Stevie Wonder - As
Vol.12「アニバーサリー人間」はこちら。
女子高校生。好きな人が結婚しました。12歳年上の数学の先生です。
私が先生を好きなことは、周りの友達も、先生自身も知っています。先生が私を絶対好きにならないことはわかっていましたが、その上でずっと好きでした。
結婚相手は同じ学校の先生です。2人の結婚を知った同級生からは「もっといい人いるよ」「次があるよ」と言われます。でも、私はもうその先生以外に好きな人はできないと今は思いますし、こんなに全力で好きだったことを忘れるのが一番怖いです。
大学受験を控えており、予備校に通っているのですが、先生の結婚のことで頭がいっぱいになって勉強が手につきません。
好きな人の幸せは、私にとってうれしいことのはずなのにつらくなります。舞台に出る前に緊張するような感覚がずっと続き、ご飯が食べられません。初めての感情に戸惑っています。(神奈川・U子)
まず、U子さんの思いの強さに圧倒されます。でも若いときにそれだけの恋愛感情を持てたことは幸せなことで……なんて通り一遍なアドバイスが機能しないであろうことも想像できます。
実は彼女だって理屈ではわかってる。時が経てば「そんなこともあったっけ」と思い返すだろうと。でもそんな自分が許せないくらいの愛の強さ。安易に言ってしまってはなんだけど、純粋だなあ。
これがしかし女子高生と男性教師だから純粋なイメージ。中学生と教師だと犯罪だし、大学生と教授だとセクハラっぽい。男子高校生と女性教師だとマクロンですね。
オトナと十代では、その経験値の違いから恋愛におけるレートも桁が違う。オトナはそのあたりを十分に承知していなければならないはず。その上でなおかつ成就する恋愛だとすれば、わたしから申し上げることはなにもない。
がんばれU子さん、あなたにはきっともっと素晴らしい出会いが待ってるよ。「次があるよ」と言ってくれる、いい友人をもっているあなたのことだから絶対だ。
ひとつ言っていいかな。失恋がいい経験なのかは微妙。つらいもんな。でもね、失恋した人に「ああ、あんなにつらいんだ」と思えることだけは確かだ。失恋したことがない連中には見えていない景色が、今あなたには見えています。
本日の1曲はスティービー・ワンダーの名盤「キー・オブ・ライフ」から「As」
邦題は皮肉に聞こえるかもしれないけれども「永遠の誓い」こんな歌詞が泣かせます。
僕たちはみんな知っている
人生は憎しみとトラブルだらけ
もっと違う時や場所に生まれていたらと思うこともある
だけど君は人生を賭けて2倍にもできる
神はまさにあるべき場所に君を置いたんだ
Vol.14「ブログ亭主」につづく。