PART2はこちら。
あはははは。瞬間記録とはいえ、日本ではSWの動員を妖怪ウォッチが上回ったとか。これはこれで、味わい深いニュースじゃないですか。みんながみんなフォース(往年の名字幕翻訳家、岡枝慎二さんは『理力』と訳してました。さすが)だのジェダイだのに大騒ぎする必要はないよね。
さあルーカス。彼はエピソード4の大ヒットのあとにどんな行動をとったか。エピソード5と6の監督を、なんと他の人にまかせたのである。「帝国の逆襲」をシャープなアービン・カーシュナーに、「ジェダイの帰還」(わたしの世代だとどうしても初公開当時のタイトル「ジェダイの復讐」の方がしっくりくるけれども)をリチャード・マーカンドに。
それではルーカスはいったい何をやっていたかといえば、自分の製作会社ルーカスフィルムと自前のスタジオ、インダストリアル・ライト&マジック(ILM……産業的光と魔法という社名がうさんくさくていい)に熱中していたのだ。映画ファンなら知らない人がいないほどの会社に育て上げるにあたっては、ルーカスのオタク的嗜好が思い切りはたらいたのだと思います。
展開から言って陰鬱にならざるをえないエピソード1~3(なにしろあの悪の権化、ダース・ベイダーの成長物語ですから)を監督することにしたのは、だからあまり本意ではなかったのかも。映画監督としての“業(ごう)”とは無縁の人だったんでしょう。
いかんいかん、また話が長くなってしまってる。エピソード7ですよね。この、はっきり言ってしまえばエピソード4のリメイクと言ってもさしつかえない作品に、わたしは酔った。酔っぱらいました。第一作公開から四十年近く経って、まさかこんな興奮が……以下次号。
PART1はこちら。
冷静にSWのことを思い返してみましょう。「アメリカン・グラフィティ」でスマッシュヒットをかましたとはいっても、フランシス・コッポラの庇護の下に好き放題やらせてもらった若きジョージ・ルーカスが、いかにも昔風のスペース・オペラをつくりたいんだと主張したとしても、金を出す会社はそうはなかった。
アメグラを製作したユニバーサルは当然のように拒否したし、FOXにしたって潤沢な予算を用意したわけではなかった。
ここは強調しておきますよ。今だからSWは神話的存在だけれど、その当時は誰もこの能天気なお話が大ヒットするとは思っていなかったし、ましてや9部作という、実はルーカスが大好きだった連続活劇に昇華するとは想像もしていなかったのだ。
だから、ジェダイのお話が最初から完璧に構想されていたわけでは絶対にない。想像するに、ヨーダの登場とダース・ベイダーの出自が底にあったぐらいじゃないのかな。
ひとりの孤独な少年(ルーク・スカイウォーカー)が、海千山千の海賊(ハン・ソロ)と交流するうちに成長していくという発想は、俗悪なハリウッドのなかで、映画少年(ルーカス)が同じように苦労していた若者たち(コッポラ、スピルバーグ)に護られながら作品を完成していくという現実とちょっとだけシンクロしただけだと思います。
でも、SW(今ではエピソード4と呼ばれている第一作)は信じられないくらい大ヒットした。これは誰にとっても計算違いだったはずなのだ。そこを見誤ると様々なことが複雑になってしまう。
くどいようだけれどもう一回言っておきます。SWは、続篇が製作されることも当初は(ルーカスの頭のなかはうかがいしれないけれども)想定されていなかったのだ。で、ジョージ・ルーカスがその後にとった行動は、すんごくわかりやすくて、理解できるものだった。以下次号。
エピソード3特集はこちら。
STAR WARSはまことに因果なシリーズで、熱狂的なファンが多いものだから彼らの心のなかにそれぞれ独自のSWがあり、相違すると思い切り批判される。たとえそれが創造主ジョージ・ルーカス本人の意向であっても。
自分の製作会社ごとルーカスがディズニーに(法外な値段で)SWのすべてを売り渡したのは、それに嫌気がさしたからだろう。
本来は9部作となるはずが、6作で終わってしまったことに、まあ仕方のないことかと思っていたけれど、エピソード7をつくるとなれば話は違う。おれはエピソード1のときに買ったアナキン・スカイウォーカー仕様の3Dメガネを後生大事に持ってるよ。こんな日のためにとっといたんだよ!期待を裏切らないでよ!
