山本陽子篇はこちら。
寺田農が出てくると、場がこの人でいっぱいになる。すごい存在感。その存在感があるからこそ、宮崎駿は「天空の城ラピュタ」でムスカに起用したのだろう。
「どこへ行こうというのかね?」
「見ろ、人がゴミのようだ」
「目がぁぁぁぁあっ」
ラピュタの素晴らしさに、彼の貢献がどれだけ大きかったことか。
わたしは去年、いろんな事情があってサングラスを新調した。サリバン先生のようなグラサンにしようと企図したのだ。イメチェン。実際にかけてみたら大満足。
でも職場にかけていったら同僚に即座に言われた。
「あ、ムスカ」
寺田農は、わたしの世代にとっては相米慎二作品のイメージが強い。日活ロマンポルノの傑作「ラブホテル」はすばらしかった。地元の港座という映画館で見たんだけど、後ろで見ていたじいさんが
「うまい。」
とラストの桜吹雪のシーンに感じ入っていたことを思い出します。
舞ちゃん篇につづく。
雲ノ糸篇はこちら。
「なんとこの日も三日月軒高砂軒はお休みだったので、緊急避難的にわたしのフランチャイズである庄家へ。おまかせランチ」
「伍長の引きの弱さはもはや伝統芸ですよね」
「こんな大盛りのご飯は食べられない!でもおいしかったので完食」
さーせん、昨日も監査が終わったあとにここで飲んでました(笑)。」
そういう学校事務職員なんす。
にしたってさあ、あまりにも忙しすぎてセブンイレブンのサンドイッチとか、転出者が提供してくれたお菓子をむさぼり食いながら(あのね、おみやげみたいのはやめてね)食いつないでいたのはわたしが仕事ができないからです。
「なにしったなやあ(どうしてるんだ)」店主。
「痛風で身動きできなかったの」
お昼は官庁街だから公務員たちがいっぱい来てるんだね。若い職員は「すいませんご飯は大盛りで」
絶句する。
馬場篇につづく。
北米興行成績篇はこちら。
それではマイベストの最終回は恒例の世界興収篇。
1 Barbie $1,445,638,421 $636,238,421 $809,400,000 56%
2 The Super Mario Bros. Movie $1,361,975,030 $574,934,330 $787,040,700 57.8%
3 Oppenheimer $960,428,540 $329,862,540 $630,566,000 65.7%
4 Guardians of the Galaxy Vol. 3 $845,555,777 $358,995,815 $486,559,962 57.5%
5 Fast X $704,875,015 $146,126,015 $558,749,000 79.3%
6 Spider-Man: Across the Spider-Verse $690,615,475 $381,311,319 $309,304,156 44.8%
7 Wonka $629,732,387 $218,232,387 $411,500,000 65.3%
8 The Little Mermaid $569,626,289 $298,172,056 $271,454,233 47.7%
9 Mission: Impossible - Dead Reckoning Part One $567,535,383 $172,135,383 $395,400,000 69.7%
10 Elemental $496,444,308 $154,426,697 $342,017,611 68.9%
毎年言っているように、最後の数字は北米以外でどれだけ稼いだか。だから数字が高くなればなるほど海外で強かったというわけだ。それを考えると、スーパーマリオは北米で本当に健闘したんだなと納得。
で、どんな作品が海外で強いかというと、それはやっぱりシリーズもの。数字的にものたりないと言われているミッション・インポッシブルにしても、やはり海外では強いのである。ワイルドスピードの新作を外国人たちは待っていたんだねえ。
ただ、MARVELの退潮はびっくりするくらい。「エンドゲーム」でみんな燃え尽きちゃったのかなあ。中華圏におけるバカみたいなヒットはなかった模様。そんななか「鬼滅の刃」「ドラえもん」「名探偵コナン」は着実に稼いでいます。やるなあ日本のアニメ。今年は「ハイキュー!!」がえらいことになっているし。
忘れてた。国内興行成績篇につづく。
第11回「まどう心」はこちら。
藤原道長の妾になることを拒否したまひろのお話でございましてな。あ、今日はBSのオンエアの後に古今亭志ん生の特集だったんで口調がちょっと入ってます。息子たちの馬生と志ん朝も入っちゃうかもしれませんけどそこはね、ねえ?
