事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

今月の名言 2015年3月号PART2 今度だけは褒めてやる

2015-03-31 | 国際・政治

PART1「釜の底」はこちら

(2月)1日の日曜日、我が家の食卓に1人分のお箸が追加された。後藤健二さんの分だ。20年前、20代だった後藤さんは私のアシスタントディレクターを務めてくれた。いつも笑顔で、スタッフから「ゴトケン」と可愛がられた。

テレビの取材で軍事政権下のミャンマーに入った。工事現場で小学生くらいの子どもたちが働いていた。女の子にゴトケンが年齢を尋ねた。「18歳」と答える。ゴトケンは「ウソだろ、10歳以下だろ」とつぶやいた。

口紅を塗り、年齢を偽って子どもたちは働く。たった一椀(わん)のカレーを囲む家族の暮らしを支えている。帰国の日、ゴトケンは仲良くなった子どもたちの手を握って約束した。

「きっと戻ってくる」

後に数々の紛争地を取材し、ビデオを見せに来てくれた。戦争で苦しむ人々の姿が濃厚に収録されていた。だが、どこの場所かなど説明的シーンがほとんど無い。正義感と情熱がそうさせるのか。試写のたびに撮影の下手さを叱り、一度も褒めてあげなかった。

帰ってこいよ、ゴトケン。今度だけはしっかり褒めてやるから。おまえの人生を。

テレビプロデューサー 関根輝水(東京都 62)

……2月7日付朝日新聞の読者投稿欄「声」によせられたもの。すでにネット上で評判になっています。凡百の自己責任論や、前号の鴻池某の発言と比べてもらえれば、人間の出来が違うことに思い至る。世界には貧困があふれていることを、政治的主張よりもまず現実として知らしめたいと考えた後藤氏の気持ち。受け取る人間によってこうも解釈がちがうものなのだろうか。

為政者にとって都合のいい情報だけを国民は受け取っていればいいと考える、そんな政治家が誰のためにどんな政治を行っているか。人質のことなどほとんど顧慮しない声明を発した首相、その首相がヨルダン国王に頭を下げたなどと大嘘の報道をした大新聞……後藤氏の死は、少なくともこれらの現実をあからさまにした。

そしてもうひとり、後藤氏の死に正当な評価を与えた人がいる。以下次号

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今月の名言 2015年3月号PART1 釜の底

2015-03-30 | 国際・政治

黄金の月 - スガ シカオ(SUGA SHIKAO)

2015年2月号「内向きの人」はこちら

近ごろ、新聞を読むのがこわい。釜の底が抜けたかと思うような稚拙な放言が数多くなされ、それは発言者の知的レベルをしめすだけだとしても、そのあとで妙に開き直るのである。それがどうかしたのかと。やはり、世間の釜の底が抜けたのだろう。居心地の悪い世の中だ。ということで今月は名言が1回ではおさまりきれません。

「『絶対に行ったらいかんよ』と言われる所は行かんことだ。日本中が大騒ぎし、官邸の国旗が半旗になる。こんなおかしな話はない」

鴻池祥肇(こうのいけよしただ)参院議員の発言。チュニジアの博物館襲撃事件で日本人を含む多数の被害者が出た事件に関して。この鴻池という人はこりない人で、かつて情宣でも特集したのだが、防災大臣時代に

「(長崎における幼児殺害事件の加害者の)親なんか市中引き回しのうえ、打ち首にすればいい」

と断じたり、何度も女性スキャンダルでもめている。それでも放言がやまないのは「みんな、実は俺と同じことを思っているんだろう?」という妙な自信があるからだと思う。今回の発言は自民党内部の会議で発せられたものだが(報じているのは朝日だけか?)、いまや極右政党と化した自民党内部ではそうなのかもしれない。でもね、普通の人はそんなことを考えてはいませんよ。