あ、わたしか迷惑な客って。
監督はおなじみJ.J.エイブラムス。小器用にまとめちゃうんじゃないかとの心配もある。でも脚本にはなんとこれまでの最高作「帝国の逆襲」や「レイダース」を書いたローレンス・カスダンまで起用している!(残念なことに彼はあの「ジェダイの帰還」も書いているけれど)期待と不安でそわそわ。
で、これまではFOXの製作で、北米との公開にタイムラグが生じたせいで評判だけが伝わることが多かった。第一作にいたっては、あろうことか一年も待たされたのである(マーチャンダイジングのためと当時の支社長はコメントしていたけれど、単に商売のセンスがなかったのだと思います)。
今回はディズニー。この会社はイベント映画を仕掛けるのが本当にうまいので、情報は完全に秘匿し、公開も全世界同時。興行成績はその効果もあってか新記録続出。やるもんだ。
全作品をリアルタイムで見ている長年のファンと言っても、さすがに初日にかけつける根性はない。でもああ早く観たい……がまんできずに行ってまいりました。以下次号。
Vol.08「台町ほろ酔いはしご酒2015」はこちら。
キャバレー「白ばら」閉店へ・酒田 大人の社交場、消える昭和の残り香
山形新聞 12月23日(水)
東北・北海道で唯一、営業を続けてきた酒田市のグランドキャバレー「ナイトスポット白ばら」が30日に閉店し、57年の歴史に幕を下ろす。水原弘や中尾ミエなど、昭和歌謡を彩った多くの歌手がステージに立ち、日本の高度成長と同じ曲線を描くように栄えた大人の社交場だった。大学生時代にアルバイトとして働き始め、現在は経営会社の取締役として白ばらの歴史とともに歩んできた本間邦夫店長(65)は「店を愛してくれるお客さんへの申し訳なさ、閉めることへの致し方なさで気持ちは半々です」。昭和の香りを残す空間が酒田の街から消える。
創業は1958(昭和33)年。酒田の繁華街に店を構え、奥羽観光(同市)の斎藤友弥会長が営業を始めた。現在の建物は69(同44)年に建てられた鉄筋コンクリート3階建て。店舗はその1階にある。ステージを起点にして扇状に広がる27のボックス席には、110人が収容できる。約7メートルの高い天井、床面積約700平方メートルの大きなフロア…。昭和の流行語「大きいことはいいことだ」は、キャバレーの店づくりにも当てはまっていた。
最盛期は昭和40~50年代。90人以上のホステスが在籍し、水原弘や中尾ミエ、渚ゆう子、千昌夫、山本リンダら数々の歌手がステージに登場した。昭和の大横綱大鵬、千代の富士が来店したこともあったという。音楽集団「上々台颱(シャンシャンタイフーン)」のボーカルとして知られる酒田市出身の歌手・白崎映美さんもステージに立ち、白ばらに魅了された一人だ。
道路を挟んで向かいにある料亭(当時)「山王くらぶ」から「白ばら」に流れるのが夜の定番だった。企業関係者の接待などでにぎわい、フロアはいつも満席だったという。
ともし続けたキャバレーの火は、景気低迷による企業接待の減少やエンターテイメントの多様化などで次第に小さくなっていった。昭和を知る世代が高齢になり、客層は広がらず、次第に経営を圧迫するようになった。現在は5人が従業員として働いている。
日和山ホテル(酒田市)の佐藤仁社長(52)ら有志が大みそかの31日、白ばらへの感謝を込めたイベントを企画している。白崎さんやかつてステージに立ったバンドメンバーらが出演。午後3時から4時間にわたって多彩なショーを繰り広げる。入場料は2千円で、午後9~11時には楽屋などを巡るバックヤードツアー(500円)も。この日の売上金は全額、同店に贈る。問い合わせは日和山ホテル0234(22)0102。
……そうかあ、ついに閉店か。酒田の盛衰を象徴しているかのようだ。
わたしの上の世代は、酒田で、特に歓楽街である台町で飲むときは「白ばらさ行ぐぜ!」というのが基本線。その学区にある学校も、最初の宴会が終わったら白ばらに繰り出すのがルールのようになっていたらしい。記事にもあるように「山王くらぶ」から白ばらに流れるのが、特に商売人や公務員にとってお決まりのコースだったわけだ。明治に建った山王くらぶも、いまは料亭ではなくて文化財として生き残っているのみ。時代ですかね。
