくらい(笑)。舞台人である彼のナマ姿を、田舎の高校生は知るはずもなかったけれども、映画「金環蝕」のフィクサー役、「男はつらいよ」の最高作と勝手に断定している「夕焼け小焼け」の老画家役など、ガキですら凄みを感じてましたからね。あ、息子の寺尾聰も塾生で出ていたのか。

佐久間象山には南原宏治。傲然とした感じで刷りこまれました。だから「八重の桜」で奥田瑛二がふんぞり返って佐久間を演じたのはとても納得できましたよ。

土佐藩では坂本龍馬が夏八木勲だったんだけど、妻のお竜を演じたのは島本須美。よけいなことながら、二年後に彼女は「ルパン三世 カリオストロの城」でクラリスの声をやることになります。可憐だ……。

長岡藩では河井継之助が高橋英樹。この大河の出演が契機になったのか、彼は長岡の越後米菓のCMに長く出演。会社の式典とかにも出席するそう。

女優陣では大村益次郎の妻に加賀まりこ、オランダおいねとして知られる楠本イネに浅丘ルリ子。このドラマではシーボルトの娘であるイネと、蘭学の師である大村との間には恋愛感情があったかのように描かれている。吉村昭の「ふぉん・しぃぼるとの娘」では、ある理由で男性不信に陥っているイネは、大村益次郎を確かに尊敬していたが、思慕の情があったかについては否定的。でも襲撃された益次郎を看取ったのがイネだったのは史実のようだ。

桂小五郎(米倉斉加年)の妻を演じたのは波乃久里子。十八代中村勘三郎のお姉さん。芸妓時代に小五郎を助けた逸話は有名だが、粋なお姉さんって感じはさすがだった。

ああまだこのドラマについてはいっぱい語りたい。以下次号

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極私的大河ドラマ史PART17 花神その1

2018-06-18 | 大河ドラマ

PART16「風と雲と虹と」はこちら

1977年は「花神」。タイトルは花咲か爺さんのこと。

原作の司馬遼太郎は、主人公の大村益次郎を、枯木に革命の花を咲かせた人物として、この軍略の天才を描いた。靖国神社に彼の銅像があるとはいえ、決してメジャーな人物ではない。歴史知らずの高校生だったわたしも当然知りませんでした。演じたのは中村梅之助。知りませんでした(笑)。

ということでこの大河は、大村益次郎を支柱にしながらも、「世に棲む日日」の吉田松陰と高杉晋作、「峠」の河井継之助の物語も加えて幕末を巨視的(なにしろ司馬原作だから)に描いた。小松左京は「司馬さんは長州嫌いだから」とそのころ結論づけていたので、長州中心の原作がセレクトされたのは皮肉。しかしその結果……

めちゃめちゃに面白かったんですよ。わたし、大好きでした。というかね、この大河のキャスティングで今でも幕末の人物を思い起こします。刷りこみ、ですね。主役が失礼ながら(当時は)地味だったけど、他は超豪華キャスト。列挙しますよ。

まずは長州組。

吉田松陰は篠田三郎。テロリストの元祖とまで近ごろは言われる彼を、清潔な印象の篠田に演じさせたのは正解。幽閉されてもなお毅然としている感じがよかった。

高杉晋作は中村雅俊。上洛した徳川家茂に「よ!征夷大将軍!」と声をかける軽さと、新婚初夜に妻(このころの岡江久美子は匂うように美しかった)に溺れまいと決意するあたりの激情の共存は、青春ドラマで長く主役をはった中村雅俊の経歴がものを言ったと思います。

久坂玄瑞は志垣太郎。70年代の志垣太郎といえば絶好調で、徳川吉宗を描いた「男は度胸」で、天一坊の役(このドラマでは吉宗の実子という設定)でブレイク。映画「狼の紋章」では松田優作をさしおいて(笑)、主役の犬神明を演じてましたもの。だから逆に久坂玄瑞という人物が、維新に大きな影響を与えたのを配役で納得。