鴻池のような人間は、イスラム国によって殺害された後藤健二氏は、お国の言うことをきかないから因果応報だと思っているのだろう。思ってますよね確実に。しかし、違う側面であの事件をとらえた人物もいた。以下次号

本日の一曲はスガシカオ「黄金の月」。さくらんぼテレビの穴埋めCMで聴いて呆然。なんていい曲なんだ!当時の校長の娘がさくらんぼテレビに勤めていたので曲名を訊いてもらったら(これもしかしいかがなものかと)、なんと「あのビデオ、おれの娘つぐったんけー」偶然とは恐ろしいものなり。

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聞いたり聞かれたりPART1 和田誠さんのこと。

2015-03-29 | 本と雑誌

わたしたちは書店やコンビニに行けば彼のイラストに会える。テレビを見ていて、油断していると彼のアニメーションが流れる。あふれるほどの作品がわたしたちを取り囲んでいるので意識しないかもしれないけれど、彼=和田誠と同時代に生きているのって、とてつもなくすばらしいことなんじゃないか。

先日の読売の編集手帳(朝日の天声人語よりもはるかにすばらしい)は読みごたえがあった。NHKの伝説の音響マンとよばれた人物が採用面接官となり「きみの歯は一本抜けているだろう?」「関西出身となっているけれども、お父さんかお母さんは関東出身じゃないかね」その指摘がすべて当たっていたという怖ろしさ。この人、和田精氏こそが和田誠のお父さん。なんか、達人の子は達人って感じ。孫がトライセラトップスの和田唱なのも血を感じさせる。

多摩美を卒業した和田さんは、多数のクリエイターを輩出したことで知られる(なにしろ土屋耕一や篠山起信、浅葉克己、「男は黙ってサッポロビール」のコピーライター秋山晶などがいたのだ)広告会社ライトパブリシティに入社。タバコのハイライトのデザインが彼の作品なのは有名。フリーになって以降も週刊文春の華麗な表紙でおなじみだ。

わたしにとって彼は、キネマ旬報の連載をまとめた「お楽しみはこれからだ」の人で、シンプルな描線だけであらゆる映画スターを描ききるその天才におそれいったものだった。

同時に「麻雀放浪記」に始まる、計算された画と軽さが同居した監督作品もすばらしい。近ごろ映画の製作現場から離れているようなのでとてもさみしい。どうかもう一本お願いします。まだ78才。イーストウッドのことを思えば、なにほどのことがあるでしょう。

で、彼は同時に座談の人でもあるのがこの「聞いたり聞かれたり」(七つ森書館)でよくわかる。該博な知識と豊富な経験が対談相手を信頼させるのだろう。とても興味深い対談がいくつもあるので、そのなかからいくつかピックアップして紹介します。PART2勝新太郎篇につづく

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「モロッコ水晶の謎」「スイス時計の謎」 有栖川有栖著 講談社文庫

2015-03-26 | ミステリ


映画監督、市川崑の日常は、撮影しているとき以外の就寝儀式が早川のポケミスを読むことだったそうだ。ああ、リタイア後の生活としてわたしの理想とするところだなあ。わたしなら有栖川の火村准教授シリーズを常に枕元に置いておきたい。名探偵の物語はそれだけで安心できるフォーマットだし。

エラリー・クイーンを意識した国名シリーズはそのなかでも保証済み物件。特に「スイス時計の謎」の表題作においては、作家はなぜ書き続けるのかという命題に、哀しい思い出をからめていてすばらしい。にしても、わたしは長生きするつもりなのでもっともっと書いてね有栖川さん。

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「わが恋せし女優たち」 逢坂剛&川本三郎著 七つ森書館

2015-03-25 | 本と雑誌

あいかわらずかましてますこの二人(笑)。総勢276人の女優たちへの偏愛を語りまくる。もっとも、このなかでわたしも知っている女優は半分もいない。戦中に生まれた世代が、怒涛のように流れ込んだ戦後の洋画をくりかえし観た結果だとしても、この熱意、該博な知識にはわたしの世代は(DVDで見れるからこそ)及ばないのかもしれない。