グランドキャバレーという形式が成立するためには、とにかく夜の街に札びらが飛び交っていなければならない。住友軽金属の企業城下町となる夢破れ、大火でとどめをさされた酒田に、もうそんな余裕はかけらもなかったということか。ホステスが90人?いまでは台町全体でもそれだけの数はいないのではないだろうか。
わたしも先輩に連れられて一度だけ白ばらに入ったことがある。すでにフィリピンパブに変容していたのだが、その先輩がなんとわたしを置き去りにして出て行ってしまったのだ。どうしよう。
そこはしかし酒を飲むと度胸だけはある男。わたしひとりでフィリピンさんホステス数人といっしょにタガログ語で「ギンギラギンにさりげなく」を絶唱していたのでした。
「♪ギンギラギンにラシモアパー!」
まだ歌えます(T_T)。
港座のステージでは、クリスマスイブにおっさんミュージシャンたちが白崎映美さんのライブのために練習中。いいもの見せていただきました。きのう、うちの職場の同級生がその白ばらにが行ったらしいんだけど
「やっぱさぁ、高いよな居酒屋に比べたら」
「何人ホステスさんついたんだ?」
「三人」
「その分だろ」
「あ、そっかー」
やっていけないわけだよなあ。
Vol.10「おしんの里」につづく。
一冊一冊が濃厚だというのに三部作。読み終えるのに二週間近くかかりました。並みのミステリ10冊分ぐらいのネタがどかどか仕込んであるのでお腹いっぱい。
まず、舞台となっているイタリアの警察制度自体が興味深い。国防省所属の憲兵隊と内務省所属の国家警察が並立しているあたり、担当はどう決まるのだろう。
ヴェネチアで起こる殺人と陰謀。水の都が水没の危機にあり、警察官が長靴をはいて捜査するなんて描写も細かくていい。
主要な登場人物は3人。憲兵隊の大尉カテリーナ、米軍少尉ホリーの美女ふたりと、幼いころに誘拐され、耳と鼻を失い、のちに堅牢なSNS「カルニヴィア」を創設したダニエーレ。
セックスに貪欲なカテリーナはいかにもイタリアン。ホリーは父親がからんだ国家的陰謀に果敢に挑み、ダニエーレは自分の過去と正面からぶつかっていく。その三人がいったいどうなるかというと……
日本以上に米軍基地への反感が強いイタリアにおいて、共産党の与党化がなぜつぶされたかなどの陰謀論がうずまいているので、そちら系がお好きな方にはたまらないでしょう。
定番のフリーメーソンが出てきたりするのでちょっと警戒したけれど、ヴァチカンとのつながりでツイストした扱いにしているなど、うまいものだ。こんなにうまい小説なのに、なんとホルトの処女作なんだとか。いやはやおそれいりました。決して「ミレニアム」+「ダ・ヴィンチ・コード」で一丁あがりという安直な作品ではありません。
にしても、やっぱりイタリアの女性は肉食だなあ……実は脳内で勝手に映画化しており、キャスティングは
・カテリーナ → ラウラ・アントネッリ
・ホリー → リース・ウィザースプーン
・ダニエーレ → うわああ佐清(すけきよ)しか頭に浮かばない!
ナイツ漫才 一押し
PART1はこちら。
最大の理由は、なんといっても「食えない」だ。
・人口の流出
↓
・檀徒の減少
↓
・収入の減少
↓
・住職のなり手の減少
↓
・寺院消滅
↓
・さらなる人口流出
というサイクル。
このサイクルから必然的に導き出されるのが住職の兼務というわけだ。近隣の(だけでなく遠隔であっても)同じ宗派の寺をひとりの和尚が兼務すれば、少なくとも収入の面では助かるし、檀徒としても廃寺という最悪の結果は逃れうる。兼務万歳である。
しかしそれにも限界はある。
寺の維持に地域が持ちこたえられなくなるのは目前だし、なにより多くの住民が寺とのかかわりを面倒だと思っているかぎり、事態の好転は見込めない。
この書では慎重に排除されているけれど、新宗教との関係もあって日本の既存宗教が曲がり角(もっとはっきり言うと崖っぷち)にいることは確実だと一貫して告げている。
葬式仏教、と揶揄される現代の寺だけれど、葬式だけでもやれるだけましなのだ。はたして寺院がこれからどうなっていくのか、檀徒であるわたしにもさっぱりわからない。いったい、どうなるんだろう。
文字どおり縁起でもないお話なので動画はお笑い系。ナイツはここに来てまた進化してる!