いい味を出していたのが伊藤博文の尾藤イサオと井上馨の東野英心。まだ俊輔、聞多と呼ばれていたチンピラっぷりがよかったなあ。以下次号

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明細書を見ろ!2018年6月号 47と13、あるいは112

2018-06-17 | 明細書を見ろ!(事務だより)

2018年5月号「現給保障終了。」はこちら

本校の職員が自家用車で山形県庁に出張するとします。

正確には「酒田市××町13-1」から「山形市松波2-8-1」へ向かう。

ところが、山形県職員の旅費計算は、いちいちそんな住所まで忖度してはいられないので、「基準地」というものを設定して、わりとおおざっぱに計算します。

本校の基準地は「酒田市酒田」、県庁の基準地は「山形市松波」。このふたつの距離は116.7㎞ということになっています。

ここで酒田の人間は迷う。この数字って、どっちの道を使ったものだろうと。

とにかくスピード優先で、早く県庁に着きたいと思えば、誰だって112号線を通って自動車道を突っ走る(寒河江のオービスに気をつけて)。

それほど急がず、のんきにドライブしたい人は47号線で新庄に向かい、そこから13号線を南下するだろう。いわゆる、下道(したみち)。こちらは東根のオービスに注意。

このふたつの経路には、実は距離上の差はほとんどありません。ネットでルート検索すると(便利な世の中になったものだ)、112号線を利用すると119.9㎞、47+13号線なら117.3㎞。その差はわずか2.6㎞ですから誤差みたいなものです。

結論から言えば、二点間の最短距離で計算するのが建前なので、あなたの出張旅費は「下道」で計算されます。

※県職員の旅費に関する条例はこう解説されています。

「県費の適切な支出を図るという趣旨から『最も経済的な通常の経路及び方法』により計算するのが原則である」

〇通常の経路とは、当該区間を旅行する場合に、社会一般人の通常の経路の意味である。

〇最も経済的とは、通常の経路がただ一つのものであればその経路によるが、二つ以上あった場合には、最も安あがりの経路によって計算する。

……額は往復の距離を合算して116.7㎞×2=233.4㎞の整数部分233に37円をかけて8621円。これに現地経費200円が加わって8821円が支給額。

え、その37円だの現地経費だのって何だですって?話が長くなるから省略!だいたい、県庁往復だと自宅から直行直帰することが多いので通勤手当と調整されて……あーめんどくさい。

そういう話がしたいのではなかった。実は酒田~山形間の所要時間がずいぶんと短縮されたことを説明したかったのです。その昔、県庁に向かうときは、まず3時間20分のドライブは覚悟しなければなりませんでした。ところが……以下次号

画像は「デッドプール2」Deadpool 2

主演:ライアン・レイノルズ、ジョシュ・ブローリン

R指定なので残虐描写の連続。そのくせファミリー映画だと主張するあたりがひたすら笑えます。

「家族なんてクソだ(Family is an F-word)」

なんてセリフまであるくせに。

使用曲はエア・サプライ、パット・ベネター、ドリー・パートン、そして「ラ・ラ・ランド」につづいてa-ha……21世紀の映画とはとても思えません(笑)

 

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「デッドプール2」Deadpool 2 (2018 20世紀FOX)

2018-06-16 | 洋画

1作目につづき、今回もはまってしまった。

オープニングから泣かせる。なんとエア・サプライのI’m All Out of Loveでスタート。しかも画面に向かって盛大にタバコをスパー……21世紀の作品とはとても思えない(笑)。

他にもわたし向けのサービスはたくさんしこんであって、フラッシュダンスもどきは序の口。A~haのTake On Me(近ごろ、何回この曲をハリウッド映画で聴いたことだろう)はアンプラグドバージョンでほぼフルコーラス、「アナと雪の女王」はバーブラ・ストライザンドの「愛のイエントル」のパクリだと誰も気づいていないネタを強調、勤勉に悪人退治をやっているシーンにはドリー・パートンの9 to 5が流れ、クライマックスはなんとパット・ベネター!