お妾さんとくれば、根岸の里のわび住まい、ってぇことで、旦那が来るのを三味線弾きながらじっと待ってるちょいと色っぽいお姐さん、ぐらいのことだと思ってましょ?でも紫式部はそうじゃなかった。
で、道長(柄本佑)はそれじゃあってんで、自分の栄達に役立つ顔も知らない左大臣家の源倫子(黒木華)との縁談を進めるように父親(段田安則)に進言する。
惚れた女にふられたらこうなっちゃうんでしょうねえ。あたしは、女房一本やりの人間なんでこのあたりはよくわかんないんですけど。なに笑ってんですか。そしたらこのお姫さんが道長にぞっこんだったんですな。
まず自分の父親がお妾さん(藤倉みのり)を介護する姿を見せて、こういう関係もありなのかとまひろに思わせるのが、まあ伏線ですわ。
んで、まひろが道長に妾になってもかまわないといいそうになる直前に、道長は左大臣家の婿になると語らせる。んーさすがうまい人がホンを書いてるもんだ。
お妾さんとか愛人というのは、さっきも言ったようにあたしには縁遠い話なんですけど、ある店で飲んでたら、そこのママさんが地元じゃ有名な人の二号さんだって聞かされてびっくり。んで、自分が昔から知ってた人が、もっと有名な人の愛人だったって聞いてもっとびっくり。
お妾さんの世界は深いんですねえ。ただ、あんたもそっちに行っちゃいけませんよぉ。いろんなことがおじゃんになるから。
第13回につづく。
とみ将篇はこちら。
「伍長、言っていいですか」
「言うんだろ?」
「玉勘のうな重は最高でしたね」
「クミアイに入っていてよかったなあ」
「肝吸いと玉子焼きも最高」
「さあ、仕事するぞ」
「したくない」
おそらく十数年ぶりの玉勘。うまい。玉子焼きがまたうまいんだ。じーんと上を向く。
なんと吉野家篇につづく。
マイベスト映画篇はこちら。
さてそれでは北米興行成績篇を。
1 Barbie $636,225,983 Warner Bros.
2 The Super Mario Bros. Movie $574,934,330 Universal Pictures
3 Spider-Man: Across the Spider-Verse $381,311,319 Columbia Pictures
4 Guardians of the Galaxy Vol. 3 $358,995,815 Walt Disney Studios Motion Pictures
5 Oppenheimer $326,101,370 Universal Pictures
6 The Little Mermaid $298,172,056 Walt Disney Studios Motion Pictures
7 Avatar: The Way of Water $283,067,859 20th Century Studios
8 Ant-Man and the Wasp: Quantumania $214,504,909 WaltDisney Studios Motion Pictures
9 John Wick: Chapter 4 $187,131,806 Lionsgate Films
10 Sound of Freedom $184,177,725 Angel Studios
アバターの新作は前年の分をカウントしていない順位です。日本の興行成績と歴然と違っていることがこれからわかっていただけると思います。「バービー」はまるで客が入らなかったし「オッペンハイマー」はまだ公開もされていない。原爆云々以前に、なにか不自然なものを感じます。
コロナの影響を次第に払拭しつつある映画界だけれど、脚本家組合のストライキで製作が大幅に滞ったのはしんどいことでした。しかしそのおかげもあって
51 Godzilla Minus One $45,580,412
58 The Boy and the Heron $35,846,555
このヒットにつながり、そして山崎貴と宮崎駿にオスカーをもたらしたとも考えられます。邦画界も、本気で海外市場を意識するようになったので、作品が変容していくことになるかもしれない。楽しみだなあ。
世界興収篇につづく。