日本創生会議がまとめた「地方消滅」は、多くの自治体が、特に若い女性住民の減少などの要因で、自治体として成立しえなくなることを警告した書だった。今日の新聞発表だと、酒田がまもなく東根に抜かれてしまうらしいなど、ちょっとびっくり。
あまりの反響に、その予測はあり得ないとする反論も寄せられているようだが、グローバル経済のもとで、安価な労働力を国内ではなく海外に求めることが当然のこととされている現在、地方から都会への人口の流出は不可避だし、地方がやせ衰えていくのは自然な流れだと思う。それがいいとか悪いとかではなくて。
さて、人口がどんどん減って行けば、ある時点で破断するように集落がまるごと消える。現在でも『限界集落』と呼ばれている地域は木端微塵だろう。
その、住民が消えた集落になにが残るか。「寺」と「墓」だろうか。
「寺院消滅」は、全国に7万7000ある寺のうち、すでに2万の寺に住職がいない現状から、住民がいないのに寺だけが残ることなどありえないという冷厳な事実を提起している。
住職がいない寺、というものを都会に住んでいる人にはご想像いただけないだろうか。わたしがいま檀徒の総代になっている寺もまさしくそんな事情なので説明しておこう。
キーワードは「兼務」。
地元の市議会の議長までつとめた名物和尚が亡くなって十数年たつ。檀徒としては、地元の有力企業に就職している長男に跡を継いでほしかったところ。しかし(本人も少しはその気になったようだが)、結局は断念。以降、無住の寺になってしまった。
誤解している人も多いようだけれども、寺は住職のものではない。入れ物としての寺は、あくまで檀徒たちが整備し、宗派の本部から和尚が派遣されてくるのが建前。
もちろん、それには数多の例外があるにしても、いったいどうして結果的に1/4の寺に和尚がいない結果になってしまったのか。以下次号。
凡庸な男(徳川家康)が、なぜ天才(織田信長)、大器(豊臣秀吉)がなしえなかった天下平定をやってのけたのか。それは彼自身が自分が凡庸であることを意識していたから……という運び。
部下に徹底して怖れられた信長、秀吉と違い、三河侍たちは家康など簡単に首をすげかえることができるとしていたあたりが笑える。
で、家康は始終不機嫌。なにしろ長い坂を重い荷物を背負って歩くような人だから。しかし人生の切所を次々にしのいで家康は次第に自信を深め、しかし自分の凡庸さを忘れないあたり、さすが大権現様ですよね。
本能寺の裏面史という側面もあり、今度出た「決戦!本能寺」がいっそう楽しみに。あのシリーズのおかげで伊東の作品を読むことにしたのだから、講談社はほんとうにうまい商売をしたなあ。
映画館はもうSTAR WARS(と妖怪ウォッチ)祭りだろうし(初日だけで1億2千万ドルってどういうことだよ)、だいたい公開は終わったのでもう何言ってもいいですよね「ギャラクシー街道」。
最初にこの企画を聞いたときに、実は首をかしげた。宇宙にぽつんと浮かぶハンバーガーショップを訪れる、変わった登場(宇宙)人物たち……うーん、気持ちはわかるけれども、そそられないなあ。
危惧したとおり、興行は大コケ。悪評罵倒が数限りなくあびせられていて、三谷幸喜もつらいだろう……待て待て。これまで「事務職員へのこの1冊」で、宮藤官九郎と並んで最多出場を誇る(きっとそうだと思う。ページビューも古畑任三郎関係がいまだに強いし)三谷の新作を、評判だけで見逃していいのか。こんなときこそ映画館にかけつけるのがファンというものではないのか!