1960年生まれのわたしは狂喜。でもはたしてお若い方々はどのようにこんな古いネタを感じたのだろう。

ま、いいか。MARVELファンには、ジョシュ・ブローリンに向かって「サノス!」と話しかけて苦い顔をされるという楽屋オチが用意されているし、X-MENの世界観も強調されている(だから『あの人』の特別出演は必至)。

「ウルヴァリンを殺したスタジオがお送りする!」

ってコピーはしかし爆笑だな。

これだけ大量のギャグをぶちこみながら破綻していないのは、なにより演出と編集のセンスがいいからだ。R指定なので上半身と下半身がぶち切れるってシーンもあるんだけど、それ以上にその後の状態に気が遠くなった。これはお子様には見せられないよねえ!ジョン・ウォーターズはどう思ったのか知りたい。

このシリーズは女の趣味がいいんですよ。恋人役のモリーナ・バッカリンはもちろん、単に運がいいだけのミュータント(笑)のザジ・ビーツが最高。それに日本からは忽那汐里を抜擢するあたり、わかってるなあ。これだけの役者をそろえたらデッドプールも

「家族なんてクソだ(Family is an F-word)」

なんて言っていられなくなるわけだ。

興行的にも作品的にも大コケした「グリーン・ランタン」(ライアン・レイノルズ初の大役)を徹底的にこき下ろすなど、自虐ギャグもてんこ盛りで、だから他の俳優たちも喜々として特別出演するんだろう。にしても、透明人間が“あの人”なのにはびっくり。第三作、待ってますよ。

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髙田文夫

2018-06-14 | 芸能ネタ

高田文夫の大衆芸能図鑑」「1981年のビートたけし TOKYO芸能帖」と、高田文夫の著作をつづけて読んだのでご紹介。この人の(特に関東の)芸能への愛着はたいへんなもので、年齢を重ね、病気にもなり、彼がこう考えているのがわかる。

「おれの経験をできるだけ遺しておきたい」

後進の放送作家や芸人たちへの愛情が著作からあふれるほど感じとれる。もちろん、笑いにコーティングしてあるのがこの人らしいところ。いい味だしてるエピソードがいっぱい。

・ハガキ職人といえばその昔、テレビ番組になる前、ニッポン放送で「欽ドン!」(萩本欽一)をやっている頃、とぼけてハガキで投稿していたのが永六輔。何回か採用されていた。

・「私が人生で一番嬉しかったことは……オールナイトの“村田英雄”コーナーで私のハガキが高田センセーに選ばれて、賞品のムッチートレーナーが青森の家に届いたこと」雑誌の対談でナンシー関

・(伝説のヤクザ)花形の千本ノックを受けた我ら“少年シャークス”は渋谷松濤の“ジャニーズ”と対戦した。この野球チームが数年後、芸能界入りした元祖ジャニーズとなる。あおい輝彦らである。野球チームには子供時代の井上順もいたと記憶。

・2016年に両国国技館で相撲を観てたら、若い女の子に声をかけられた。

「私、(キャンディーズの)ミキの娘です」

・NHK「こども面白館」を立ち上げるのはいいが、生対応できるレポーターはいるんだろうか。すでに数百人のタレントと会ったが、アドリブで喋れるのは……?そんな中に一人、とびっきり反応のいいのがいた。その娘は、ついこの前まで“あゆ朱美”といっていた歌手で、今は戸田恵子と名乗っている。

……こんなあふれるエピソードが彼の芸の基礎になっている。すばらしい。

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「その夜の侍」(2012 テレビマンユニオン=ファントムフィルム)

2018-06-13 | 邦画

小さな町工場を営む気弱な男、中村(堺雅人)。彼は糖尿気味なのにプリンのつまみ食いがやめられない。買い物先から「プリン食べちゃだめよ」と妻(坂井真紀)から留守電メッセージが入る。しかしその妻が買い物から帰ってくることはなかった。木島(山田孝之)が運転し、小林(綾野剛)が同乗する車にひき逃げされたからである。