わたしが笑ったのは、逢坂さんが「この女優が誰と結婚しているか、していたか」をエクセルで管理していると告白したくだり。あああ気持ちわかりますそれ!
それに、西部劇スターを語るときといっしょで、妙に身長にこだわるあたりもうれしい。思えばとんでもなく長身だった男優と比べられるから気づかないだけで、彼女たち、意外にでかいんですよ。

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三谷幸喜創作を語る最終回 ステキな金縛り

2015-03-24 | 芸能ネタ

PART3はこちら

「ステキな金縛り」
(物語の破綻には強さがあるという主張から)エミ(深津絵里)と同じ事務所の先輩弁護士速水悠(阿部寛)が途中で死んじゃうっていう(笑)。あれはすごい破綻。とってつけたような死に方だし。なぜかというと、もともとあの役はおじいさんの設定だったんです。たとえば藤村俊二さんが演じるような。阿部さんに決まってもそこは変えなかった。でもその破綻には強さがある。あれは阿部さんがいいんですよ。あまり感情移入しなくても済む軽いキャラと演技だから。もっと生活感のある俳優さんが演じてたら、観客は「速水にも家族はいるし、死んだ後どうなっちゃうんだろう」と思うけど、阿部さんだから何も感じないんです(笑)。

……英米のウェルメイドなコメディを信奉する三谷にとって、背が高く、美男で、自分の身体が制御できない不器用な男は最高のキャラだ。ジェームズ・スチュワートの再来ですもんね。わたしは「ステキな金縛り」をあまり評価していない。それは、主演女優があまりにも堅かったから。彼女は台本は完璧に頭に入れて現場に臨むし、絶対にNGを出さないのだそうだ。うーん、だからこそ向いていなかったのではないかと。

「清須会議」
僕はもともと好きなことを1つずつやっていくしか出来なくて、時代ものも好きだから映画で1回やりたかったから撮らせてもらったんです。(「古畑任三郎THE MOVIE」とかは)絶対やらないです。

……そんな三谷の映画の次回作はなんとSFで、香取慎吾と綾瀬はるかで「ギャラクシー街道」(笑)。そしてそして来年の大河を堺雅人主演で「真田丸」!期待しちゃうじゃないですか。できうれば、それらが終わったあとに、またしても「創作を語」ってもらえるとうれしいかも。

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三谷幸喜創作を語るPART3 古畑任三郎

2015-03-23 | 芸能ネタ

PART2はこちら

「古畑任三郎」
本当のことを言うと、僕の中では、古畑は最初、玉置浩二さんだったんです。もっと悪魔みたいな、真っ黒い衣装で無表情で淡々と事件を解いていく、そういうイメージだった。

……ほんとうの意味で三谷のテレビドラマで高視聴率!と言えたのは古畑だけだ。刑事コロンボのファンだった三谷は、むしろコロンボにできなかった部分をみずからが補うような形でドラマを書き進めたようだ。にしても、玉置浩二がイメージキャストだったとはなあ。彼も犯人役で出演していて、それはそれで楽しい回ではあったけれど、やはりわたしたちには田村正和以外のキャストは思い浮かばない。それほどの、当たり役。残酷で、かつユーモラスな美男。これはもう田村さんしか。

◆「古畑任三郎」ふたたび
緒形拳さんが犯人の回は、実は最初のキャスティングは別の人だったんです。ある喜劇俳優さんで、「あの人だったらどんな殺し方があるだろう」と考え、連続殺人の被害者の死体の肛門にメッセージを詰めるというちょっとふざけた話にした(笑)。そしたらその人に断られちゃったんです。「台詞が多すぎて、俺には出来ない」と。

