第二話「栄一、踊る」はこちら。
あれ?家康出てこないのかしら。よかった。ちゃんと登場。
北大路欣也がアバンタイトルに出ないだけでちょっとさみしい。どれだけ徳川家康が物語るという設定が効いていることか。
「さればでござる」
と近松門左衛門(江守徹)に徳川吉宗を語らせた「八代将軍吉宗」のやり方をいただき、しかもその語り手ははるかに時代をさかのぼった、前年の大河である「麒麟がくる」における麒麟かもしれなかった大権現様に。
これはうまいですよね。
おそらくは渋沢栄一の吉沢亮と、いとこを演じる高良健吾(このふたりのキャスティングは逆でも不自然じゃない)の若さを強調する演技は、静かに父親に反発する徳川慶喜役の草彅剛との対比でしょう。わかりやす。
にしても草彅剛は本当にいい役者になってたんですねえ。屈託をかかえながら、我を通すあたりの苦みを自然に演じている。
さあ商売。父親に随行して初めて江戸に出た栄一は、その賑わいに驚く。呉服商として当代一だった越後屋の前も通るけれども、もちろんまだライオン像はありません。
地元の藍は虫害。父親は栄一をビジネスパートナーとは認めていないけれども、母は捨て身で息子を応援。栄一は翌年以降のことまで考えた商いを敢行。最初から商才を。さすが、日本の資本主義の父だけのことはある。
なるべく渋沢栄一のことは知ることのないようにしているんですけど、こうなると最初から連戦連勝のお話?ま、そうはならないでしょうが。
第四回「栄一、怒る」につづく。