5年後、木島の出所を待って中村の復讐が開始される……

展開はこのようにシンプルなものだけれど、この映画(原作は舞台劇)は少なからずそのシンプルなストーリーから逸脱する。

仲間(田口トモロヲ)に向かってすら灯油をぶっかけ

「バーベキュー!バーベキュー!」

と叫ぶ木島の狂気。その狂気に違和感をいだきながらも友人でいる小林。

工事現場の警備員のバイトをしている由美子(谷村美月)は、木島に強姦されながらも彼と関係をつづける。

中村の亡妻の兄(新井浩文)は中学教員で、義兄に再婚を進めながら、木島に脅迫され、殺されそうになる。

みんな、ちょっとずつ変なのである。

特に変なのが中村で、プリンがやめられず、デリヘルの女の子(安藤サクラ!)とはセックスできず、妻の留守電メッセージをくりかえし聴く弱気は変わらないが、同時に出刃を持って木島を尾行する執拗さが共存している。

そしてついにその夜がやってくる。

復讐を完遂してはあまりに類型だなあ、と思った瞬間にこう来たか。中村が木島に投げつけた言葉こそが最高のツイスト。すばらしい。

脚本と監督は「葛城事件」の赤堀雅秋。製作はなんとテレビマンユニオン。

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「鬼の橋」 伊藤遊著 太田大八画

2018-06-12 | 本と雑誌

 

愛読しているブログで絶賛されていたものだから、これはわたしも読んでみなければとチェック。「ぐりとぐら」やミッフィーで有名な福音館書店の本だから、うちの図書館に入れるのに都合もいいという計算もありました。

ということで司書に例によってリクエスト。でもあっさりと

「ありますよこの本。きっとどこの学校図書館にもあると思います

ええええっ。そんなに高名な作品だったのか。

「はいどうぞ」

表紙についている丸いシールですべて理解できた。そこにはこう書いてあったのだ。

「第45回青少年読書感想文全国コンクール 課題図書」

そうか課題図書なのか。わたし、福音館書店の本を読むのも久しぶりなら、課題図書を読むのも久しぶりだ(笑)。

お話は、実在する平安初期の官僚、小野篁(おののたかむら)の少年時代を描いたもの。しかしこれ本当に子ども向けの本なんだろうかと戸惑う。妹の事故死に責任があるのではないかと思い悩みながら、日々を鬱々と過ごす少年。このニヒりっぷりがまず子ども向けじゃない。

そこに生きることに必死で、かつ前向きな少女と、冥界から逃避してきた鬼がからむ。鬼とは人を喰らう存在である、という設定が憎い。

「鬼の橋」とはなかなか考えたタイトルで、冥界と現世、人と鬼の境目を象徴しているのだろう。鬼が必死で橋を守ろうとするあたりの激情には感動させられる。坂上田村麻呂をおちょくっているあたりもいい。

鬼は人となり、少年は大人になって旅立つ。きわめてまっとうな成長の物語。課題図書おそるべし。福音館おそるべし。わたしの読書感想文は以上です。もっと長くないと先生に怒られる?っていうかこんな上から目線の感想文を小学生が書いてきたら(笑)。

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勝手に人生相談Vol.15 浮気なぼくら~山本潤子 赤い花白い花

2018-06-11 | うんちく・小ネタ

山本潤子 赤い花白い花

Vol.14「ブログ亭主」はこちら

30代の公務員男性。幼い子どもが2人いるのに、妻が複数の男と関係を持っているのが分かりました。

結婚前も妻は浮気をし、どちらの子どもか分からないというので、中絶したことがあります。それでも関係が続き、私が相手に電話をして別れさせました。

ところが最近、その男とまだ連絡を取っているのが分かりました。さらに、私が単身赴任していた頃から別の男との関係も続き、そして、もう一人、別の男の存在も発覚したのです。遡れば、さらに複数の男の影がちらつきます。

妻は元々、浮気を悪いと思っていない節がありましたが、子どもが出来れば変わると思っていました。離婚を考えたのですが、私も不倫した過去があります。お互いに誓約書を書き、子どものことも考えて離婚しない結論になりました。