……はて、誰だろうその喜劇役者とは。セリフおぼえが悪くて有名といえば三木のり平。彼は舞台のいたるところにアンチョコを用意していたというし、有力ですね。彼は舞台演出家としても高名なので、三谷としては出てほしかっただろうが。そして三谷は映画監督としてデビューする。

◆「ラヂオの時間」
「振り返れば奴がいる」で、連続もののテレビドラマでは時間の問題などで脚本をカットされたり変更されたりするのを知った経験から、1993年に舞台版「ラヂオの時間」が生まれたんですよ。脚本を本番直前に変えられちゃうという状況をお芝居にしたいと思ったから。

……おわかりだろうか。彼はさまざまなジャンルのドラマに挑んでいるが、まずは自分のテリトリーに引き込んで勝負している。そのことの良し悪しの評価が、そのまま三谷幸喜への評価につながっているのだと思う。嫌いな人は、嫌いだものねえ。以下次号

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三谷幸喜創作を語るPART2 振り返れば奴がいる

2015-03-22 | 芸能ネタ

PART1はこちら

◆「やっぱり猫が好き」ふたたび
「ゴールデンタイムに上がるくらいの頃から、またマンネリになってきた。さすがに一部屋で3人だけで演る話をひとりの作家が考えたら、限界は来ますよ。本読みの時に、『これ、前の台本と似てる』とプロデューサーに台本を捨てられたこともあった」

……また台本を捨てられています。放送作家というのはしんどい稼業なんだなあ。多くが他の職業に転じていくのは無理のない話なのか。そして三谷は、初の連続ドラマに起用される。

「振り返れば奴がいる」
1月クールなのに、話が来たのは前年の秋っていう。他の作家がやるはずだったけど急に降板したかなんかで、僕のとこにきたらしい。
驚いたことに、まだドラマの設定も決まってなかった。でも、オンエアに間に合わないからオープニング映像だけは撮ったらしいんです。見せてもらうと、黒いコート姿の織田さんと白いコートの石黒賢さんが波止場を走ってる。だから僕は「駅伝のドラマがいいんじゃないですか」と提案した(笑)

……そうだったのか。これまでのわたしの理解では、三谷の脚本の遅さに織田裕二がぶち切れ、二度と三谷とは組まないと宣言した……だったのに、直前まで何も決まっていなかったのだからおそれいる。何も決まっていなかったからこそ、およそ彼ら以外にはまったく人がいないかのような病院のセットができあがったわけだ。まるで前衛劇だったですもんね。

準備不足はストーリーにも影響し、脚本では退職して病院を去るはずだった織田を、通り魔によって殺すことになる。しかしそれはいくらなんでも……ということで、すでにフェイドアウトしていた西村雅彦を使うことになる。

西村はちょうどシアタートップスのぼくの芝居に出演してたので
「舞台が終わったらすぐ現場に行って、織田さんを刺してきてくれ
西村はもうクランクアップして、花束までもらってるのに、もう1回撮影に行くことになり、ロケ先で衣装着せられて「後ろから刺してください」と言われたと。

……あの名ドラマの背景にはこんなドタバタ劇が(笑)以下次号

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米朝逝く。

2015-03-21 | 芸能ネタ

「えー、(旧い噺の)虫干しにお付き合いをいただきます」

米朝のくすぐりは、もちろん本気だ。彼は噺が消えゆくのに我慢がならなかったのだろうし、ブラッシュアップすることに生きがいすら感じていたのだと思う。

わたしの世代の落語ファンは、“桂米朝がいる”のが当然のこととして生きてきた。しかし心のどこかで彼がいなくなる予定稿を用意していたとも言える。わたしも、米朝がいなくなる日がそう遠くはないと覚悟はしていた。でも、いざその日を迎えると、こんなに悲しいのか。

