先生1人多い…教委、学級数変更知らされず配置
2014年05月13日 読売新聞
茨城県境町伏木の同町立境第二中学校で、4月に入学した生徒数が予定より減っていたにもかかわらず、県教育委員会に学級数変更の報告が行われなかったため、教員が1人多く配置されていたことが12日、わかった。
県教委と町教委では同中の男性講師を配置換えし、是正することを検討している。
町教委によると、県教委が学級数に応じて教員を配置するため、1月、町内の各学校から新年度の学級数をまとめた報告書が、町教委を通じて県西教育事務所(筑西市)に提出された。当時の同中普通学級の入学予定者は81人。1学級の生徒数は40人が上限とされており、同中については3学級予定と報告された。
2月に入り、小学校側から2人が私立への進学を決めた旨、同中と町教委に連絡があった。入学予定者は79人となり、2学級に収まったが、同中からは学級数変更の報告書は提出されず、町教委も気づかないまま新学期が始まった。
町教委が5月、学校基本調査のために学級数などをまとめていたところ、女性職員が同中の生徒数に対して学級数が多いことに気づき、教員も多く配置されていたことがわかった。
町教委は同事務所に報告して対応を協議。年度途中に教諭の異動は通常行わないため、体育担当の講師に退職手続きを取ってもらい、新たな配置先に着任させることを検討している。
生徒への影響を考慮し、学級数や担任は変更しない。町教委の増田雅一教育長は、「申し訳ない気持ちでいっぱい。生徒への影響が最小になるよう、教委としても全面的にバックアップする」と話している。
……この業界以外の人が読んだらどう思うのだろう。けしからん!と思う人もいれば、なにをそんなに大騒ぎを?な人もいるだろう。
怒る人には二種類いると思う。
・定数把握という重要な仕事を怠るとはなんたることだ
あるいは
・だからといって途中で人を引き上げるとは学校はたまらないだろう
とか。国庫負担制度から逸脱したとしても、町単独予算でなんとかならないのかとはわたしだってちょっと考える。講師の給与の2/3を支出すれば……無理なんでしょうね。
にしてもこの町ではどんな形で学級数を把握していたのだろう。こちらでは何度も何度も学級編成がらみの調査がやってきて、3月31日の正午になってやっと確定する仕組み。ちょうどわたしが勤務する学校は、ふたつの学年が微妙な線だったので最後までドキドキさせられた。まあ、いつまでも確定しないので欠員補充がやたらに多い編成になってしまったのだけれど(泣)。
しかしこちらではうかがい知れない事情もあるんだなあと考えこまされる。私学とのからみだ。こちらの地区には私立の中学校が存在しないので、学区に居住する該当年齢の子どもは、(特別支援がらみでいろいろあるとはいえ)すべてうちに来ると構えている。たまに、親の転居がらみで県外の私学に入学する児童もいるけどね。
近くに私学が存在するとなれば、小学生の私学志望者がどれだけいるかは確かに大きな課題だ。つくづくそう思った。この学校の場合、2名の把握が遅れたことで……いや違うのか。2月中に小学校から連絡があったということは
・中学校が小学校からの連絡を失念した
・中学校は町教育委員会に連絡済みだと誤解した
・教育委員会は口頭で連絡を受け取ったが文書が来ないので黙殺した
・誰かがなんとかするだろうとみんなが思っていたのでこうなっちゃった
さあどれでしょう。最悪なのは
・ばれないだろうとたかをくくった
でしょうか。昔はそういうことが……くわばらくわばら。
実はもうひとつ考えさせられたことがあって、町教育委員会の職員が学校基本調査のために精査していて発覚、って、やっぱりあの調査は有効に機能していたんですねえ(笑)。びっくりなのはそこで“女性職員”と形容されていること。なんの意図が?よけいなことをしやがってとか?あるいは女性記者なので応援?
ったく何のためにやってんだ、どっかの広告代理店に丸投げするような調査方法で、ほんとに活用されてんのか、と思われたあの調査も当初の目的以外のところで意外な成果が。なるほど。
でもね、任期途中で退職を強いられるという講師の気持ちを考えると、ちょっと笑いごとじゃないなあ。
画像は、コンビニに行くたびに買ってしまうちばてつや「おれは鉄兵」。主人公が成長するごとに小さくなっていく(笑)大好き。なんで(マガジン連載だったのに)集英社から発売されてんのかな。