しかし、妻が浮気をやめるかどうか考えるとゆううつで、子どもが自分の子かどうか不安です。何が正しい選択肢か分かりません。(熊本・F男)

えーと、この奥さんはいったい何人と現在進行形で不倫しているんでしょう。この相談を読んだ全員がつっこんだはずです。

「この奥さんが浮気をやめるわけないだろ」

誓約書?そんなものに何の意味が。浮気をする以上に、次々に関係が“発覚”するあたり、実は反省も後悔もしていないのは確実。

このケースへの回答は簡単で

「奥さんが浮気をすることを前提に考える」

これだけでしょう。

あなたの奥さんは浮気を続ける。あなたは嫉妬し、家庭は暗いものになり、子どもは泣き叫ぶ……これが最悪の展開。

あなたの奥さんは浮気を続ける。それは性格の一部だと割り切って夫婦でありつづける。この選択肢をあなたがとれるか、問題はそれだけです。

「誰の子かわからないから中絶した」

経験がある夫婦に、そんなことが出来ようはずもないとは思いますが。

しっかりしてください。奥さんが産んだ子は、あらゆる意味であなたの子ですよ。愛してください。

本日の1曲は山本潤子の「赤い花白い花」。カレン・カーペンターと同様に、きわめて上質な楽器のような声の持ち主。しかし年齢を重ね(いろんなことがありましたし)、近年はこう断言できます。

「上の世代には美空ひばりがいたかもしれない。でもわたしたちの世代には山本潤子がいる!

Vol.16「夢に生きる人」につづく

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「愚行録」 貫井徳郎著 東京創元社

2018-06-10 | ミステリ

うわ。「修羅の終わり」につづく、貫井徳郎お得意の絶望的な(近××姦の)お話。これを妻夫木聡満島ひかりで映画化したとは……絶対に見なくては(笑)

いやはやそれにしても人間は誰しも邪悪さを抱えているもんなんだなあ。慶応の学生間ヒエラルキーなど、いかにもありそう。それを早稲田出身の貫井が描くあたりが妙味。

読み終えてから著者紹介を読むとなお笑えます。やるなあ東京創元社。笑ってる場合じゃないくらいに悲惨なお話なんだけど。

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「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」Avengers: Infinity War (2018 ディズニー)

2018-06-09 | 洋画


もちろん今回も大ヒット中のMARVEL漫画まつり。前回のブラック・パンサーで客層を広げた結果か、これまでで最高の興行収入になっている。まあ、日本ではイマイチってのはいっしょですが。

商売として大成功しているので、例によってとんでもない製作費がぶち込まれているのは一目瞭然。登場するキャラの配分もかなり考えてあって、誰のファンでも納得できるようになっている。わたしは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」が好きなので、ゾーイ・ソルダナ演じるガモーラが大きくフューチャーされていたのがうれしかった。

にしても、MARVELファンはこの世界観をちゃんと把握してるんですかね。ほとんどを映画館で観ているわたしにしても、この映画を見る資格がないかのような疑問がまず。

「サノスって、誰だっけ」

どうもすみません(笑)。

まあ、ディープなファンなら「いよいよ出たかサノス。前回はちょっとだけだったもんなあ。おー、演じているのは××か」なんてネタで盛り上がるんだろうし(フォーラム山形の若い男性客は上映前に熱く語ってました)、そうでもないわたしのような人間でも「石を6個集めるのか……ドラゴンボールじゃね?」程度でも、とにかく画面が派手だから楽しめる。

でもね、宇宙の至るところで「その半分を虐殺する」ことが善行だと信じるサノスの発想がよくわからない。まるで「2001年宇宙の旅」のように悪役が自省するってどういうこと?

しかもラストに至って……次のアベンジャーズはどうやってつくるのだろう……あ、それで最後の“あれ”が効いてくるってことか。これからもどんどん儲けるってことですかディズニー&MARVEL!

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