落語だけでなく、米朝は消えゆく芸能を傍観することができない人だったのだと思う。彼の「本能寺」や「軽業」は、もう見ることがかなわない芸をわたしたちに伝えたい一心で演じられたのだろう。芸能は、実はそれほどに儚い存在だ。浪花節、講談の現在を考えればわかりやすいだろうか。ジャンルがまるごと消えてしまうのである。

上方落語も、実はそんな存亡の危機にあった。寄席では落語が本筋で、他は色物として貶められていたのに、戦後はその色物の方が商売になると、たとえばあの吉本も判断していたのをくつがえしたのは米朝の貢献だ。要するに彼がいなければ、上方落語それ自体が消えてしまったはずなのだ。

さぞや芸者衆を騒がせたであろう美貌、上品な所作はその最大の武器になったはずだ。下ネタが多い上方落語において(米朝の代表作である「地獄八景亡者戯」も、考えてみれば下ネタの連続だ)、だからこそ彼の品の良さは、東京でも受けいれられる必須要件だったろう。彼に悔いがあるとすれば、弟子の枝雀があんなことになってしまったことだろうか。

噺の発掘と保存に熱意を示した彼のことだから、たーくさんの音源が遺されている。悪党が魅力的な「算段屋八兵衛」、茶屋噺が悲恋につながる「たちぎれ線香」、冬の寒さが夏でも伝わる怪談「除夜の鐘」、口舌のすばらしさが光る「鹿政談」、SFの先駆ともいうべき「天狗裁き」などを気軽に楽しむことができるのは幸いだ。

特にわたしは、かれの旅の噺が大好き。「近江八景」「矢橋船」を、今日はまた聴いて寝よう。関西弁の美しさを伝えてくれた米朝の芸を、また楽しませてもらおう。

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三谷幸喜創作を語るPART1 サザエさん

2015-03-20 | 芸能ネタ

「三谷幸喜創作を語る」はとても興味深い本だった。これまで、かれの作品を何度も何度もとりあげてきたけれど、本人の言い分をもっと聞くべきだったと(笑)。

もっとも三谷のことなので、多分に韜晦が含まれているだろうし、聞き手へのサービス精神が旺盛すぎる(なにしろ大泉洋と並ぶコメント芸人でもあるわけだから)ために面白おかしく脚色している部分もあるだろう。それも含めて、この本もまた三谷の“作品”として楽しむことができる。聞き手は元ABブラザーズで現在は作家の松野大介。

それでは作品ごとに彼の言い分を。

◆サザエさん
実は当時「サザエさん」の脚本も書いたことがあるんです。でも、ここでもクイズ番組の時みたいに自分がおもしろいと思う方向に筆が走ってしまって……。僕が書いた4本中、3本は作品になってオンエアされたけど、最後の1本は、タラちゃんが筋肉増強剤を使用して筋肉モリモリになってオリンピックに出る、という話。「タラちゃん成長期」ってタイトルだけど、それがプロデューサーの逆鱗にふれて、僕の目の前で台本をバシッ!とゴミ箱に投げ捨てられました。「君はサザエさんの心がわかってない!もう来なくていい」と。

……あははは。有名なエピソードですね。ただし、オンエアされた分は、お宝映像としてフジテレビは有効利用しているので、サザエさんの心よりも有能な脚本家へのサービス精神が今のところ優先しているようだ。

◆「やっぱり猫が好き」
深夜にたまたまテレビをつけたら、すごく僕好みの深夜ドラマをやっていたんですよ。それが『やっぱり猫が好き』(フジテレビ)。なんておもしろいんだろう!と思った。もたいまさこさん、室井滋さん、小林聡美さんの3人で、セットの部屋だけでストーリーが繰り広げられるコメディドラマ。僕が創りたいのはこういうドラマだ!と思ったくらい。

……そうだったのか。ファーストシーズンは三谷幸喜抜きであのドラマはつくられていたのだ。てっきり三谷のコンセプトだと思っていました。PART2につづく

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