……行ってきました。うわあこれはまた無惨な。コメディなのに、とにかく笑えないのだ。いったい何がよくなかったのだろう。
コンセプトは理解できる。夫婦愛、不倫、プロポーズ、出産など、これらドラマの定番を、宇宙で起こることにすれば笑いに昇華できるのではないか。しかもお得意のハートウォーミングな、フランク・キャプラのタッチでくるめば東宝もフジテレビも喜んでくれるはず、「奥様は魔女」のようなアメリカンコメディの雰囲気で観客も大爆笑するはず……だったのに。
まず、香取慎吾が演じる主人公がなんとも嫌なヤツなのだ。妻(綾瀬はるか)を信じることができず、昔の恋人(優香)の夫(梶原善)をボロクソにけなすし、カエル星人(西川貴教!)を露骨に差別する。およそ聖なる愚者とは正反対の性格。
他にも計算ちがいはいっぱいあって、かろうじてごひいき秋元才加の豪華なルックスが場を救っている。だから小栗旬と彼女のシークエンスだけは、乾いていながら妙に艶っぽい、つまりは黄金期のアメリカのコメディになり得ていた。
「ステキな金縛り」につづいてキャスティングに失敗しているのも痛い。綾瀬はるかは確かにコメディエンヌとして才能豊かだけれども、こういうドライな設定には向いていない。彼女のダンスは痛々しいくらい。
このタイプのコメディには、むしろ反感を買うぐらいど派手なルックスの女優を選択すべきだった。でも、三谷が選ぶのは深津絵里や綾瀬はるか。これは好みの問題なんでしょうね。仕方ないか。
でも大河「真田丸」は期待してますよ。三谷ファンとして、今回のお話はなかったことにしておきます。
2015年12月期末勤勉手当号「マイナンバーその後」はこちら。
のっけから結論を。事業者としての山形県は、雇用しているわたしたち県職員の、通称マイナンバーをこのように集めることにしました。
1 まず、マイナンバーをなんのために使うかをあなたにお知らせします。
2 年明けに、先日記入していただいた平成28年分の扶養控除申告書を一度お返しします。
3 返ってきた申告書のマイナンバーの欄に、本人、扶養親族の番号を記入してください。
4 そして事務職員に提出する際に、あなたの番号が記入された通知カード、あるいは気の早い人なら市役所に行って申請した個人番号カードを提示してください。
……以上で終了です。
正直なことを言うと、年内にすべて収集して申告書を県に提出しろとか、カードのコピーも添付しろとか、本人確認の書類もコピーして保管しろとかいう他県のハードな実態を聞いていたので、はたしてどうなるのかと不安ではあったのです。
でも、山形は国税庁が指導するような原理主義に走らず、実態に即したやり方を採用してくれたよう。
本気で“正しく”やろうと思えば、1月1日に退職する職員がいる可能性もあることから年内に番号を集めておく建前は立派だし、その番号がほんとうにその職員のものなのか判断するために、本人確認の書類(写真入りの……たとえば免許証とか)をいっしょに集めるのもありです。
でも、
・1月1日に退職する職員がいるのなら、その職員の番号を急いで調べればすむ
・毎日毎日(嫌でも)顔を突き合わせている職場の人間を、いちいち本人ですかと確認するのはムダ
・なにより怖いのは情報漏洩であり、コピーすればそれだけ漏洩の可能性は高まる
という判断があったのでしょう。正解だと思います。
申告書を返す際に具体的な手順を示しますが、この正月に帰省する親族がいるご家庭では、確実にナンバーを控え、正月明けに記入できるようにしておいてください。まさか、もうなくしたなんて言わないでくださいよ。たのむよ。
画像は「ミケランジェロ・プロジェクト」
The Monuments Men(2014 FOX=SONY)
日本公開がよくわからない理由でいきなり中止になり、弱小配給会社によってなんとか公開に至ったジョージ・クルーニー監督主演作品。
第二次世界大戦中にドイツに、というかヒトラーによって略奪された美術品を取り返す老いぼれ兵士たち。ヒトラーの趣味だからダ・ヴィンチやミケランジェロはベルリンに送られるものの、ピカソやパウル・クレーは焼き捨てられてしまっていて……。
美術品のために兵士の生命を賭ける価値があるのか、と問われた主人公のラストの答が泣かせます。わたしは泣きました。26日から鶴岡で公開。STAR WARSだけが映画じゃないぞ。
ということで2016年1月マイナンバー号「正しいマイナンバーの集め方実践篇」につづく。